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必殺!コミュの『必殺!ブラウン館の怪物たち』 について

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 2009がお休みだったので、少し目先を変えて、劇場版の 『必殺!2 ブラウン館の怪物たち』 についての話題を出してみようかと思います。

 この作品、失敗作だと言われがちなのですが、個人的にけっこう好きなことを別にしても、再評価すべき点があると思うので、トピを立てさせてもらいます。

 まず注意してほしいのが、おちゃらけた表層に惑わされずに観ると、ストーリー自体は意外にしっかりしてる、という点です。
 さまざまな勢力が登場して三つ巴、四つ巴になり、下手をすればわけが分からなくなってしまいそうなところを、どの勢力もほぼ目的がはっきりしているので、ストーリーが二転三転してもそれぞれの視点を追うことができます。また、屋敷の一族が後生大事にしていた大砲があんな結果だったりするのも、なかなか皮肉な展開でいいと思います。
 
 この点でいうと、たとえば中盤〜山場がだれてしまい前半とも分離している1作目や、『裏か表か』、ストーリー面も薄味な『黄金の血』より勝っていると思います。

 特に 『裏か表か』 について、この作品のハードな雰囲気や追い詰められた主水の描写は私もかなり好きなんですが、ストーリーや細部はけっこうグダグダだと思います。大幅にカットされたという事情はあるにせよ、場面がぶつ切れでストーリーが非常に掴みづらく、そのために登場人物に感情移入しづらいです。
 また、シリアスであるがゆえに、

・嬉々として船に火をつける秀に対する違和感。
・おゆみ(主水を誘惑した少女)の登場から退場が短すぎるため、主水や秀の怒りがあまり伝わらない。
・主水は仕事人に助っ人されたとあれだけの人数にばれてはまずいのでは?
・枡屋はどうなった?
 
 等の点も気になってしまいます。(ストーリー上の難点という意味でいちばん出しやすかったので比較させてもらいました)

 いっぽう、ブラウン館ですが、

・あの自転車部隊はトンデモすぎる。
・トランポリンに電流、そもそもの存在自体と、ブラウン館もトンデモすぎる。
・西順之助の珍発明はいつ用意したのか。一介の受験生にあんな発明ができるのか。
・あんな新撰組なら出さない方がまし。
・柏原芳恵の演技。

 などなど、こちらもおかしなところだらけですが、これらの点を、古くは角田喜久雄や国枝史郎、最近だと荒山徹あたりに通じる「娯楽伝奇もの」の要素として割り切ってしまえば、それ以外でのストーリー上での「納得がいかない点」というのは意外に少ないのです。
 屋敷の存在、現在の幕府の意図、主水の成り行き、主水チームの他の仕事人の危機、忍者の動機、屋敷の住人の動機、綾小路一味の動機、ブラウン一味の動機と、すべてに一応の説明がついています。役割的な絡み方が中途半端なのは田中様ぐらいでしょうか。

 これらを踏まえて、やや軽すぎるきらいはありますが 「伝奇物語の流れに連なる娯楽時代劇として観ればけっこう楽しめる作品」 という評価をしてもいいのでは、という提案をしてみます。

コメント(36)

私も「映画というエンタメ」という観点から観たら、かなりに楽しめる作品だと思います。

脚本も(演出面がああなったとはいえ)、かなり練り込まれていると言えるでしょう。

ただ、登場キャラが多すぎ・みんな我が強すぎで、メインキャラの仕事人チームが喰われてしまっているのが難点でしょうか。

主水と加代だけで十分じゃない?と感じるくらい、政・竜・順は影薄いしw

いわば、あの屋敷のキテレツ連中の生き様と最後を描いた作品だと。

ぼかぁ、この映画の「変に中途半端な豪華さ」が凄く好きですw
良くも悪くも80年代の象徴のような作風ですね。
劇場で金払って見ると文句のある人もいるでしょうが、いま
ビデオなんかで見返すと自分的には全然アリです。あの時代の
空気感が感じられて妙に懐かしい(笑) 裏表の次に見てしまいます。

