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2まんえんくださいコミュの雪の牢獄。

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凍り付くような吹雪の中、その小さな山荘は緊張に包まれていた。
この地方に伝わる古い言い伝えになぞらえて、2まん人が次々と殺されていったのである。

「ああ、もう耐えられない!こんなことになるなら、こんなとこ来るんじゃなかったわ!」
「うるさい!!大声を出さないでくれ!」
「まあ、お義兄さん、よく言えたものね! お義兄さんが2まん円の借金に首が回らなくなっているのは知っているわ! 大方お義兄さんが遺産目当てで殺したんじゃなくて!?」
「なんだと!お前こそ、財産目当てで嫁いできた女狐のくせに!!」

山荘内は、一触即発の空気に包まれていた。

「まあまあ、お兄さん、お義姉さん、今は言い争っている場合じゃないでしょう? 人前ですし・・・・」

と、なだめながらチラッと見た先には、1人の男が座っていた。
その男は名探偵だった。
吹雪で身動きが取れなくなり、この山荘に助けを求めてやってきたのである。

この探偵を含め、居間には生き残った2まん人が集まっていた。
次々と人が殺されていく中、次は自分かもしれないという恐怖が居間を襲っていた。

そう、外は猛吹雪である。犯人が外に逃げることは考えられない。
犯人はこの中にいるのだ。

朝になり吹雪がやんで助けを求めに行くのが早いか、殺人者の餌食になってしまうのが早いか・・・

しかし、犯人は致命的なミスを犯していた。
おそらく、突然の名探偵の来訪に気が焦ったのであろう。完璧と思われた密室殺人に、致命的な矛盾を残してしまったのだ。

今まで数々の難事件を解決してきた名探偵。
たとえわずかな手がかりでも、きっとそこから解決の糸口を見つけてくれるはず!

恐怖と緊張に包まれた山荘の中、皆わずかな希望の光を心にともしていた。




再び山荘の居間に静寂が訪れていた。
大きな柱時計の音だけが、響いていた。

すると、先ほどまで椅子に座り、目をつぶって黙り込んで考え込んでいた名探偵が、すべてがわかったかのように立ち上がった。

居間に集まっていた皆は、息をのんで名探偵の言葉を待っていた。
そして、名探偵は静かに話し始めた。




「すいません、わたしが殺しました。ごめんなさい。」

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