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2020年04月01日10:04

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俺はヴェロックス

俺の名はヴェロックス、そこそこ知名度のあるサラブレッドだ。

今週、大阪杯がある。ふっ、やるぜ!

俺は生まれながらに上流階級の出で気品さが周りに漏れ出てしまうのが悩みの種だ。

身体能力も高いがなぜか結果が伴わないことが多い。なぜだ!
俺は他人を責めたりしない。まずは自己解析筋だと考える。

去年の春先、おれは絶好調だった。体調も良く結構負荷のかかるトレーニングでもなんなくこなせた。
皐月もいただきだぜと思ったがそこで生まれて初めて挫折を味わった。噂に聞いていたサートゥルナーリアと初めて対戦したことだ。

直線向いていつものように影さえ踏ませず楽勝だぜと坂を上がっていた矢先、左側から音もなく一つの影が近づくのがわかった。

上流にしかわからない俺に似た気品さが花をつんざく。やつだな。

俺の背中のやつはもう鞭を打っていたが隣のやつにはほとんど入れていない!なぜだ!

やつは俺よりきついトレーニングをしてきたのか?それとも生まれ持ってのことか。いやいやレースにおいては自力が最後にものをいうのだ!俺は今まで行ったことのないくらいに地面をけり上げてやった。

後ろ足から地面が剥がれ飛んでいく感触が伝わってくる。いつものウッドとは違う重みだ。自分の顔にあたる風の強さはいままで経験したことのないあたりだ。やつの鬣がなびく風がおれにも伝わってくる。奴の動きも激しい。

目線があった、一瞬。次の瞬間には俺もやつには構ってられない。そこのゴールに先に飛び込んでやる、おれの覇王としての第一歩が今日なのだ!それを民衆に知らしめなければならない。おしっ!鼻づらが先に出た、おれの勝ちだ!、、、、、、、った。

ゴールはそのわずか30メートル先にある。はっとみるとやつの鼻づらが、目が、おれより先に進んでいた、斜め前を見たところが本当のゴールだった。



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