今日のニュースコミュの2005年11月22日（火）-東京-晴

★分離手術成功の頭部結合双子、無事エジプトへ帰国

　手術成功から２年がたち、頭部保護のヘルメットをかぶるモハメドちゃん（左）とアーメドちゃん。


★イラン・イラク大統領が会談

　テヘランを訪問したタラバニ・イラク大統領（右）と握手するイランのアハマディネジャド大統領。イランの国教であるイスラム教シーア派が主導する政権がイラクで発足したことで、両国は急速に接近している。


★ブッシュ氏、モンゴルを訪問-米大統領として初
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★「地震の力」を小さく入力−姉歯事務所の構造計算書

　首都圏のマンションなどで明らかになった耐震強度偽装問題で、朝日新聞社は姉歯建築設計事務所（千葉県市川市）が作成したマンションの構造計算書を入手した。地震の力を実際の半分以下に見積もっており、書類の前半と後半で異なった数値が使われるなど、あり得ないはずの内容が記載されている。

　東京都墨田区の１１階建てマンション「グランドステージ東向島」の構造計算書で、設計を請け負ったエスエスエー建築都市設計事務所（東京都新宿区）が姉歯建築設計事務所に発注した。概要書と構造計算書合わせて全３０２ページ。０３年８月に作成された。国土交通省は２１日、グランドステージ東向島は耐震強度が基準の３１％しかなく、震度５強程度の地震で倒壊する恐れがあると発表した。このマンションでは３６世帯が暮らしている。


　構造計算書は前半部分で地震時応力（地震の時に建物にかかる力）を算出。建物の高さや床面積などに応じて数値をはじき出している。例えば１１階の柱にかかる力は「３５キロニュートン」としている。構造計算が専門の複数の１級建築士によると、これ自体はとりわけ問題がある数値ではないという。

　偽造は後半部分に隠されていた。この数値を使って実際に使う部材（柱の太さや鉄筋の本数）を決める「断面算定」と呼ばれる段階だ。ここでは１１階の同じ柱部分の地震時応力が「１６キロニュートン」になっていた。他の個所でも前半部分で出した数値の５割以下の値が使われており、１級建築士によると、低い地震時応力を基に計算されているので強度は当然落ちるという。構造計算書によると、１階の柱にはＤ２５（直径約２５ミリ）の鉄筋が１６本埋め込まれている。ところが、「物件の概要を見る限り、Ｄ２９（２９ミリ）かＤ３２（３２ミリ）を２０本程度使わないと、中規模以上の地震には耐えられない」というのがこの１級建築士の判断だ。

　構造計算書は国交相が認定したコンピューターソフトで計算するのが一般的だ。姉歯建築設計事務所が使ったソフトも正規のものだった。

　１級建築士によると、（１）正規の地震時応力を入力した構造計算書（２）あらかじめ半分以下の地震時応力を入力した構造計算書――の２種類を用意し、（１）の前半部分と、（２）の後半部分をくっつければ、この構造計算書のような偽造は可能だ。「前後半の数値が違うから、丹念に数値を追っていけばチェックできるはずです」と１級建築士。


　姉歯建築設計事務所の構造計算書を審査し、建築確認を出した民間の検査会社「イーホームズ」（東京都新宿区）は「手口は巧妙で通常なら気づかない」と１８日の記者会見で強調した。



【耐震強度偽装、新たに都内のホテルも】

　マンションなどの耐震強度の偽装問題で、京王電鉄は２１日、東京都品川区にあるホテル「京王プレッソイン五反田」の構造計算書にも偽造が見つかったとして、同日から営業を中止した。同ホテルは、姉歯建築設計事務所（千葉県市川市）が書類偽造を認めた１都２県の計２１棟には含まれていない。

　千葉県の調べでは、同事務所は過去１０年間に２２都府県で計１９４件の構造設計にかかわっており、偽造物件がさらに広がる可能性がある。国土交通省や各自治体は今後、問題の２１棟以外についても、詳細な調査を行う方針だ。偽造が新たに見つかったのは、京王電鉄の子会社が運営する「京王プレッソイン」４号店の五反田店（１７２室）。すでに判明している強度偽装マンションなど７棟の施工を請け負っていた建設会社「木村建設」（熊本県八代市）が施工し、姉歯事務所が構造計算の下請けに入っていた。

