幸せってなんだろね

　ちょっと前、ツイッターでこんな内容のツイート見たのね・
介護職の人らしくて、入浴介護中の会話なんだけど、ある入所者さんは
「海外旅行が好きでヨーロッパには何度も行ったけど、ハワイにはいつでも行けると思って、結局一度もいけなかったの、ああ、私って不幸だわ」
別の入所者さんは
「新婚旅行で一度だけ熱海に行ったけど、楽しかったわ。私って幸せね」
と。
幸せとは…とて考えてしまった、みたいなことだった。

　ツイッターの短い一文で、その背景は解らないけど、私も幸せって何だろうって、ちょこっと考えてしまったね。

　入浴介護ってことは、訪問ってこともあり得るけど、多分、介護施設かな？と思う。
口調からしてもお二人とも女性（そうじゃなくても、施設入所者は圧倒的に女性が多いし）。
ハワイさんのほうが熱海さんより、裕福だったんだろうなとは思う、とはいえ、同じ施設にいるってことは、さほど経済格差は無いかもしれない。
　あくまで仮定の推論だけど、ハワイさんはキャリアウーマン（職業婦人という時代かしら）でバリバリ稼いで自分で自由に出来るお金があったから、何度も海外旅行に行けたけど、熱海さんは専業主婦で夫の稼ぎだけをやりくりしていて、家の中で年取ってきたのかもしれない。
　まあ、単に旅行に興味がある無しかもしれないけど(^^ゞ
　
　若い頃は、熱海さんみたいな人を「つまんない人」と感じていた。行動範囲も狭そうだし、退屈な日常で満足しちゃうなんて、好奇心もなさそうだし〜。むしろ、ハワイさんみたいに、あろいろな国を旅したり、行動的でかっこいい、みたいに感じたんじゃないかな？

　でも、自分が年を取ったせいもあるんだろうけれど、今、自分の現状を受け入れられることについては、熱海さんはハワイさんより、なんかウワテというとなんだけど、良い年の取り方をしているんじゃあないだろうかと感じる。
　
　この話の教訓（ってほどでもないけど）で、「ハワイさんのように後から後悔しないように「いつか」じゃなく「出来る時にやりたいことはやっておこう」（林先生いうところの「今でしょ」か(^^ゞ）という考えも持てるけど、でも、人間、どれだけやってもやりたいことをやりつくすってこと、あるのかなあ？
　このハワイさんは、もしハワイに行っていたとしても、他の不足を探して
「なになに出来なかった、私って不幸」
って思ってしまうのかも知れない。

　人間には自分の力ではどうしようも出来ない運不運はあるし、本当に不幸な境遇の人もいて、それについては、その状況を改善するとか、その状況下にある人を救済するというのは必須だけど、このハワイさんみたいに、傍から見ると不幸ではない、むしろ恵まれているけれど不幸を感じる人は、どうすれば良いんだろうね？
　このハワイさんのように良かったことを探してそこに幸福を見出してるわけじゃなく、出来なかった不足を探して不幸感を持ってしまう人。
　こういう時に「熱海さんは一回熱海に行っただけなのに、ハワイさんは何度もヨーロッパにいけて良かったじゃないですか」
といっても、ハワイさんは納得しないだろうからね。
　ハワイさんが自分から「ハワイに行く機会は逃したけれど、何度もヨーロッパに行って、私は幸せだわ」と思えるようにならないと、ハワイさんは幸せを感じられないからね。

　これから、自分が年老いたときに、できれば熱海さんのような思いを持てるようになれば良いなと思ってるんですが(^^ゞ