黒谷屋敷の面々とか鶴瓶師匠の公家とか、いい味出てました。
複雑な対立軸と、それぞれに漂うユーモア&ペーソスがある意味
ハード&ドライに徹してる裏表とは好対照ですね。
最後のお仕事シーンは、チームワークと言うか
各キャラクターや仕事の役割が上手く絡み合っていると思います。
それまでの必殺の殺しのシーンのようなカタルシスはないでしょうが
「んなアホなぁ」と思わず突っ込んでしまうような首尾と
チャールストン調のBGMがマッチして、独特な雰囲気があると思います。

ただ…屋敷の人々のくだりや例の大砲のシーンあたりを見るのは
何だかしんどいので、アタマからもう一度見る気にならないんですよね〜。(^^;
俺もこの作品は好きなほうですねるんるんコメディーっぽいけど、仕事人は、仕事人として、ちゃんと活躍するしグッド(上向き矢印)竜と政がカッコいいるんるん悪党が外人部隊っていうのが良かったと思いまするんるん
劇場で実際金払って観たぼくは、
ちょっと笑えなかったです……。
1作目で「これは要らんだろう」と思った要素だけを
増幅しちゃってる印象があって。
これ別に映画じゃなくても良くね?という。

ストーリー的な難や細かい綻びがあるはずの「裏か表か」のほうが
観ていてずっと爽快だったなあ。
うん、映画を観たなーという感じがして。
2回も劇場に足を運んでしまった。
多分、工藤監督の「これでどうじゃ〜!!」っていう
突っ走った思いがストレートに伝わってくるからだと思います。
ドラマとしての整合性ももちろん大切なんですが、
それよりも観る者の心を打つポイントは
結局作り手の想いの大きさではないかな、とそんな風に思います。
「裏か表か」は大幅カットされたところを再編集してくれたらと
ホント思いますね。

「ブラウン館」意外に「あんな新撰組」がお気にいりだったりしますあせあせ
さまざまなご意見ありがとうございます。
賛同者がいてくれて安心しました(笑)

>PVっすさん
すいません。いや、あんなとか書いておいてなんですが、個人的には嫌いではなかったりします(笑) ただ、公平にみて評判はよくないだろうなという点でこう書かせてもらいました。『裏か表か』完全版、DVDで期待したんですけどねえ……。

>ごろーさん
もちろん、画面から気迫が伝わってくるのは『裏か表か』の方だと思います。(個人的に爽快さは感じなかったですが)
『裏か表か』『恨み晴らします』も私は好きだし、多くの点で『ブラウン館』より評価できる作品だと思っています。


・ここで改めて今回このトピを立てた趣旨を書いておきます。

 必殺の歴史を振り返る際に、どうしても後期バラエティ路線の悪しき象徴として 『ブラウン館』 が位置づけられることが多く、場合によっては黒歴史的な扱いだったりしたので、そこに異議を唱えておきたかったというのが目的です。

 かまえずに気軽に観てみれば意外に面白く楽しめる作品で、ストーリーも劇場版のなかでは練られている。さすがに手放しの名作とは言えないものの、頭ごなしに黒歴史にせず、そういう面からの評価はしておきたい作品だと、こっそり主張しておきたかった次第です。
大好きな必殺映画の中でも特に好きなのが、この
『必殺!ブラウン館の怪物たち』
です映画

他の映画のように仕事人自身(“ゲスト仕事人”含む)がピンチになったり悲惨な末路を辿る事によってクライマックスの仕事に動き出す…というのも良いのですが、本作のように仕事人以外の人間が悲惨な目にあいその恨みを仕事人が晴らすというのが一番可哀相で感動してしまいます。

『旅愁』
のBGMが流れる中の加代の
「あたし達に頼んどくれよぉ!」
には涙々です
(T_T)
>場合によっては黒歴史的な扱いだったりしたので

別にそんなことはないと思いますけどねえ。
確かに、好きだという人はあまりいないでしょうけど……。
4や3の評価が飛びぬけて高いだけだと思います。
「黄金の血」だの「主水死す」だって相当低評価ですし。

