車に乗った途端、I氏が、『俺、財布に3?しか入ってねえや』『大丈夫、俺、200?キャッシュもってるぞ』偉そうに言っているものの、I氏さんにはチケット代(67.50?+6.50?=74?×2=148?)が未払いでしたので、当然ですが、でもこれは100%私のおみやげ代でもあります。 チケット代とすれば、この74?というのは日本でいえば決して高くはないと思うが、ここUSAでは確実に高額な部類に入る。会社の人間にこの事を告げると『Oh my God』と言い、二晩続けて行くというと『Are you really crazy ?』又は黙り込んで立ち去ります。きっと他の人に言って『ケビンのばーか』とか言っているのでしょう。只でさえいろんな意味で変な奴なので、そんな経験からあまり人に言えなくなってしまいました。
会場のPhilips Arenaは昨年完成した新しいホールで、約2万人のキャパ。以前はOMNIという同様なホールがあったが、その老朽化とコンサートでの音質の悪さも手伝って、3・4年前に爆破解体されてしまった。その爆破の模様はUSA国内の割と大きなニュースとして紹介されたのを記憶している。因みに、ここはNBA Atlanta Hawks と NHL Atlanta Thrashers(日本語的にはスラッシャーズというが、“th”と“r”という相当ハードな発音が繋がっており、通じたためしが無い)の本拠地でもあり、そして残念ながら、両チームとも今シーズンはプレーオフ進出も出来ない全く弱小チームであり、特にThrashersに至っては、新興チームという事もあってかダントツ最下位のNHLの恥さらし的お荷物チームである。勿論、それら試合は殆ど閑古鳥状態。それらプロスポーツの日程をかいくぐって というか、借金返す為、大規模なコンサートが催されている。又、会場建設にあたりそのメインスポンサーで、その会場の名にも冠がついているPhilipsとは、あの電球で有名な会社の事で、音響機器の提供をしてくれたお陰で、かなり高レベルのコンサートホールとして機能していると評判である。後述するが、私のシートは決して全くちっとも視覚的(音響的)に恵まれた場所ではなかったが、その音に関して言えば、OMNIや隣接するGeorgia Domeが土下座して逃げちゃう程の出来栄えであった。(Atlanta在住のElton Johnもこけら落としでコンサートを開いたが、そう言っていた。もっとも、こちらも恐ろしく借金苦らしいからスポンサー側からの人選としては最悪であったと思う...。)
まったく交通渋滞も無く、スムースに会場近くまで来る。Centennial Olympic Park近くでようやくPoliceの誘導を見かける。この辺かなぁと思いながら、駐車場に車を入れる。25?也。いつもの3倍位じゃねえか。たけぇぞぉっと思いつつ、Thank youと心にも無い言葉を言いつつ、金を払い、車を停める。車を降りると、ハイハイいきなしBorn in the USAです。あれあれと音のなる方に目をあると『おい、ハゲてるぞ』 会場までの約5分間の道程、ありゃありゃ、ハゲだけじゃなくケツでかおばさんとのセットばっかしでなんじゃこりゃー。
【会場入りから開始まで】 チケットもがれて『I氏君、買い物しない?』と誘いつつ、恒例のTシャツ売り場へ。カミさんの伝言のMサイズを忘れずに。32?、30?、サイズはXXLとXLのみ。パンフレット20?。んー、格好良く無えなぁ...。ハイ、84?。Thank youってまた心にも無い言葉を言いつつ、お買い上げTシャツ2枚とパンフレット。ありゃ、このTシャツBorn to Runはいいけど、ツアーTシャツじゃねえぞ...とI氏に訴えようとしたら、米人(当然アングロサクソン)が”Hey, is that pamphlet free ?”馬つ鹿じゃねかと思いつつ、”Twenty Bucks”って答えたら、”Oh my goodness” ここでもいかんなく外人たる所以を発揮してしまいました。
