Ion Stormの元スタジオディレクターで、「Wing Commander」から「Deus Ex」に至るまで、さまざまなゲームタイトルの責任者を務めてきたSpectorは、待望の次世代ゲーム機について、プレイヤーにとっては最高に素晴しいものになるだろうと考えている。高解像度のグラフィックスに信じられないほど高速な処理能力、臨場感あふれるサウンド、またこれらのゲーム機がもたらすエクスペリエンスは従来のゲーム機と全く比べ物にならない。しかし良いことばかりではない。Spectorをはじめとする開発者は、ゲーム業界がハリウッドの映画産業のようになってしまうのではないかと懸念している。莫大な予算をかけて大掛かりな作品が連作ものとして制作され、トップクラスのタイトルを開発するだけの資金力をもつ一握りの大企業が市場を独占するのではないか、と言うのだ。
PlayStation 2やXboxの時代を迎えた頃、最も大規模なゲームの開発は数十人からなる開発チームの手で行われ、開発に1000万ドル以上の予算が費やされることも多かった。ここ数年、業界関係者の一部は、このような開発手法では、開発者は創造性を発揮できなくなり、ゲームのジャンルもスポーツや射撃、ストラテジー、そしてロールプレイングなどの売れ筋商品に限られてきていると不満を訴えている。