市川和秀 (元大門秀作)コミュの「突撃ラーメン男道！」とちょっと

と、言うタイトルの漫画を描いています、現在。
今月末発売のG-BLESSに掲載予定の原稿です。
え、今月末発売なのに、何やってんの市川……ええ、そうですね(汗)。
頑固一徹ラーメン屋のお父ちゃん（男やもめ・毛むくじゃら系・数年前に奥さん他界）が、息子にヤラれて、ケツの味を覚えちゃう話です。
手前味噌で申し訳ないですが、お父ちゃん（前田繁次・46歳）、結構可愛いです。

ここだけの話ですが、この作品描いて、何か市川、色々なことが一段落した感じです（精神的に、ですが）。実はこの３年ぐらい結構相当壮絶な「どん詰まり」だったんですよ。
スランプ、なんて言葉は、自分程度の人間が使うにはおこがましいので、あくまでも「どん詰まり」って感じですが。

結局、漫画を描く、ということは、自分の「快楽原則」を捜す、「快楽原則」にのっとる、という作業じゃないかと思うのです。

つまり、自分が何が好きなのか、とか、自分が何を描いていて楽しいのか、を捉える作業の連続。
言い換えれば、例え６０億の人間が口を揃えて、「えー？あなたの描く絵はタイプじゃない」「あなたの描く漫画は違うと思う」と言っても、「自分はこれが大好き！」「自分はこれでいいのだと思う」というものを提示することが出来る気概を持てるのかどうか。
それと同時に「自分は今はここまでしか出来ない」「どうあがいても自分はこれでしかない」と言う、「至らない」自分自身をどうやって受け入れることが出来るのか、ということとか。

そんな中でこの３年間、ずーっとグチャグチャしていたのでした。グチャグチャ。

ツィッターでもつぶやいていたんですが、山岸涼子の漫画に「アラベスク」というバレエ漫画がありまして。
その中で主人公のノンナ・ペトロワが「シルフィード」という演目を踊ることになり、いかにそれを「自分」のスタイルで踊るのか、ということで苦悩するのです。
「○○さんはこう踊っている」「××さんはこう踊れる」「□□さんはこう言ってる」「△△さんはこうしている」、「では私自身は……？」
未熟さや至らなさ、ありとあらゆる欠点や不足、揺れ動く心、そうしたものすべてを受け入れて、ノンナは最後に自分自身の「アラベスク」を踊ります。

この３年間悩みまくって、毎晩寝る前に、このエピソードばっかり読んでました。
トイレに漫画「アラベスク」を持ち込んだりもしたぐらいで(笑)。

「突撃ラーメン男道！」を描いて、紆余曲折を経て、どうにかこうにか、その心になってきた、そんな感じです。

でも、また楽しく漫画を描くことが出来るようになりそうです。
今まで以上に沢山描きたくて仕方ないです。
しばらくお休みしていたBadi系のお兄ちゃんたちも沢山描きたいです。
勿論鬚熊もガチムチも。

おーし、頑張るぞー！
お楽しみに！

「突撃ラーメン男道！」、是非是非是非今月末発売G-BLESS購入して頂ければ幸いです。
どうぞ宜しくお願い致しますー。

市川和秀

追記：と言うわけで、作業中漫画より抜粋おば。しかし、右側のラーメン、気付いたら一生懸命描いてました(笑)。１コマしか登場しない上に、下3分の１しか使わないんですけどねえ(笑)。