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スーパーBLOGさいたまコミュの#77 パラノイアック・ジジイ

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 Lucky Starはパラダイス
 Lucky Starはパラノイア
 ロマンスに火をつけて Jetplainで逃げ出そう
 パイロットは 嘘をつかないから
 (L⇔R「Paranoiac Star」@1994)
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 パラノイア【paranoia】

 内因性の精神病の一型。
 偏執的になり妄想がみられるが、その論理は一貫しており、行動・思考などの秩序が保たれているもの。
 妄想の内容には、血統・発明・宗教・嫉妬(しっと)・恋愛・心気などが含まれ、持続・発展する。偏執病。妄想症。




 3/12(土)
 この日も上野で普通にアルバイト。
 普通とちょっと違うのはクビ退職目前で職業不安定なこと。

 いつもと同じく、日付が変わるまでの時間のカウンターはそれなり、深夜零時前後にいったんお客が引く構図。

 一人で来てカウンターの端っこに座ってるなじみの小柄なおじさん相手に無理に話題を作って話してる私。当然、90年代アイドルカラオケで盛り上がってる3人組に混ざるほうが楽しいんだけど。

 カウンターに手を寄せて立ち姿のまま、ふっとカウンター反対隅を見やると、ちょっと前に来店したと思われる一見の50~60代男性が愛想のよい笑いでこちらを眺めている。
 何の変哲もないその男性、普通にしてれば近所のどこにでもいそうな、ただの人。
 その笑いが自分への好意の表れだと気付いたのは、しばらくあと。



 狭いカウンター内を動きつつ、自然な流れで自分はその男性と対面し、「まぁ、どうぞ、ぞうぞ」と瓶ビールを傾けられ、御相伴。

『こちらへは、初めてですか?』
『上野へはよく来られるんですか?』
『お住まいは近いんですか?』
などと、どうでもいい初対面客用の話でもすりゃいいかと思ってたら、その男性がまたベラベラ話す。


 「君、1時間ぐらい前、このお店に入る時、入口で携帯いじってたでしょ?」

 あ、そういえば確かに

 「その姿を見て、かわいいなぁ、会って話したいなぁ、と思って入ってきちゃったんだよ」

 あっ、そうなんですか
 でもまさか店のスタッフだとは思いませんよねー、あはは。


 よその店で客で飲んでる時に同じこと言われたら、興味ある人でもない限り、適当にあしらって話題が引けたら軽く無視だけど、店に入ってる時ゃしょうがないのと、お客さんだと思うとどんな風貌でも気にならないで平等に接する商売魂が働くので、自分に対する好意の褒め言葉はほどほどに聞き流し、接客に徹するのみ。

 瓶ビールを注ぎかわし、もう1本、もう1本と瓶ビールを注文してもらい、その男性は更に気分よさげになり、自分はアルコール許容量を早い時間から迎えてややヘベレケ。

 今は、マレーシアに住んでいて、日本にはたまに帰ってくるぐらい
 今回も仕事で帰国したけど、数日後にはマレーシアに帰る、というその男性。

 マレーシアでは、日々何もせずに暮らしているだけらしい。
 たまに日本で数日仕事するだけで、あとはマレーシアでのんびり過ごしているんだとか。


 それはそれはよかったですね、という以外、特段の感想もなく、深夜零時過ぎてお客も少なくなり、ますます自分はその男性につかまり、話題は他愛もない話から芸能関係に。

 昔の職場が三輪明弘の店と同じビルで毎晩連れ込まれたとか、北海道にいた頃ドレカムのボーカルが住んでたところと同じだったとか、昔は二丁目の常連で百恵とかひばりとか、○○とか、××とか、△△とかよく来てたもんだったけど今はずいぶん変わってしまったとか、云々カンヌン…。


 ほんとかどうかは別として、分かりやすい芸能話だと接客も楽なので、へえぇそうなんですかぁぁぁぁと頷いてる自分が一番くいついたのは次のひとこと。


 「松田聖子のコンサートのリハーサルにも呼ばれてねぇ、俺のために1曲歌ってくれたんだよ」


 へええ!
 何を歌ったんですか?

