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ミュージカル好きゲイコミュの「レディ・ベス」

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Kunze und Levay の新作の梅芸公演千秋楽を見てきた。観劇日は8月3日、三階B席、4列11番

この公演は多くの配役がダブルキャストとなっている。僕の見た公演の配役は以下の通り

レディ・ベス・・・平野綾、ロビン・ブレイク・・・山崎育三郎、メアリー・テューダー・・・未来優希、フェリペ・・・古川雄大、ロジャー・アスカム・・・山口裕一郎

一番最初の"Elisabeth"と同じように、短いシーンの連続で同じシーンが二つとない。これはイギリス女王エリザベス1世が女王に即位するまでの物語。このコンビのこれまでの作品と同じく、現実には存在しない人物が大きな存在感を持っている。今回はアン・ブーリン。

歴史的な事に関しては、あまりにもご都合主義に変えられている所が多々ある。それにヘンリー8世があまりに持ち上げられすぎではないか。好色残忍で有名で、8人の后を持った人。それに、離婚問題で国内外に混乱をもたらし、英国国教会はヘンリー8世の離婚問題から発生したともいえる。まぁ、実の娘が父親を尊敬するのは当たり前の事ではあるが。ヘンリー8世は男子の世継ぎが欲しくて離婚結婚を繰り返したと言うが、なにも面倒な事をしなくても、妾を作れば良いではないか。当時のイングランドでは妾の子には王位継承権が無いのだろうか。

それにスペイン王子フェリペの扱いもちょっと気に掛かる。このミュージカルでは「いい人」派なのだが、実際はしたたかな人物なのだ。エリザベスをかばったのはちゃんと理由のあること。フランス王太子妃となったメアリー・スチュアートもイングランドの王位継承権を持っていたので、それに対する牽制としてエリザベスの存在が必要だったのだ。


こういう話は「良い人派」と「悪人派」に別れるのが常である。今回魅力的に描かれているのはか「悪人派」。石川禅のガーディナー(大司教)、吉野啓吾のシモン・ルナール(スペイン大使)、それに大敵のメアリ・テューダー、つまりブラッディ・メアリー役の未来優希。特に未来優希が良い。その存在感、圧倒的な歌唱力。石川禅、吉野啓吾も上手い。芝居はこういう敵役が良くなければ面白く無い。

「皆さんエリザベス1世が偉大な女王だと言うことはよーくご存じですよね。それは即位する前からそうだったのですけど、それも皆さんご存じですから、ここでは省略します」とばかりに、「良い人派」の人物造形は全く役者個人の魅力・資質に任されている。

圧倒的な迫力で、説得力があるのが山口裕一郎のロジャー・アスカムである。冒頭のシーンからして凄い。流石山口である。この人の存在感で、芝居の中にすっと入っていける。それにキャット・アシュリーの涼風真世が素晴らしい。ただ、思うにこれ役不足ではないか。折角涼風を使うのなら、もっと存在感のある歌、見せ場が欲しい。

それにアン・ブーリンの和音美桜も役不足な感じが否めない。このアン・ブーリンならもっと見せ場をつくって欲しい。それに十分答えられるだけの人だ。アン・ブーリンといつも一緒に出てくるのが首切り役人。この人見事な身体をしている。ものの見事なビルダー体型を皮のベストで包んでいる。そのベストがあるから、かえってその肉体の見事さが引き立つ。それに皮の覆面をかぶっているから、不気味さが増す。台詞も歌も無いが存在感は十分過ぎるほど。プログラムに寄ると、この役を演った笠原竜司はジャパンアクションクラブ出身だとか。だから、身体が良くて芝居心もあるのだ。

これだけのそうそうたる出演者の中で、主役でありながらもう一つだったのが平野綾。存在感、歌の迫力ともエリザベスよりブラッディ・メアリーの方が魅力的なのはどうしたものか。ただ、最後だけは良い。指輪をはめて女王として即位する事を決意する所は、ああ、成長したな、と思わせる。

ベスが女王になって目出度し目出度し、で終わって良いのか、と思っていたら、流石にクンツェ・リーバイ・コンビの作品である。前途多難な事を想わせて終わる。エリザベートほど衝撃的ではないが。

で、結局出る度にオペラグラスで追いかけていたのは首切り役人でした(^0^;)



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