　同ホテルチェーンをめぐっては、すでに茅場町店（中央区）で構造計算書の偽造が発覚。京王電鉄は１８日、同店の営業を中止するとともに、チェーン展開している７店舗すべてについて、大手設計事務所に点検を依頼した。

　その結果、五反田店の構造計算書にも、茅場町店と同様、地震などで建物にかかる外力の値を改ざんした建築基準法違反が見つかった。実際の耐震強度については「結果が出次第、公表する」としている。両店舗以外の東銀座、神田、池袋、新宿、大手町の５店舗については、数値の改ざんなどは見られなかった。

　一方、千葉県は２１日、姉歯事務所が関与していた１９４件の情報を関係自治体に提供した。このうち、マンションなど共同住宅は８９件。ホテルが数件あり、寺院や鉄塔などもあったが、残りの大半は個人住宅だった。同事務所は１９９０年に開設されたが、９５年以前の記録は残っていなかった。２２棟目の偽造が明らかになったことについて、国土交通省住宅局では「大変深刻な問題」と受け止めており、早急な情報収集や地元・品川区と協力した事実解明に努める方針だ。

　営業中止した五反田店には、２１日も１１９人の予約があったが、他店舗や周辺のホテルに宿泊を振り替えた。京王電鉄では「偽造の手口が同じなので、（茅場町店と）同等の危険が考えられる。お客様の安全を優先し、営業休止を決めた」と話している。







★ブッシュ氏、モンゴルを訪問−米大統領として初

　アジア歴訪中のブッシュ米大統領は２１日、最後の訪問先となるモンゴルに到着した。現職の米大統領が同国を訪れるのは初めて。ブッシュ大統領は当地でエンフバヤル大統領と会談し、イラク戦争への協力などに謝意を表明した。

ブッシュ大統領夫妻は専用機でウランバートル空港に到着し、沿道に並んだ市民の歓迎を受けながら政府庁舎に移動。両大統領は庁舎前での式典に続き、中庭に設けられた伝統的な移動式住居「ゲル」の中で会談した。モンゴルは旧ソ連崩壊後、共産主義から議会制民主主義に移行した。米国の要請にこたえて、イラクに１２０人、アフガニスタンに約５０人の兵力を派遣している。ブッシュ大統領はモンゴルのテレビ局とのインタビューで「今回の訪問により、モンゴル国民のみなさんに米国からの友情を示したい」と述べていた。

　大統領はまた演説の中で、モンゴルの民主化を「地域と世界の模範例」と賞賛。イスラム原理主義と共産主義は、どちらも「自由への願いには勝てない」と強調した。







★「カンガルー肉」の愛称を募集　豪州の業界団体ら

　オーストラリアのカンガルー産業協会とフード・コンパニオン・インターナショナル誌が現在、「カンガルー肉」の愛称を募集している。「カンガルー」という言葉を聞くと、料理する場合でも食べる場合でも、姿を想像してためらう人が多いことから、素材の「肉」としての愛称を決めることになったという。

　フード・コンパニオン・インターナショナル誌のメル・ネイサン編集長は、ロイター通信に「『カンガルー肉』にぴったりな名前を提案することが必要。『カンガルー肉』って聞いて注文するのをやめる人がいるため、シェフがカンガルーの肉を使って料理しなくなる」「特に、海外からやってきた人は、カンガルーやコアラは愛らしくてかわいい動物と思いがちで、その肉を食べるなんて考えられないだろう」と話している。

　オーストラリアに生息するカンガルーの数は、少なく見積もっても５７００万頭を超えているという。カンガルー産業協会によると、年間のカンガルー狩猟数は、全個体数の約１０─１５％で、市場規模は２億オーストラリア・ドル（約１７５億３０００万円）に達している。これまでに世界中から、有袋類（marsupinal）から取った「marsu」やオーストラリア先住民アボリジニーの言葉を使った「marla」「wallagang」、カンガルー（kangaroo）をもじった「agaroo」など、３００以上の候補が寄せられている。

　愛称の応募は、フード・コンパニオン・インターナショナル誌のサイト（http://www.foodcompanion.com/）から。







★「月の土地」販売業者、業務停止命令の当局を提訴−中国

　中国で「月の土地」を販売している業者が、不当な利益を得ているとして、当局から業務停止命令を受けた。この命令に業者側は、「中国には、月の土地販売を禁止する法律はない」と反発、逆に当局を訴えた。中国の国営・新華社通信が１５日、伝えた。