 「じゃぁ、その歌を君が歌ってくれる?」

 いいですよ(笑)


 ねえねえ、夏子姉さん、こちらの方、聖子のコンサートのリハーサルで曲をプレゼントされたんですって、と夏子姉さんも巻き込んで、で、どんな歌なんですか?と聞くと

 「“ナントカの大地”って曲」


 (夏子&私)はぁ?


 そんな歌、聖子にないと思うんですけど…^^;


 「ほら、えっと、ホタルが飛んでるとかいう、あれ」


 あっ、蛍の草原ですか?
 ♪ホタルが〜 飛んでいるわ〜、、ってやつ


 「それかもしれない」


 そんなわけで、居合わせてるカウンターの他のお客も混ぜて“ナントカの大地”をイチ画面交代で熱唱。

 ♪ホタルが〜…


  * * *


 そんなんで時間は過ぎていき、その男性も楽しんでもらえた様子で、次の店に行くか帰るかってな感じで見送る際、自分のアドレスを聞かれ

 その頃はカウンターも徐々に埋まってきてて、他のお客さんのいる前で、見知らぬ人とメアド交換ってのは店のスタッフとしてイヤなんだけど。
 顔は笑いつつも、内心渋々。


 男性を見送ったあと、夜が明けて、朝も適当な時間に切り上げる頃は、十分酔っぱらい。
 酔いすぎてウコンのチカラ買うのも忘れて、ふらつきながらどうやって帰ってきたのは記憶もおぼろ。
 なんとか帰宅できて、そのまま布団に倒れこむ。
 zzz...


  * * *


 zzz...

 どのくらい経った頃か、枕元の携帯が電話の着信音でブルブル振動している。
うすら目で携帯画面を見ると、見慣れない番号表示。


 あぁ、あのおっさんかぁ…。


 出ようか無視しようかどうしようかな、と思いつつ、出てみると。


 やけに親しげに話すそのおっさん。
 今日、会って食事しようよ、だって。

 は?

 寝ぼけ眼で時計を見ると、まだ昼。
 回転しない頭で、自分が酔い状態で気分悪いことを告げ、とりあえずまた寝るので、起きて大丈夫だったらまた連絡します、と。ガチャ。

 声にならない吐息をはいて、再び寝ようとした時、おびただしい携帯のメール受信数の表示


 ..全部そのおっさん

 ナニ?

 見るのもうざったいので、そのまま再び眠りの底に


  * * *


 夕方4時頃、ようやく起きる。
 久々の二日酔いで気分悪。

 携帯見ると、その後もメールの受信が続いてる。

「一緒に食事しないか」
「今日は買い物してきたから、俺の家でもいいよ」
「起きたら連絡くれ」


 めんどくせーなー、と思いつつも、ここまで連絡もらっといて放置すると、あれだけ店で親身な接客しときながら、店離れた時のギャップに苦情されても気分悪いし、どっちみりオゴリだろうから、どうせなら豪勢なレストランに行かせて、最初で最後の大盤振る舞いをさせてしまおうか…。

 芸能人とうんぬんかんぬんするぐらいなんだから、行く店も芸能人御用達だったりして…。

 ...うふっ。。

 あらぬ都合のよい妄想をし、電話をしてしまった私。


 じゃぁ、6時前に、高田馬場駅で、移動途中でまたメール入れますんで、はい。


  * * *


 支度して家を出で移動する途中も二日酔いで気分悪っ…
 早く行って、適当に食事と会話済ませて、早く帰ってこよう、っと

 運命の6時ちょい前。
 高田馬場駅改札出口に現れた、昨夜の男性は…。


 うわキモッ(こんな貧相痩せゴリラみたいな風貌だったっけ?)
 うわダサッ(洗濯疲れのトレーナーの下に、襟付シャツのボタンを上までとめて、ジーンズの中に入れてるっ)
 うわ失敗ッ


 どうも、店の中にいるとお客を差別しないシステムが脳内で働くらしく、不気味な人も立派なお客さんとしてスクリーニングされるものの、その現実はいったん店を離れない限り分かりえないらしい。


 ますます早く帰らなきゃと焦る自分に、「何食べたい?」と聞くもんだから

 いたりあん…と答える私

 そしたら「えっ?イタリアン?」とイヤそうに言うそのジジイ。

 イタリアンのナニが悪いんだろうか知らないが、そのジーサンには馴染まないらしく、店も思いつかないらしい。

 「高田馬場でイタリアンっていうと…」とそのジーサンの口が次に動くのと、まさかとは思いつつ自分が高田馬場で利用したことのある唯一のイタリアンの店の名前を口にするのが偶然に…


 “カプリチョーザ?”

