福知山市コミュの明日の京都ﾋﾞｼﾞｮﾝ

京都府が「明日の京都ビジョン」のパブリックコメントを募集してたので10/08/16に応募しました。

　　　　　　　　　　『三丹・福知山の将来ビジョンについて』
　　
＜三丹・福知山の歴史＞
１、古代、丹後は中国大陸・朝鮮半島からの人・文化の流入口であった。
２、近世、丹波は福知山城・由良川に代表される政j冶・水運の中心であった。
３、明治以降、北近畿は「福知山２０連隊」「舞鶴鎮守府」を抱える「軍都」であった。
４、戦後､福知山に｢鉄道管理局｣が設置され｢丹後チリメン｣｢蚕都綾部｣と｢西陣・室町」を結ぶ「鉄道の街｣となる。

＜環境の変化＞
１、国際環境の変化：「環日本海経済圏」の成立
　（１）中国は継続的発展によりＧＤＰ世界第二位の強大国になる。
　　?上海を中心とした沿海部の飛躍的発展と内陸部の開発。
　　?日本との関係の深い東北3省（旧満州）の開発。
　（２）ロシアは資源大国として復活する。
　　?シベリア及び沿海州の開発。
　　?シベリアランドブリッジ構想と北極海航路の開発。
　　?いずれ北方4島問題も何らかの決着がつくであろう。
　（３）韓国は北朝鮮を併合し人口7000万の核保有国となる。
　　?朝鮮半島統一と北朝鮮地域の開発。
　　?韓国が直接、中国・ロシアと国境を接し国際的軍事緊張感が高まる。
２、地方自治制度の変更
　（１）廃県置道：「近畿道」の成立。
　（２）市町村合併と70万人政令指定都市。
　（３）首都機能の移転。
３、三丹地域へのアクセスの向上
　（１）「舞鶴・若狭自動車道」の整備により吹田JCTより福知山ICまで94?69分。
　（２）「京都縦貫自動車道」の整備により京都から福知山ICまで66?67分。

＜三丹・福知山の将来ビジョン＞

１、国際戦略：環日本海経済圏との連携
　（１）新潟港が北日本の窓口となるであろうが、舞鶴港は近畿圏の中でどれほどのシェアを取れるかが課題。
　（２）福知山は京阪神と北近畿を結ぶ「産地問屋」として情報通信・保険金融・物流ｻｰﾋﾞｽ機能等の充実が必要。
　（３）北近畿はロシアの南下政策・中国の覇権主義・韓国の民族主義に対する防衛力整備投資で潤う可能性あり。

２、社会戦略：京都府福知山市＋兵庫県福知山市への意識変換。
　（１）京都と繋がる「山陰道」＋阪神と繋がる「舞鶴若狭自動車道」へのアクセスルートの追加。
　（２）「京都新聞」＋「神戸新聞」への情報ルートの追加。
　（３）「パープルサンガ」＋「阪神タイガース」への帰属社会意識の変革。

３、地域戦略：北近畿の中核都市
　（１）支店・営業所の多い地域中核都市へのアクセス向上は支店閉鎖及び需要を大都市に吸収される場合が多い。
　（２）北近畿周辺地域へのサービスや情報提供及び北近畿の魅力をコーディネイトして京阪神に売り込む機能。
　（３）地域中核都市は生産能力増強よりも周辺地域住民が集い、時間・お金を使える魅力を高める事が重要。

４、イメージ戦略：丹波の中心として「奥京都」を訴求する。
　（１）歴史・文化・産物における京都との繋がりを強調し京の田舎としての美意識・奥ゆかしさを訴求する。
　（２）丹波・篠山市に独占されている「丹波」ブランドを兵庫丹波を取り込んだ形のオール丹波で全国に訴求する。
　（３）清冽な由良川・加古川の「水源の里」であることを訴求する。
　（４）朝鮮半島・大陸文化導入の窓口としての歴史的な繋がりを訴求する。