　当局を訴えたのは、米国に本拠を置き、「月」や「金星」、「火星」の土地を販売している「ルナエンバシー」が出資して北京に設立した「月球大使館（北京月球村航天科技有限公司）」。同社は、中国が今年１０月中旬に２度目の有人宇宙飛行船打ち上げに成功した直後から、「月」の土地を１エーカー（約４０４７平方メートル）当たり３００元（約４４００円）で売り出し始めた。新華社によると、発売開始日の１０月１９日から３日間で、中国国内の顧客３４人に計４９エーカーを売り上げたという。

　この販売に、当局が正常な取引ではないと判断、不当な利益を得ているとして、販売免許の停止処分を下した。この処分に、月球大使館は「中国には月の土地販売を禁じる法律はない」「我々を取り締まる根拠はない」などと反論し、提訴に踏み切ったという。

　「月」を含む宇宙空間の探査や利用については、１９６７年に発効された宇宙条約で、国家が宇宙空間や惑星を所有することは禁じられている。しかし、ルナエンバシー社は、個人や私企業による所有については禁じられていないと主張し、１９８０年から月の土地の販売を始めている。現在では米国や中国のほか、日本や香港、台湾などアジア各地域、フランス、英国などの欧州、オーストラリアやニュージーランドでも、様々な惑星の土地を販売している。








★高知、大分などで震度３

　２２日午前零時３６分ごろ、中部から九州にかけての広い範囲で地震があり、高知県の夜須や大分県の佐伯、宮崎などで震度３を観測した。気象庁によると、震源地は種子島近海で、震源の深さは約１５０キロ。マグニチュード（Ｍ）は６．０と推定される。津波の心配はないという。

　各地の震度は次の通り。

　震度３＝夜須（高知）佐伯（大分）宮崎、都城（宮崎）鹿屋、種子島、屋久島（鹿児島）など

　震度２＝御坊（和歌山）岡山灘崎（岡山）福山松永（広島）徳島（徳島）小豆島（香川）今治（愛媛）高知（高知）柳井大畠（山口）南阿蘇（熊本）大分（大分）鹿児島（鹿児島）など

　震度１＝揖斐川（岐阜）稲沢（愛知）彦根（滋賀）岸和田土生（大阪）豊岡（兵庫）五条二見（奈良）和歌山（和歌山）鳥取（鳥取）岡山（岡山）広島（広島）小松島（徳島）高松（香川）松山（愛媛）室戸岬（高知）萩（山口）福岡（福岡）雲仙（長崎）熊本（熊本）別府（大分）日向（宮崎）阿久根（鹿児島）など








★城島、マリナーズと３年契約で合意・初の日本人捕手誕生へ

　プロ野球ソフトバンクからフリーエージェント（ＦＡ）宣言した城島健司捕手（29）が米大リーグのマリナーズと３年間の契約で合意したことが21日、分かった。日本人捕手がメジャー契約を結ぶのは初めて。マリナーズにはイチロー外野手がおり、大リーグ球団に２人の日本人野手が所属するのも初となる。

　契約は出来高払いを含めた総額で最大1900万ドル（約22億6000万円）になる。早ければ同日中にもマリナーズが発表する見通しで、城島は日本時間の22日、福岡市内で記者会見する。

　ＡＰ通信によると、1650万ドルが年俸分で、残りが出来高払い。代理人のアラン・ニーロ氏は同通信に「城島はマリナーズと契約する。球団は21日に発表するだろう。マリナーズは城島に、好印象を持ったようだ」と語った。







★シャロン首相が離党、新党結成へ-イスラエル

　イスラエルのシャロン首相は２１日、新党を結成する方針を決め、自らが党首を務める与党第１党の右派政党リクードに離党届を提出、受理された。党内には対パレスチナ強硬派が多く、党にとどまることは政策遂行に障害になると判断した。首相は同日、カツァブ大統領に国会解散を要請。早ければ２月末にも総選挙が行われる見通しで、選挙後の新政権発足まで中東和平交渉は事実上中断に追い込まれる。

　首相は同日午後７時半（日本時間２２日午前２時半）から記者会見する予定。

　イスラエル政界は今後、右派のリクード、左派の労働党に中道色の強い「シャロン新党」を加えた３党を軸に再編に向けた動きが加速する。イスラエル国会は２１日、国会解散のための手続きを進めることを賛成多数で承認した。可決にはあと３回の承認が必要。