>ストーリーも劇場版のなかでは練られている。

そ、そうですかあ?
そういう感想は初めて聞くので、とても意外です。
ぼくには、TV版と全く変わらない、
いつもの吉田剛節にしか思えなかったので……。
(何の脈絡もなくお涙頂戴になったり……)
まあ吉田氏単独で書いてますから、
共同執筆の1、3、4より纏まり易いんでしょうけども。
そういえば「黄金の血」も「主水死す」も吉田氏単独執筆……。
さもありなんという感じです。


>かまえずに気軽に観てみれば意外に面白く楽しめる作品

まあ、そうなんですよね。
TV放送やビデオ/DVDで観ればそんなに違和感ないです。
要は必殺スペシャルとかとレベルは変わんないですからね。
でも、劇場の大スクリーンで観てしまうとねえ……。
前作を超える制作費(『主水死す』まででも最高だそうです)で
これかいな!というのが当時の一般的な見方ではないでしょうか。
低評価にはそれなりの理由があるってことです。

ここまで書いてて思ったのですが、
TV画面で観た場合と、スクリーンで観た場合で
印象はだいぶ違ってくるかもしれませんね。
ちなみにCJさんは映画は全て劇場でご覧になりましたか?
映画館で観て「金返せ!」と怒鳴りそうになったんですよね、『ブラウン館』は。
で、『裏か表か』の時だったか、テレビで放映したのですが、その時、後半だけをみたら、そこそこ楽しめました。

良きにつけ悪しきにつけ、「ブラウン管」サイズのドラマだったのだな、と。だから大画面では面白みに欠ける。

......とはいえ、この映画以来、吉田剛という脚本家に期待しなくなりましたが。
>てつざさいけさん
そうなんですよ、オチャラケた演出に目を曇らされずに見れば、脚本は佳作レベルだと言えると思います。加代以外の主水チームの影は薄いのも、これまたたしかですが……。

>闇市長さん
鶴瓶師匠、私も印象的でした。まあたしかに、劇場で観たらどうかというのはありますね。

>かえるさん
そうそう、最後の仕事のシーンも、テンポもいいし、これも見方によっては悪くないと思います。

>コウズィさん
けっきょく、そのコメディっぽい部分を、受け入れるか、受け流すか、受け入れられないか、ということかもしれないですね。

>はりねずさん
たしかに劇場版での仕事人としての動きは、ブラウン館がいちばん能動的かもしれないですね。(すいません、『黄金の血』『主水死す』の記憶が定かでないもので……)


>ごろーさん

>>黒歴史
『黄金の血』『主水死す』もたしかに低評価ですが(これら2作品、特に『黄金の血』に関しては、私も特別な異議はないです)、『ブラウン館』は駄目な部分が見えやすいぶん、叩かれていることが多いですよ。

>>ストーリー
これに関しては、トピの最初の投稿で述べた通りです。

>>スクリーン
ちなみに私は完全な後追い世代なので、すべてTV画面になります。
たしかに、金銭を払って大画面で見るにはどうか、というのはありますね。ここのリアルタイムを体験しているかの主観の差は大きいと思います。ただ、今回はそういった印象度の部分はできるだけ除いて考えれば、という主張ですので……。

>べべさん
最初の私の投稿のラストで書かせてもらった「やや軽すぎる」という部分、まあ99%の人が感じることだと思うんですが、これをどこまで評価のマイナスに影響させるか、という点ですよね。今回の私の立場は「まあ、それはもう総意として別に置いておいて、意外に良い部分もありますよ」というものです。
テレビでの宣伝で中村主水の「俺たちゃ、仕事人だぜ。」ってシーンが妙に迫力があり、期待したんですが…。

>劇場で実際金払って観たぼくは、
ごろーさんに同感です。

藤田まことが映画の番宣番組で「前作より何倍も面白い。」と言ったのは、『面白い』=『面白可笑しい』という意味だったんだなって残念な気がしました。

>「伝奇物語の流れに連なる娯楽時代劇として観ればけっこう楽しめる作品」
必殺をそういう見方してなかったもので…。※今も。
僕は劇場組ですが、森田健作の死ぬシーンでは、彼の演技に会場が失笑する、
という状況に出くわしてます(泣)

