■神木隆之介が『SPEC』ニノマエ役で開いた新たな扉 無邪気な狂気がギャップを生む
(リアルサウンド - 06月23日 08:21)
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コロナ禍での再放送よりも、昨年夏にアマゾンプライムに加入してから、加入後一ヶ月で、『スペック』のドラマ・映画だけではなく、『トリック』と『ケイゾク』のドラマ・映画をすべて観た。つまり堤幸彦ワールドをコンプリートしたわけだが、なかでもこの『スペック』の鮮烈さは、ドラマ史に残るだろう、というか、いまのアメリカの配信ドラマにも負けないだけの、もっといえば先取りしていたテーマ、演出、脚本、演技があったと思う。
いまのアメリカの配信ドラマ、アクションやミステリーものの多くがスーパーナチュラルへ傾斜している。『高い城の男』はもろSFだが、歴史反転ものであり、『ゴッサム』でもヴィランたちは何度も死んで蘇る。この堤ワールドの出発点になった『ケイゾク』において、90年代の終わりに、20年後のネット社会の闇をすでに予知していたことは驚くべき想像力で、その総決算として『スペック』はあった。
ニノマエのキャスティングだけではなく、主演のふたり、戸田恵梨香、加瀬亮コンビのかけあいは、ボケもツッコミも、シリアスもドタバタも、これ以上のコンビはこれ以降なかったのではないか?
レビューで何度も書いてきたように、映画化になって、テーマが拡散しすぎて、グダグダになってしまったが、ラストの並行世界への着地は、その後の日本のアニメやアメリカの配信ドラマ、韓流ドラマの先駆けであるだろう。
10年たっても、新しいドラマ、なんてなかなかあるもんじゃない。
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