５、産業政策
　（１）観光及び観光付帯産業の振興
　　?「環日本海経済圏」及び「近畿道」からの集客。
　　?三丹各地と連携したテーマツアー・セミナーツアー・テイスティングツアー
　　　　エネルギー・軍事・古墳・旧家・町並み・伝統産業・漁港・有機栽培農場等
　　?妊産婦・高齢者・障害者等のマイノリティーへの需要喚起や同好会・マニアとタイアップしたイベントの開催。
　　?ペットと楽しんだり、野生動物ウォッチングやハンティング・ジビエ料理を訴求したレジャーの提案。
　　?従来の価値観を超えた危険・眉を顰める遊び（ギャンブル・ﾇｰﾃﾞｨｽﾄﾋﾞｰﾁ・ドブロク造り、破壊・殺生）の提案。
　　?著名な観光地がない福知山は観光に拘る金融・保険･通信･広告宣伝等の付帯産業に注力すべき。
　
　（２）舞鶴港を核とした成長戦略
　　?舞鶴の香港化について
　　　朝鮮戦争でアメリカが中国輸出を規制した際、香港は裏口として禁輸商品を輸入し巨額の利益を得ました。
　　　舞鶴の香港化は中国の日本進出の際、日本の裏口としての機能を果たす事で利益を得ると言う意味です。
　　　日本は自由貿易ですが輸入には様々な障害があり、表・裏からサポートして事を進める支援者が必要です。
　　　具体的には商品・ノウハウの輸出入、人脈紹介、法の抜け穴伝授、Ｍ&Ａ幇助まで多々あります。
　　　商社が開発輸入で中国に「製品化」させた様に、中国製品の「商品化」やﾏｰｹｯﾃｨﾝｸﾞを担おうとするのです。
　　　日本企業のアメリカ進出もOEM輸出、現地代理店と進化し自社販売網が持てたのはここ20年余りの事です。
　　　アメリカ一辺倒であった日本ですらアメリカ人の好む商品を作れる様になるまでに10年以上掛かったのです。
　　　日本人は「名利」と「黒と銀」を好み、中国人は「福禄寿」と「赤と金」を好む様に価値観・美意識が異なります。
　　　今後、より中華意識が強まる中国が日本の消費者に高く評価される商品を作るには様々な困難があります。
　　　そこで価値観・美意識を翻訳する機能が必要となるわけです。
　　　製造原価は売価の1/4程で他の付加価値は研究開発・企画ﾃﾞｻﾞｲﾝ・広告宣伝・販売物流部門が取ります。
　　　中国の生産力を利用して商品化する事で日本のメーカーのシェア・利益を奪おうという戦略です。
　　　当然、日本メーカーから非難轟々と為り、場合によっては売国奴呼ばわりされると思います。
　　　しかし、放置して野放しに為るより、日本の国益の最低ラインを死守すると共に利益を得ようと云う戦略です。
　　?環日本海経済圏の成立に対応した海運の振興。
　　　１）阪神工業地帯からインフラ施設機器、富裕層向け高規格・デザイン商品の輸出を図る。
　　　２）中国・ロシア・韓国からの輸入及び北極海航路・シベリアランドブリッジ利用の欧州産品の輸入。
　
　（３）ターミナルケア産業の育成
　　?「人生最後の贅沢」として医療・ﾘﾊﾋﾞﾘ・療養所から葬儀・墓地までの快適なトータルサービス施設の整備。
　　?ﾗｲﾌｱﾄﾞﾊﾞｲｻﾞｰの下にｶｳﾝｾﾗｰ・弁護士・税理士・医師・哲学者・聖職者を配するﾄｰﾀﾙｻｰﾋﾞｽｼｽﾃﾑの構築。
　
　（４）無公害型・最先端リサイクル産業の誘致
　　?大阪「彩都」と連携した医療産業廃棄物の処理施設の誘致。
　　?回収物からのエネルギーや希少金属を中心とした資源のリサイクル及び環日本海諸国への輸出。
　
　（５）北東アジアの軍事的緊張増大に沿った防衛政策見直しへの対応
　　?軍事的緊張の様々なシナリオ
　　　1)国民の不満を逸らす為に、北朝鮮が米・韓・日に紛争を仕掛ける。
　　　2)北朝鮮にクーデターが起こり（武装）難民が韓国・日本に押し寄せる。
　　　3)韓国が北朝鮮を併合し人口7000万の核保有国が誕生、竹島・輸出市場・資源輸入を巡り日本と衝突する。
　　　4)緩衝地帯の北朝鮮をなくし、中国・ロシアと国境を接した韓国が両国の無理難題に耐え切れず暴発する。
　　?北東アジアへの防衛政策見直しに伴う防衛力整備投資の増大。
　　　1)機械・電子、物流、情報通信、医療等の分野に於いて巨額の投資が行なわれる。
　　　2)「第八管区海上保安本部」、「海上自衛隊舞鶴地方隊」、「第７普通科連隊」や警察官も増員される。
　
　（６）一次産業・伝統的産業の保存と振興
　　?農業
　　　１）丹波ブランド産品（黒豆・大納言、松茸・栗・ブルーベリー、猪）のより一層の拡充と生産履歴の開示。
　　　２）環日本海諸国の富裕層をターゲットとした輸出市場の開拓。
　　?水産業
　　　１）ズワイガニ・岩牡蠣・トリ貝等の名産物としての確立とMSCラベル水産物の訴求。
　　　２）レジャー産業とのコラボレーションによる新規マーケットの創造。
　　?林業
　　　１）林業の機械化と環日本海諸国の富裕層をターゲットとした輸出市場の開拓。
　　　２）無垢の木を使ったノンシックハウス・家具の訴求。
　　　３）木彫工芸品、漆、和紙と云った伝統産業の継承と新規用途の開拓。
　　?木綿・藍・草木染め、生糸・絞り、藤織り等の伝統的繊維産業の保存伝承と新規展開
　　　伝統素材のインテリア・寝具等の新分野への展開及び海外への進出。