一作目がTVで放映された際、制作トピックス的にブラウンが紹介されてたんですが
黒澤映画の様にイメージボードが作られており、爆炎の中で主水らが
ハングライダーに乗って飛ぶシークエンス等がイラストで描かれてました。
後年の山田誠二さんの記事によれば初期のプロットレベルはかなり面白かったそうで、
期待できる内容だったらしいですね。一作目のヒットを受けた予算もさる事ながら、
衰えたとは言え未だ持続する仕事人ブームの渦中で作られた作品故、
黄金や死すと比べれば明らかに勢いはあった様に思います。
実際、公開の週は関東&関西を併せてレギュラーが各番組にゲスト出演し、
出ずっぱりで宣伝していましたしね。

が・・・・・!山田さんの記事によれば関係者試写では山内氏に「僕には判らない」
と言われ、興収はダメダメ。さらに京本氏の怪我に加えてスタッフにもトラウマを
残し、後年の横浜異人屋敷SPの際もセットがブラウンに似てると言うだけで
不安がられたとか。
自分としてもかなり落胆させられた内容でした。
特に音楽に拘る僕としては、変なデキシーによる殺しは、
まず殺しのシーンである事を認識するのに一瞬時間を要した程です。

只、(伝奇もの、って言うのは僕は良く知らないんですが)
要するに松竹新喜劇っぽいんですよね、これ。キャスティングの方向性や
雰囲気のイモ臭さも含めて。
笑いと涙と活劇と、として見れば音楽の雰囲気なんかもおかしくない。
松竹映画の一ジャンルとしたら纏まりも良く結構王道っぽかったりします。
結局、それをわざわざ必殺で見たかったのか?と言う事じゃないかと思います。
あるいは何故ニーズもなくそう言った物を突如作ったのか、という。

以下は想像です。
TVと映画のスタッフの確執というのは昔は良く言われた事で、
仕掛人の映画版もスタッフキャストをわざわざ一新したり
松竹関連にあって大船と京撮にはそれなりに溝を感じさせました。
ですが仕事人ブームの中で別キャスト&スタッフはありえない。
バランスを取って松竹生え抜きでもありスタッフとは旧知の貞永氏で一作目は
大ヒットしたので、寅さんに次ぐ柱を探していた同社は、ここに来て必殺に
より松竹映画としての濃度を加えたかったのではないかと思っています。
要するに後期必殺における娯楽性を、より松竹の解釈で押し広げてしまった結果
がブラウンなのかな、みたいな。
どうもこの辺から朝日と松竹の必殺を巡る確執が大きくなっていったのでは
と邪推してます。山内氏も後々映画版から手を引いた、って言ってますし。

個人的にもかなりトラウマ笑な作品ですが、当時必死になって探した
良い所は、鶴瓶の発掘、意外に殺陣の上手いさんま、未使用分&かろうじてかかった
オリジナル殺しBGMがまあまあ良い(中村BGのクドさ全開ですが)
くらいですかね〜。只、ブラウンの失敗が激闘編に繋がったと見れる訳で
成功(内容的な)の為の失敗母、とも見てはいます。

ちなみにショーケンの本によると工藤演出は、師匠の内田吐夢の教えで
ちょっと変な所や辻褄が合わない所を意図的に混ぜるんだそうです。
その方が観客の意識に強く残る、みたいな方法論だそうで。
他の工藤映画も、んん??って所はいくつかあるんですよね。その分凄いシーンや
忘れ難い描写が、線というより点で傑出しているのが特徴ではないかと。
そういう意味でもブラウンとは好対照かもです。

大長文失礼しました。
『必殺!ブラウン館の怪物たち』
は、映画館の大きなスクリーンで鑑賞したので大迫力で楽しめましたexclamation ×2
\(⌒O⌒)/

〈松竹〉
の富士をバックに
『旅愁』
デキシーの流れ出すオープニングは、
「今から〈必殺〉の映画が始まるんだexclamation
という
“映画のドキドキ”
を充分に感じさせてくれるものでしたるんるん