開演予定時間の7時半まであと30分くらい。席に座っているのは、未だ3割位。持参の双眼鏡で周りを見る。フロア席を挟んで向こうのボックス席を覗く。『バーテン付きの部屋かぁ、いいなぁ。』そして、ステージ上は、準備の最中。おおっ、結構見えるじゃん。ギターやドラムの音チェック。暫くすると、5人くらいの人が、ナワバシゴでステージ天井に釣り下げられた照明スタンバイの為に上がって行く。 『いやぁ、暇ですねぇ』と軽口叩いていた開演15分位前、突然、おばさんが声を掛けてきた。 ”Are these seats yours?” “?” “Can I see your ticket?” “Surely” “Ah-ha! Here is NOT your seat!” おばさんのチケットとセクションの番号を見て、ガビーン。席違うじゃねぇか。I氏さん慌てて入り口の(黒人の)あんちゃんがここだって言ったからって後の祭り。はいはい、外人はとっとと消えますよ。ちぇっ。 さあて、どこだろう俺らの席?そのままシート横の階段を上がる上がる....。腿がツリそうになる。 ゲゲゲ、ここなん?最上席とは良く言ったもので、まさに最上席。それも、ステージへの私の視線を柵が邪魔してよう見えん。I氏さんも、しばし無言で固まっておる。んー、最初から座っておればこんな大ダメージは無かったものの。とうとう最後まで、この話題にはお互い触れられずじまいでした。別の問題は、開演が結局8時半だった事。30分以上もこの席で楽しめるのか...が頭を離れず、ハンパな時を過ごしてしまったのは、今から思えば大変に残念な事。駄目だちゃ。更に、気付いたこととして、ここが4階席であれば、一体明日の2階席って...。
【開演と序盤戦】 突然、会場の照明が消え、真っ暗闇になる。そしてほんの数秒後、スポットライトがあたり、メンバーが浮かび上がった。歓声が響き渡る。さぁーて、1曲目は何だ。私の予想は、”The Ties That Bind”ご存知The Riverの1発目の曲。あれっ?知らんぞ、こんな曲。結局、曲目も解らずじまいでした。後で、インターネットで調べる気にもなりませんが。その後は、 ”Two Hearts” (ちょっとLittle Stevenは、ホの人じゃねえの?って思う位の息の合った掛け合いでした) “In The Darkness of The Edge of The Town” “Prove it All Night”(この辺の曲のギターの音色は、やっぱレコード通りでめっちゃかっちょ良い。サキソフォンにしても、音の割れ方が尋常ではない。) 等々が演奏されました。 【中盤戦】 途中アコースティックな曲が入り、例えば、ちょっと違うけど”The River”とか。でもこっちの観客は本当にある意味正直で、今日の目的がノリであるとするならば、この手の曲の時は、完全に便所タイムか売店直行タイムにと変貌してしまう。あんだけ泣き入れて唄ってるのに、通路を行くわ行くわ雪崩のように人が出ていってしまう。これもジジババが多く尿道が短いせいか? “10th Avenue Freeze Out” 確か花山が昔唯一好きだと言っていた曲が始まり、その間奏の間にメンバー紹介が行われた。 1. Roy Bittan (Piano & Keyboard) 信じられないが、私の席からは全く見えなかった。 2. Little Steven (Guitar) Steve Van Zantとは紹介しない 3. Max (Drums) Mighty Maxなんて呼んでた。実は、この人がBruceよりTV出演が多いはず。CBSかどこかのNight Showの番組付けのバックバンドのドラマーしてたから。毎日、生出演でした。 4. Nils Lolfgren (Guitar, Slide Guitar) 省吾がアルバム持っていたのを覚えています。なんで持ってたの?後頭部かなりキテます。 5. 名前忘れてしもうた (Organ, Accordion) ロックコンサートでのアコーディオンって...。 6. Wife 名前知らん。E Street bandにおなごの声は合わんと思いはじめてから、終わっちゃった様な気がします。 7. Big Man でかい。ありゃ120kgはあるぞ。足腰の弱りに心配。笑った顔がこわい。 佐野元はうまくパクッたなぁ、でもスーパー・ダイナマイト・サキソフォーンはダディ柴田じゃなくて、やっぱり、クレモンズおじさんだよなぁと一人で感心しつつ後半へ