Second Lifeは、米Linden Labが2003年に正式公開した3D仮想空間だ。自分のアバターを操作して3D空間を探検できる仕組みはMMORPGに似ているが、敵を倒したりミッションをクリアしたりなどといった特定の目的はなく、何をするのもユーザーの自由。アバターデザインから住む場所、乗り物、動作、参加するコミュニティーなどを、自由に選んだり作ったりできる。
Second Lifeの推奨スペックは、CPUがPentium 4/1.6GHzかAthlon 2000+以上、メモリは512Mバイト以上、グラフィックスカードはGeForce FX 5600/6600以上かRadeon 9600/X600以上となっている。ストレスなく動かすには、できるだけ高スペックなPC――できればオンラインゲーム推奨レベルの性能を持ったマシンが望ましいだろうが、ノートPC率が高い日本では不利なユーザーも多そうだ。
Second Life内で何かやろう、と思い立ったとしよう。アバターの着せ替えでもいいし、アイテム生成でもいいし、家を建ててもいい。だが何をするにも、基本的にはリンデンドル――お金がかかってしまう。どの街に行っても目に付くのは、「○○L$」と値段を書いた看板。素敵なアイテムを見つけても、お金がないと手に入らない。
Second Lifeで最も人気の場所は、「やっぱり」というべきか、アダルト系かカジノだ。トラフィックの多い場所を検索すると、「CASINO」「FREE SEX」「NUDE BEACH」などといった文字が並ぶ。これらに行ってみると裸のアバターが街をかっ歩し、セックスのスクリプトを使って見知らぬ人と、“バーチャルセックス”に興じていたりする。
Second Lifeは「ユーザーが世界を作る」「作成したアイテムの著作権はユーザーに帰属する」など“Web2.0”的な要素もふんだんに備えている。その上「3次元」「RMT」(リアルマネートレード)といった次世代を感じさせる要素を持ち合わせていたこともあり、先端的なブロガーなどが絶賛。メディアもこれに飛びつき、広がった──という面がある。「ぼくも当然知っている。新しい可能性を感じさせるね(やったことないけど)」
「最初はオブジェクトの取り外し方も座り方も分からず、右手にトーチ、頭にバニー、腰に重いベルトなど“全部盛り”で歩き回っていましたが、『Second Life Wiki』などで調べたり、人に聞きながら少しずつ解決しました。世界があまりにキャッチーだったので、分からないながらもついつい進んでしまいました」
Second Lifeの魅力は、見知らぬ人とコミュニケーションを楽しめることと、自由に物が作れることだという。「Tシャツやインテリアなどをリアルに再現できるので、シミュレーションとしても素晴らしい世界だと思います」。テクスチャーをアップするにもお金がかかるなど、物を作るのも無料ではないが、この仕組みをminaさんは評価する。
Second Lifeは確かに、さまざまな可能性を持った新しい空間だ。それだけにそろそろ“空騒ぎ”をやめて日本人のユーザーコミュニティーを育て、Second Lifeの世界全体を盛り上げていかないと、メディアや企業からの過度な期待に押しつぶされ、広告に埋もれてコミュニティーも壊れてしまうのではと、記者は危ぐしている。