バラエティー色豊かながら、きちんと〈必殺〉になっている所が素晴らしいですわーい(嬉しい顔)
「ぼん……おめぇ、いくつになった……。」

「20歳です……。」

そこまでのストーリーの質、流れ(それ以降も含んで)はどうあれ、あの出陣前の主水と順のやりとりは、この作品の持つ「至宝」だと感じます。

政でも、竜でもなく、あえてこの状況で順之助に話を振る主水の「優しさと親心」に、何回見ても涙が出そうになります。
お葉(中井貴江)は何かしてくれると思ったのだが、「必殺!THE HISSATSU」の時と同じく、あまり意味のないまま去ってしまった…
鶴瓶の発掘!!
……私そのシーンがやたら記憶に残ってますたらーっ(汗)
ちなみに、伝奇小説の定義について、はてなより。

http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%C1%B4%F1

【元来は「奇を伝える」、空想的で不思議な内容のものをさす。が、半村良の伝奇SF以来、正史に反する「真実の歴史」を舞台背景(サイキックな事象をしばしば含む)としたジャンルを指すようになった。現在では奈須きのこなどが有名である。】

司馬遼太郎であれば国盗り物語ではなく『風の武士』。
吉川英治であれば宮本武蔵ではなく『鳴門秘帖』。
あるいは、上記の半村良、隆慶一郎、山田風太郎、マンガであれば石川賢の諸作、といったところでしょうか。

映画はあまり詳しくないのですが、黒澤明であれば、七人の侍や乱ではなく『隠し砦の三悪人』あたりですね。


> ファルコンズ77さん
もちろん、必殺シリーズそのものの魅力としては、(『からくり人』シリーズ等では無視できない要素だとはいえ)伝奇と異なる部分の比重が大きいと思います。なので、シリーズ全体をそういう目で見るべきだ、とは言ってません。ただ、『ブラウン館』については、そういう見方もできますよ、ということです。

> てつざさいけさん
あのやりとりはたしかに良かったと思います!

> 殿さん
たしかに、中井貴江もかなり中途半端に終わってしまってますね……。もう少し絡ませることもできたと思うんで、この点はマイナスポイントだと思います。

> みるく性器さん
TV初遭遇が「剣劇人」! 私は未見なんですが、かなり違う作風だそうで、それはたしかに誤解してしまいそうで……。

> あおい@金魚依存症さん
鶴瓶さん、考えてみれば『ブラウン館』『裏表』と連続でお亡くなりになっている……。
> 塩ジャケのせいださん
興味深い考察ありがとうございます。伝奇ものについては、上の19の書き込み通りです。私のほうはあまり詳しくないのが映画会社の傾向の部分で、東映が王道で松竹は少し外れた感じ、ぐらいの認識でいいのでしょうか?

『ブラウン館』で場面によっては苦笑が洩れてしまう、というのは残念ながらというか、否定できません(笑) 『裏か表か』に関しては、印象深いシーンはたしかに多いんですが、秀が船に火をつけるシーンや海辺で松坂慶子と戯れるシーンを入れるくらいなら、他にあっただろうと思います(笑)
>>13 塩ジャケのせいださん

山田氏が「映画秘宝 底抜け超大作」(洋泉社刊)にも
同様の主旨で寄稿されてるのを読みました。
以下、無断で要約しますと

ブラウン配下の殺し屋を曲馬団に設定。
ナイフ投げ名人や、猛獣使いの美女、奇術師らと仕事人が対決。
伊賀忍者の術を特撮で映像化……といった案に基づく
イメージボードを見て、思いっきり期待した。

ところがいざ撮影になって次々と不運が襲う。

・クランクイン直前、チーフプロデューサーの山内Pが急病で入院。

・「喜劇タッチの軽い作品」にしようという広瀬監督の意図と、
 石原カメラマンをはじめ現場スタッフのイメージが一致せず
 最後まで平行線をたどった。

・曲馬団や特撮が予算とスケジュールを上回る規模だったため
 特撮を駆使するはずの伊賀忍者は、高田、兵頭、塩沢らのギャグ連発に。
 曲馬団の殺し屋はチャリンコ外人軍団に。