 で、一致


 えっ、マジ?カプリ?
 べ、別にいいんだけど、具合悪いのにここまで来てカプリ?
 でも、嫌いじゃないし、好きなメニュー頼んで食って早く帰ろ

 そして、カプリチョーザへ移動して歩く途中。

 通り沿いにオシャレな外観で、品のいいメニュー看板とイタリア国旗を出しているお店が。

 「ここにしてみない?」というジーサン。

 えっ、でも…高そう…(で、もし万が一ワリカンだったら、ただでさえキモイこの人と食事して、サイフまで傷んだら、自分のダメージが計り知れない)...

 と、ブツブツ…言う自分に構わず、その店に入ってしまう。



 窓際の2人掛けテーブルに案内され、座る。
 目の前の人を目前にして俄然やる気なくす私は、「二日酔いのせいで昨日見たく愛想よくできませんがお許しください」と棒読みでつぶやき、それなりに食事時間をやり過ごし。

 マレーシアが再び話題になり、アジアが好きらしいその人。

 ふと、J9さんと台湾に行く話をしてみたら、さすがアジア好きらしく、話題が次々と。

「どこに泊まるの?」って聞かれ、確か“×××××”とかいう名前のところ、って言ったら、急に顔つき変わって、忌み嫌うようなゲテモノでも眺めるかのようにこっちを見て


「そこは下の階がハッテン場でしょ?日本でいう24とか大番と同じだよ!そんなとこに泊まってるなんて人が聞いたら神経疑われるよ!」みたく、怒り口調。

 何?私この人に説教されてんの?

 いいじゃん、日本でいう24に泊まって何が悪いのよ

 「今からでもいいから、宿を変えなさい、あ、そうだ、××駅のすぐ近くにある×××っていう宿がいいから、そこにしなさい、えと、連絡先は今わからないから、あとで調べて連絡するから、必ず変えなさい」

 うるっせーなー、と思い、でも一緒に行く人が既に予約してくれているし、今回は任せっきりだから、自分は気にしてないんでいいです、ほんと

 「だから、やめなさいって言ってるだろ、だいいち、そんなところに泊まったら、シーツに南京虫が付いていたり、ロクなことがない!」

 おめーの顔のほうがよっぽど南京虫だよ、と言いたいのを我慢して、こっちもイライラ、向こうもイライラ

 と、そんな平行線な話してても仕方ないので、なんとか話題を変え、時間も穏便にやり過ごし、食べ終わったところでそろそろ出ましょうか、と言いかけたところ...


 「家の近くに銭湯があるから、行こうよ」だって

 だから私ゃ二日酔いで気分悪りぃって言ってんだろーガァ!

 ふと、ヤスオの言葉が脳裏をよぎる
 “オジサンって、ほんと勝手に話決めつけるよねー”
 なんか、ほんと、そのとおり。


 てなわけで、そういう状態じゃないので、また体調が戻った時に、ってことにして、そそくさ店を出て高田馬場駅近くの交差点で信号待ってる最中、、

 「オレの家、寄ってく?」

 はぁ?

 いや、自分もう、帰らないと、明日もありますし

 「じゃぁ、玄関先まででいいから、場所も知っておいたほうがいいし」

 何言ってんの?

 でも時間も遅いですし迷惑ですから今日は…


 と、逆の信号が青になり、「7分で着くから、ね」と勢いに流されてしまった私


 食事ご馳走になった後ろめたさがあったから、仕方なく玄関先まで行くことにしたものの、歩くこと体感距離で約15分。

 芸能関係なんだから、さぞかし豪華なマンションなんだろうと思ってたら、案内されたのは普通の公団っぽい13階建の平べったい団地。


 じゃ、場所も分かったんで、これで

「いや、せっかくだから、お茶だけでも飲んでいきなよ」

 アタシってバカ...