６、課題
　（１）意識改革
　　?経済大国の幻想を捨て、中国・インドはおろか韓国にも抜かれそうな破綻寸前の老人国の将来を直視する。
　　?「国内の供給者優先」から「世界の消費者優先」への意識転換を図る。
　　?ワンセット主義を捨てて冷徹に日本の強みと弱みを分析し、事案毎の合従連衡に徹する。
　　?個人は国や会社に頼らず社会保障を当てにせず、自力更生の精神を貫く。
　（２）人づくり
　　?環日本海諸国から科学者・技術者・労働者の受け入れ､｢自治体職員協力交流事業｣｢JETプログラム｣の拡充。
　　?環日本海諸国との姉妹校縁組・留学生交換・修学旅行の拡充、及び文化・スポーツ・科学技術の交流。
　　?北近畿唯一の4年制「京都創生大学」との連携、地域起しの中核となる「若者・馬鹿者・余所者」の育成と招請。
　　?京阪神地域からのUターン・Jターン・Iターン者の勧誘と定着。
　（３）組織づくり
　　?環日本海諸国・地域との「北東ｱｼﾞｱ経済会議」「北東ｱｼﾞｱ地域自治体連合」「日本海賑わい交流海道」
　　　「日露沿岸市長会」等の既存組織を活用した交流。
　　?環境（生物・大気・海洋・水資源・ごみ）問題での連携体制及び「相互災害支援協定」の締結と関係者の交流。
　　?各分野における国内外のNPO・NGOとの積極的連携と共同企画事業の実施。
　（４）環境・インフラづくり
　　?環日本海交流は金が要るハードインフラよりも、時間が要る人の育成やソフトインフラの整備から着手すべき。
　　　日本海各県・各市のノウハウや｢環日本海経済研究所｣｢環日本海経済交流センター｣の研究成果の導入。
　　?環日本海経済圏への対応は舞鶴市だけでは不可能で北近畿3市の合併による広域行政の実施が必要。
　　?1997年に大前研一が「チョコレートをスイスから輸入する場合、シンガポール港なら申請書類1枚・22分で陸揚げ完了。しかも何分掛かっているかを一般公表し役人の業績評価に使っている」これに対し日本では25種類の書類を提出せねばならず、何日かかるのか予想さえ出来ない。」と批判している。
　　　現在でも日本では9種類の書類と祝・祭日を別にして入港後の翌々日でないと許可が下りないとの事。
　　　欧米への定期便は釜山港が45便あるのに対し神戸港は17便で、定期コンテナ便がある62の地方港のうち59港が釜山と結ばれている。
　　　上記の現実を踏まえて、舞鶴港の存在意義は何かを追求しなければならない。