退院した山内Pは初号試写を観て一言
「僕には、ちょっとわかりませんね」。

……おおよそ、そういった状況だったようです。

また、工藤監督や深作監督のフィルモグラフィーを見てみると
そうそうたるラインナップが並んでおり、
時代ものやバイオレンス/アクションといったジャンルにおいて
百戦錬磨だというのがわかります。
かたや広瀬監督は、時代劇はおろかアクション映画すら未経験。
喜劇や青春映画オンリーで本数自体も二人よりずっと少ない。
(TVシリーズへの参加ならありますが、仕事人IV以降ですからねえ…)
なお全6作中、時代劇もアクション映画も
キャリア中1本も無いのは、広瀬監督だけです。

非常に不思議な人選ではあるんですが、
広瀬監督が現場と軋轢を起こしてまで自分の一存だけで
喜劇路線を指向したとは考えにくいですから、
塩ジャケのせいださんの書き込みとも合わせて判断してみますと、
喜劇ものにしたかった松竹が、喜劇映画でそこそこキャリアのある
広瀬監督を指名した…で、やはり鉄板でしょうね。
ブラウン館に見る、笑わせて笑わせて最後にちょっと泣かせてっていうのは
仰るとおり、松竹新喜劇の王道パターンそのものですね。

あらゆる制作条件がちぐはぐになってしまったのが、
ブラウン館があのような怪作になってしまった要因でしょうね。
仮に予算とふさわしい人材が揃って、最初のプロットが実現していたなら、
CJさんが仰るような伝奇時代劇として完成した可能性もあったと思うのですが……。
そういう意味では実に可哀相な作品ではあります。


>>CJさん

>東映が王道で松竹は少し外れた感じ、ぐらいの認識でいいのでしょうか?

いや、そういうことはどこにも書かれてらっしゃらないと思いますけど……。
喜劇はあくまでも松竹映画のいちジャンルですから。

>秀が船に火をつけるシーンや海辺で松坂慶子と戯れるシーンを入れるくらいなら、他にあっただろうと思います(笑)

森田健作の演技が失笑ものだった、という話をされてるわけで、
なぜそこで「裏か表か」が引き合いに出されるのかわからないんですが……
しきりに船に火をつける秀にこだわってらっしゃいますが、
あそこで重要なのは燃えてる船の画と、主水とおこうのやりとりなんですね。
いわばお互いに宣戦布告をする場面であるので、大事なシーンではないかと。
それが秀であるかどうかはさほど重要じゃない。

逆に海辺で戯れるシーンは、他におこうと秀の馴れ初めがないので、
あれがないとクライマックス前に漁師小屋に訪ねてきたおこうと秀、
それを聞いている主水のシーンの意味が通らなくなってしまうんですよね。
「裏か表か」は合計1時間あまりもカットされている作品で、
当然もっとファン垂涎のいいシーンもあったのでしょうが、
前後の辻褄をあわせるために必要なカットもある、ということです。
> ごろーさん

>>映画に関して

この部分については本当に分からないことに関して質問したので、ずれているとしたら申しわけないです。どこかでそういうことを読んだことがある記憶があったもので。


>>裏か表かを引き合いに出した理由

塩ジャケのせいださんの書き込みの、下6行

「工藤演出は、師匠の内田吐夢の教えでちょっと変な所や辻褄が合わない所を意図的に混ぜるんだそうです。その方が観客の意識に強く残る、みたいな方法論だそうで。他の工藤映画も、んん??って所はいくつかあるんですよね。その分凄いシーンや忘れ難い描写が、線というより点で傑出しているのが特徴ではないかと。」