　ガザ地区撤退を実行した首相への支持は高く、新党に何人の議員が参加するかが焦点。党名には「国民の責務」が候補として挙がっている。リクードでは、オルメルト首相代理など十数人が既に新党に加わる意思を表明。労働党からも長年親密な関係のペレス特別副首相（元首相）の参加が取りざたされているが、イスラエル放送は副首相が新党入りしないと報じた。労働党中央委員会は２０日、連立政権からの離脱を決めていた。

　ネタニヤフ元首相らリクード内の強硬派は９月、ガザ撤退について「武装組織解体などの見返りがないまま撤退すれば、ガザ地区がテロの温床になる」と反発していた。総選挙では、国会（定数１２０）の４０議席を持つリクードが大きく議席を減らす可能性が高い。労働党はシャロン首相のリクード残留を前提に、現有２１議席の大幅増を目指していたが、戦略の変更を余儀なくされるとみられる。


　イスラエルのシャロン首相が自ら率いる右派、リクードを離党し、新党を結成する見通しとなった背景には、９月に完了したガザ地区撤退に関する党内での対パレスチナ強硬派の根強い反発がある。

　ガザ撤退には国民の高い支持があり、総選挙に踏み切っても第１党の座を獲得できるとの勝算があるとみられるが、各種の世論調査では、単独過半数を確保できる可能性は小さい。リクードと中道左派、労働党との三つどもえの選挙戦に勝利し、自らの政策遂行が可能な連立政権を樹立できるか、シャロン首相は大きな賭けに出たといえる。

　首相の離党後は、「パレスチナ武装組織の解体などの見返りがないまま撤退すれば、ガザ地区がテロリストの温床になる」と撤退に強く反発したネタニヤフ前財務相（元首相）がリクードの新党首として有力視される。同氏は党所属国会議員に「シャロン新党には加わらないように」と引き留め工作を行っている。

　一方、労働党では、「パレスチナ占領は直ちに終わらせるべきだ」などと左寄りの発言が多かったペレツ氏が、新党首となった後、浮動票獲得を狙って中道寄りに路線を修正している。今後、パレスチナ武装組織の対イスラエル攻撃があればリクードに有利に働くとみられ、シャロン新党が混戦を抜け出すには、国民にアピールできる公約を掲げる必要がある。







★分離手術成功の頭部結合双子、無事エジプトへ帰国

　頭部が結合した状態で生まれ、米国の病院で分離手術を受けた双子が２０日、約３年ぶりに故郷のエジプトへ帰国した。２人は今後しばらく、頭部を保護するためのヘルメットが必要だが、大きな手術は必要ないという。

　エジプト南部クス市近くの小さな町で、２００１年６月に生まれたモハメド・イブラヒムちゃんとアーメドちゃんは、米国の非営利組織（ＮＰＯ）の協力で、１歳の時にテキサス州ダラスの小児医療センターに入院。０３年１０月に３５時間に及ぶ分離手術を受け、成功した。家族そろってエジプト・カイロの空港に到着した後、母親のサバ・アブ・エル・ワファさんは、「２人の息子を別々に抱きしめたいという人生の夢がかないました。この奇跡をもたらしてくれた神、様々な協力をしてくださったエジプトと米国のみなさんに、感謝します」と語った。

　父親のイブラヒム・モハメド・イブラヒムさんによると、モハメドちゃんとアーメドちゃんは米国滞在中に英語を覚えたので、今後も英語の勉強を続けさせたいと話し、「息子たちに必要なものすべてを与えられるよう、神に祈っています」と結んだ。２人は今後、半年に１回の定期検診のほか、１年半後に米国で詳しい検査を受ける予定。







★イラク大統領がイラン訪問・テロ撲滅で合意

　イラク移行政府のタラバーニ大統領は21日、イランを訪問し、アハマディネジャド大統領と会談した。イラク大統領のイラン訪問は1979年のイラン革命後では初めて。アハマディネジャド大統領はイラクの民主化がイランの利益になると確認し、来月のイラク総選挙を妨害する武装勢力のテロ阻止に全面協力すると約束した。

　タラバーニ大統領は22日以降に最高指導者ハメネイ師、ラフサンジャニ最高評議会議長、モッタキ外相ら有力者と相次ぎ会う予定。一連の協議では(1)イランの友好国であるシリアからイラクへの武装勢力の流入を防ぐ方策(2)80年代のイラン・イラク戦争でイランがイラクから得る賠償金額の確定を含む平和条約の締結――などを検討する可能性がある。