 13Fの最上階の部屋、外観よりかなり古いらしく、玄関入ったら小ぎったない黒カビが溝にこびりついたタイルの浴室がすぐ目に入る。

 外観から想像できない狭さの5〜6畳が変形した部屋は壁紙がタバコのヤニで真っ黄色。

 ソファにいつの時代のものか分からない薄っぺらいバスタオルがパッチワークみたいに重ね置かれてぺちゃんこになってる。

 埃かぶってそうな古びた棚の上の小物類。

 たてつけの悪そうなベランダの引き戸。


 異様な光景に、それまで忘れていた酔いが戻ってきたようで、うぷっと噎せそうになった自分に更に悲劇が襲う。


 「さぁ、隣の部屋でちょっと休もうか」と肩を抱かれ、チューを迫るそのジジイ...

 えっ、と声にならない程か弱く、そのジジイに身を委ねて、ズホンのジッパーから硬くなった自分のナニを掴まれて、そのまま...



 ...なんてなるわけないでしょ




 いやっ、ちょっと、ほんとに、今日は、なんだか、また気分悪くなってしまったので、これで帰りますっ

 「気分悪いんだったらすぐ帰らないで、むしろ休んだほうがいいよ、さ、こっちに」とフスマを開けたら、隣が畳敷のフトン部屋だった、壁には薔薇族のグラビアみたいな丸ハダカでチンコだけ異様にでかく勃起させてるオトコの絵がパネルになってる…

 いや、ほんとに、もう、今日は…

 ということで、なんとか帰宅了承をさせ、やっと帰れる...と思ったら、


 部屋の奥や、台所の隅からガサゴソ…


 これ、あげるよ、これも、これも、これも、もっていきなよ

 と、健康食品の瓶で賞味期限間近のものとか、サイズが合わなくて切れない服とか、健康ドリンクとか、胃腸薬とか...


 あー、はいはい、なんでも、ありがたく頂きます。
 すみません、今日はお世話になりました。
 じゃっ


 ってことで、妖怪屋敷を抜け出し、いいって言ってんのに、高田馬場駅まで見送りに来られて、駅で手を振ってお別れ。

 ほんと散々。



  * * *



 さて、その晩も、その次の日も、しつこくメールが来てるものの、返事は1日おきぐらいにして、徐々にフェードアウトを狙う私。

 「今日はスカイツリーに来ていて、一般公開されていない展望台に来ているよ」だとか、もう、はいはい、どうでもいいです、よかったね。


 そのうち、震災の金曜日…。

 安否を気遣うメールをもらったけど、災害の影響でメールが届かなかったことにしよっと。



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 Lucky Starはパラダイス
 Lucky Starはパラノイア
 モラルのない話し方でプロモート
 手を振って 消えていく 君はフィクション
 (L⇔R「Paranoiac Star」@1994)
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コメント(5)

災難だったゎねぇ・・・ってか、あんたが災難を呼んでんじゃん!!

店子してると中々、はっきりと言い難いかもしれないけど、

時には「嘘も方便」が必要ですのょ。(笑)

してなくても「同棲中!」とか、いなくても「彼氏が…」とか・・・ね。

あんたみたいに中途半端にしてると、最後は刺されまっせぇ!!

最近の中年(自分も含め)は病的なのが多いの。

一度でも二人で食事でもしようものなら何故か、彼氏気取り。

若い子達も変なの多いけど、年配の変なのは半端なく変だからね。

ぉ気をつけあそばせ!!
ラフフン

コメント、早っ!!!
じ、実は、昨夜言っていたのは、このネタじゃなくて、次に書くネタのことだったの。。。

これは、とりあえず前座的に書いてみただけなの。。

そんな訳で、次の話も...読んでね(^^;)
日記冒頭の日付間違ってたゎ。
3/12(土)じゃなくて、3/5(土)の誤りでした。
(そりゃ、さすがの私も震災直後に妙な行動は起こしませんわ)
ブログコミュ参加の皆様、何気に覗き見されているお方に、お詫びとともに訂正します。
今日、このジジイから、電話とメールがきたわ。
なんてタイミングかしら。

てか、ここに書き込むのに、一度コミュに加入して、書いてから退会しなきゃだからめんどいわ

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