という部分について、「意識に強く残る」「凄いシーンや忘れがたい描写が傑出している」というという点に同意したうえで、「ん?」と思う部分の例として挙げました。

>>「あそこで重要なのは燃えてる船の画と、主水とおこうのやりとりなんですね。」「それが秀であるかはさほど重要じゃない」

同意です。だからこそ、むしろなぜ秀を使ったのか疑問で、おこうの手下でよかったのではないか、秀というキャラクター設定をぼかしてしまう結果になってしまっているじゃないか、ということです(そこまでの詳細を書かなかったことは申しわけないです)。

海辺で戯れるシーンは、たしかに必要ですね。そこはご指摘の通りだと思います。ただ、個人的には少し長いかなと思ったもので(この部分は個人差だとは思いますが)。
>「意識に強く残る」「凄いシーンや忘れがたい描写が傑出している」というという点に同意したうえで、「ん?」と思う部分の例として挙げました。

それなら、そう感じる箇所を演出上の技法として
意図してやってることはご理解いただけてるはずで、
森田健作をはじめとしたブラウン館における失笑を買うシーンとは
全然次元が違うのもおわかりだと思うんですが。
そしたら、同じ話の流れで語るのはおかしくないでしょうか?
CJ さんが船のシーンや浜辺のシーンで失笑した、ということでしょうか。
であれば、しょうがないですけども。

なんか、相手の論旨をご自分に都合良く曲解してるように見えちゃうんですよ。
『裏か表か』もせんとりつが出ると笑いが起きました。
「あの二人が出ると笑う場面なんだよ。私は知ってるんだよ。」
というような知ったかぶりの勝ち誇った笑いでした。
こういう輩は一人でテレビの前では笑わないでしょうね。
『ブラウン館』はそれが顕著でした。
劇場で観ている自分としては、台詞が聞き取りにくくて、うるさいだけでした。

>>船のシーンや浜辺のシーンで失笑した

はい、その通りです、失笑してしまいました。

『裏か表か』について、私の最初の投稿で挙げた矛盾の他のものについては矛盾を感じただけですが、あの場面だけは全体がシリアスなぶん、やはり唐突な感は否めなかったです。「演出上の技法」という部分と大幅カットを考慮すれば他の矛盾点は仕方ないと感じる範囲ですが、それを考慮しても浮いている場面だと感じました。

また、筋を合わせるために必要だとしても、同じ内容を表すのに、もっと全体から浮かない演出で撮影することも可能だったとも感じました。ただ、以上の説明は個人差もあると思うので、該当部分を書いた時点ではわざわざ詳細を書く必要を感じませんでした。

お気に触られたようでしたらすみませんでした。
塩ジャケのせいださんにも同様に、もしごろーさんご指摘の部分がお気に触られたようでしたら申しわけなかったです。
『裏か表か』の悪口とも受け取られかねない文章を含んだところで止まってしまったので、念のために付け加えておきます。

映画『裏か表か』そのものは、必殺シリーズの劇場版のなかでは『恨み晴らします』と並んで、いちばん高い評価で然るべきだと思います。

ひとまず、今回のこのトピックで、これまでなんとなく肩身が狭い思いをしていた『ブラウン館』好きの方がいらっしゃれば、仲間は意外にいると思っていただければと思います(笑)
公開当時の感想とか、制作の背景について検証するという以上の
意図は無かったんですけど、
このトピに書き込むべき内容とは、ちょっと
ズレていっちゃってましたね。
すみませんでした。

ひとつだけ……
CJさんは、劇場での鑑賞経験ないんでしたね。
劇場用作品って、演出とか画面構成、照明に至るまで
劇場の大画面で観ることを意識して制作されてるものなんですね。
特に工藤監督や深作監督はそのへんを熟知してる方々です。

必殺に限らず、劇映画の真価はスクリーンで鑑賞しないと
本当の意味では理解できないものだと思うんです。
以前は必殺映画をやるときは、過去の作品群が
松竹系の劇場でリヴァイバル上映されることがありました。
またそういうことがあるかはわかりませんが、
もしそんな機会があれば、ぜひ劇場で鑑賞してみてください。
また違った印象が得られると思いますよ!
> ごろーさん

