宝塚が好き！（Gay Only）コミュの「大海賊ー復讐のカリブ海ー」ロマンチック・レビュー「Amourそれは・・・」～劇評

梅芸で宝塚歌劇の巡業を見てきた。

観劇日　７月４日　18:00開演　B席　３階５列12番

今回梅芸のネット会員枠ではチケット確保出来ず、ぴあの先行発売で購入した。だから、いろんな料金が加算され800円ほど高くついた。なんの為にネット会員の会費はらっているのだか・・・愚痴はさておき、この日客席に入ると見慣れない緞帳が目に入った。案内嬢にこの緞帳は前からあるのかと尋ねたら、緞帳は新調しこの日がお披露目だと言う事だった。なんとも良い日に来たものだ。お披露目は緞帳だけでなく、星組のトップコンビと北翔海莉妃海風の「プレお披露目」である。土曜日の夜と言う事もあり、ほぼ満席。

「大海賊」の作演出は中村暁。中村作品を見るのはこれが初めてだ。時は17世紀、所はカリブ海。スペイン領サンタ・カタリーナ島がイギリスの海賊エドガーに襲撃された。両親を海賊の殺されたエミリオ（北翔海莉）は海賊となって復讐を誓う。と言うのが筋なのだが、これだけだとありきたりである。しかし、見てみると結構面白く、良く出来ている。最後涙が出たなんて幕間に話している女性がちらほらいるくらい。芝居は筋だけではない、と言う良い例である。これをここまで面白くしているのが、脚本・演出、そして出演者である。ただ、この芝居ショーのような雰囲気がする。

とにかく主演の北翔海莉が良い。芝居、歌、踊り、三拍子揃っている。最初に出てきた時は総督の年若い御曹司、その初々しさ、気品、余すことなく表現している。それが成長していく様子が良く出ている。

対する敵役のエドガーに十輝いりす。この人、以前から貫禄のある役を良く演じているが、今回は敵役である。芝居は敵役が良くなければ面白く無いが、今回これほど面白かったのはこの人の好演による事が多い。とにかく、憎々しい所を嬉嬉として演じている感があった。

その妹、つまりヒロイン・エレーヌに妃海風。清楚な感じでなかなか良い。今回特筆すべきは、殺陣である。かなり本格的で迫力満点、よくここまでやったな、と言う感じである。プログラムには殺陣師の記述はないが、専門の殺陣師がいるのではないだろうか。少人数ではあるが、梅芸の広い舞台を広いと感じさせない迫力がった。特に北松海莉は大きい。

全国公演だから、音楽は録音である。今回ちょっと思い白い現象が起きていた。いつも芝居で棒を振っている佐々田愛一郎がショーを振り、いつもショーの指揮をしている大谷木靖が芝居で棒を振っている。

幕間の後は岡田敬二のロマンチック・レビュー「Amourそれは・・・」である。僕はロマンチック・レビューを舞台で見るのは初めて。それに、大劇場以外でショーを見るのは初めてである。やはりレビューとかショーは大劇場で見るものである。階段は６段くらいしかないし、人数は少ないしで梅芸の大きさをもてあましている感がある。梅芸の広い空間を埋めきれないのだ。それでも、作家演出家は工夫をこらし、出演者は一生懸命なのはよくわかる。それでも最後のパレードになると結構満足できた。

最後、全国公演恒例ご当地出身者の挨拶があった。組長の万里柚美が大阪言葉で、これからも宝塚歌劇を、みっちゃん率いる新生星組をよろうしゅうおねがいします、と言うと嬉しくなった。北翔海莉の大劇場お披露目公演が楽しみである。