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2021年09月18日07:42

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河野太郎の出馬表明は早すぎた?ジジ転がしの「野田聖子」と計算狂った「石破茂」の明暗

■首相になれば「囲み取材毎日応じる」河野氏除く岸田・高市・野田3氏
(朝日新聞デジタル - 09月18日 00:42)
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■河野太郎の出馬表明は早すぎた?ジジ転がしの「野田聖子」と計算狂った「石破茂」の明暗

           
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           河野太郎氏、野田聖子氏、石破茂氏

 「このままでは29日までもたない」

 自民党総裁選をめぐり、河野の出馬宣言前後から党内ではこんな声が広がり始めた。ベテラン議員の一人は、さらにこうボヤいた。
「河野の出馬宣言は早すぎだ」

 菅の不出馬表明前に名乗りをあげた岸田は、政策発表でもネットの情報発信でも入念な準備を積み上げてきた。一方、河野はボスである麻生と会談を重ねて出馬会見に臨んだが、国民から見ればなかなか出馬させてもらえなかったようにも映る。

 今回の総裁選は自民党にとって、いわば自社制作の大河ドラマのようなものだ。菅の不出馬表明という衝撃的なオープニングから始まり、腕に自信のある者が名乗りを上げ、戦を繰り広げる。ラストは誰が最高権力者となるのか……

 野党は完全に蚊帳の外である。

 この大河ドラマはかなり長い。菅が不出馬を宣言した3日に事実上始まり、投票までは27日間もある。普段は他党を支持する、あるいは政治に関心がなく選挙に行かないような人々でも、次期総理大臣が決まるドラマとあっては注目せざるを得ない。総理大臣を決める選挙は、その後すぐに行われる総選挙に向けて党をアピールする、またとないチャンスでもある。

 そこで、このドラマに大衆の目を引き付けて離さないよう、いくつもの見せ場を作らなければならない。そこでは、どんな役者がいつ登場するかが大きな鍵の一つとなる。

 しかし、河野は告示から一週間も前に登場。

 岸田は早々に出馬宣言をしたが、キャラの地味さは隠せない。

 高市は河野に先立って会見を行い、勇猛果敢さを喧伝したが、総裁選の投票日まで20日も残して主要な役者が舞台に上がってしまったのだ。

 これではドラマが間延びして注目されなくなってしまうのでは……という危機感が党内に生じ始めていた。ドラマをより盛り上げるためには、役者が足りない。

 そこに現れたのが、野田聖子だ。

 「タカ女(じょ)vsハト女(じょ)」

 告示日前日の出馬宣言は、総裁選報道に食傷気味だった世間の耳目を再度、自民党に向けさせた。

 野田はこれまで3回の総裁選で立候補を模索したが、20人の推薦人という壁は高く、断念に追い込まれてきた。自民党という男社会で、ジェンダーという「ガラスの天井」に阻まれた側面もある。

 それが今回、告示日前日まで推薦人集めに駆け回り、なりふり構わず頭を下げた。単に推薦人が集まらなかっただけなのか、劇的な演出を狙ったのかは今後明らかにするとして、間延びしかけたドラマを再度盛り上げたと、支持するか否かは別にして党内での評判は上々だ。

 野田が今回の推薦人として照準を合わせたのは、引退間近と思われる老議員たちだった。名前が明らかになる推薦人に名を連ねることは、政治の世界では将来の軋轢を生みかねない。その点引退が近いとなれば誰を推薦しようとあとくされがない。二階派、竹下派の老議員が名を連ねた。

 本来なら岸田を応援するはずの古賀誠・前宏池会会長を味方につけたとも言われている。

 これまでジジ転がしと言われてきた野田が、ここに来て見事に伏線を回収した。

 党員党友票を競う一回目の投票では、おそらく高市と野田は票を食い合う。3位争いになる公算大だが、日本初の女性総理をかけた戦いは、世界からも関心を集める。

 しかも政策を見ると、高市がタカ派と称されるのに対して、野田はハト派。党内では「タカ女(じょ)vsハト女(じょ)」の女の争いだと見る向きもある。これで政策面の議論も盛り上がるだろう。

 石破と麻生の不仲

 一方で、このドラマの舞台に上がりたくとも上がれなかったのが、石破茂だ。

 告示日2日前の15日水曜に出馬断念の会見を開いたが、こちらの評判は芳しくない。自身の派閥である水月会もまとめきれず、腹心と目された平将明は早々に河野支持を表明。派内重鎮の鴨下一郎も、石破の出馬に反対した。
「鴨下さんが反対したのが致命的だった」と自民党議員は語る。テレビなどに積極的に露出したが、「白紙」とばかり口にする姿に、前出の議員は「自分のグループもまとめきれないのに、テレビに出れば人気が高まると勘違いしている」と顔をしかめた。

 石破は元々、こう考えていたようだ。

 今回の総裁選では菅が再選され、自民党は来たる総選挙で議席を減らす。そうなると早晩、再度の総裁選が行われるはず。その時こそ自分の出番だ、と。

 菅が突然退陣を表明したことで、目算が狂ってしまったことになる。

 麻生との不仲は自分でも認めている。先日、テレビのインタビューで麻生との関係を聞かれ、自らが農水大臣だった2009年に当時の麻生総理に退陣を迫ったこと、それが元で関係悪化したことを告白した。

 ポストを与えてやったのに…

 実は、これには前段がある。

 石破・麻生がともに立候補した2008年の総裁選時のことだ。麻生の当選が確実視される中、そろって出かけた地方遊説先で、石破はいかに自分が農政に詳しいかを麻生に力説し、農水大臣の座を射止めようと懸命に働きかけた。

 麻生にしてみれば、希望通りのポストを与えてやったのに、一年も経たないうちに退陣しろと言われて怒り心頭だったろう。

 石破は今回の総裁選で結局、肝心の大舞台に上がることはできなかった。

 大河ドラマは、登場人物それぞれに魅力と個性がある。

 地味だが歴史を改革した者、派手なキャラクターで常に人気を誇る者……岸田支持者の中には、彼を源頼朝にたとえる人もいる。頼朝は地味で不人気だがコツコツと当時としては画期的な武家社会を作っていくタイプだった。言動が派手で人気が先行する河野は義経か。源氏が天下を取る過程では、巴御前や静御前らの登場も花を添えている。

 私たちは歴史の多様性の中に共感や同情を持つのではないか。

 だからこそ、総裁選4候補には、ハリボテの演技ではなく骨太の政策論議そして権力闘争を望みたい。政治は究極的には権力闘争だし、激しい権力闘争が政治家を鍛え上げることを歴史は証明している。

 そして自民党の人々は、人間ドラマの中で何が起きたかを知り、歴史に学ぶ賢者となってほしいのだ。


武田一顕たけだ・かずあき
元TBS北京特派員。元TBSラジオ政治記者。国内政治の分析に定評があるほか、フェニックステレビでは中国人識者と中国語で論戦。中国の動向にも詳しい。
※記事元:デイリー新潮より
2021年9月17日

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