いえいえ、後追いで作品を観ていく場合、作品そのものは観れても、リアルタイムの感想や意見というのはなかなか肌で分からないものなんで、ごろーさんはじめいろいろな方の意見を知ることができてよかったです。

映画に関してはたしかに、映像に凝っているものは特に(それでいうとやはり『裏表』『恨み晴らします』になりますが)フルスクリーンで観たいですね。もし機会があれば足を伸ばしてみようと思います。
愛がなけりゃ二度三度見ませんて。

愛があるから、ふとした時に「あ、久し振りに見たいな逢いたいな」と思うわけで。
余談ですが、広瀬さんは『ウルトラマン80』の名作第12話「美しき転校生」の脚本を書いてますね。
>>しびれくらげさん

ビブロス星人の回でしたっけ?
あれはいいお話ですよね。
本来ああいうテーマの作品で持ち味を発揮する方なのでしょうね。


>>CJさん

ごめんなさい、もうひとつだけ……。
CJさんが仰ってた秀関連の違和感なんですが、
これはおそらく、TV版の秀のキャラクターと比較しての
違和感もあるかと思うんです。
(特に仕事人IIIの以降の、ストイックな二枚目路線の秀)

「裏か表か」は、そのストーリーが示しているとおり、
明らかにTV版の仕事人の延長線上には作られていません。
(仕置人の続きだと分析されてる方がいましたが、
おそらくそのとおりなのだと思います)
したがって、秀もTV版の彼とは別人です。
あの酔っ払っての登場シーンは、それを宣言するものでしょう。
しいていえば、直情タイプだった無印仕事人での秀が、
新〜IVを経ずにそのまま成長したらこうなる、
という感じに見えます。

そういう理解だと、CJさんがこだわる浜辺や船のシーンでの秀は、
それほど変に見えないと思うのですがどうでしょう。
一度、そういった見方で再検証してみると面白いかもしれません。

ブラウン館のトピであまり裏か表かの話をし続けるのもなんですから、
このへんにしておきます……(笑
>CJさん
裏表の冒頭の小判がばらまかれるシーン。
劇場の大きなスクリーンで観ると、凄い迫力ですよ。
これはテレビでは味わえません。
おちゃらけは度が過ぎてると思います。
嫌う人が多いのも分かります。
ただ『ブラウン館』は劇場版では唯一、正面切っての敵との対決ではなく“敵地に潜入〜暗殺”という必殺らしい展開を見せるので好きです。
それでもアレですが...

お気に入りは3なんですが、あれは“表の中村主水が追い詰められる話”で裏稼業は全く関係ないところが微妙ではあります。
> ごろーさん

なるほど、そう考えれば完全に納得はできないまでも、かなり違和感は減る感じですね。『裏か表か』は、壱の「世話が焼けるおっさんじゃねえか」や、決戦前の秀の「おっさん、酒、飲もうか」っていうセリフが好きですね。

> ファルコンズ77さん

たしかにテレビ画面でもおっと思ったんで、劇場だと迫力でしょうね。個人的にTV→劇場という順番で観た映画は『七人の侍』だけなんですが、その時も迫力の違いはひしひしと感じました。

> えぴおんさん
>>劇場版では唯一、正面切っての敵との対決ではなく“敵地に潜入〜暗殺”という必殺らしい展開を見せる

私もこのトピで、はりねずさんのご指摘で気が付いて、なるほどと思いました。
TVシリーズのフォーマットに忠実なのがブラウン館、
TVでできないことをやろうと挑んだのが裏表とか恨晴ということなんでしょうね。
これは、どちらがいいとかいう話ではなくて、単純に好みだと思います。

特に裏表はよく反則と言われるんですが、
上記理由で、ぼくはあれはあれでいいと思ってるんです。
TV版の番外編とでもいった感じで。
ぼくを含め、仕事人シリーズのマンネリ化に辟易していた層は、
映画ならではの趣向の数々に喝采を送った、というのが当時の状況でしたね。

どうしても、裏表の話しちゃいますね……(笑
すぐ後の作品なのと、作風が180度違うことで
ブラウンを語る上で、論じ易い対象なんでしょうね、やはり。

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