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2020年03月01日05:37

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Increasing repression of free speech at Japan

排除「適法」乏しい根拠 警官以外聴取せず 当事者と主張にずれ

道警の警察官らの排除行為から7カ月余りたち、ようやく明らかにされた道警内部の調査報告。だが「適法」とした行為の内容自体は、排除された当事者らの認識と大きく異なる上、検討されない行為もあった。詳細も一切明かされず、関係者は「真実がねじ曲げられている」と憤る。排除された男性が告訴した特別公務員職権乱用などの疑いも、道警調査を後押しするように札幌地検は報告前日、不起訴を決定。「出来レース」との疑念の声も上がる。

■「緊迫した状況」

 「小競り合いから犯罪行為が発生するような緊迫した状況だった」「座り込んでいた男性が所持品を背中の方に隠そうとして不審だった」…。26日の道議会総務委員会。山岸直人道警本部長は排除行為の理由を正当化した。

 だが、道警の事実認定と当事者の認識は異なる。排除された札幌市北区の団体職員大杉雅栄さん(32)は「犯罪が発生するような状況ではなかった」と強調。「聴衆から押されたり、つかみかかろうとされたりした事実もない。肩や体をつかまれたのは警察官にだけ」

 JR札幌駅前で「増税反対」と声を上げた大学生の女性(24)についても、道警側は「叫びながら聴衆が密集している場所に進んでいこうとしたため、警察官が近寄って声をかけた」と主張。女性は「声を上げた時はその場を動いていない。警察官に後方に引っ張られ、元の位置に戻ろうとしただけ」と説明するなど大きく食い違っている。

■動画公表拒む

 道警側の主張を支えるのは「現場にいた複数の警察官からの聞き取りと、インターネット上の動画」だけだ。警察官以外の現場関係者には一切、聞き取り調査をしていなかった。

 大杉さんの代理人の道警ヤジ排除問題弁護団は関係者が排除行為の現場で撮影した動画を示し、「大杉さんは叫んだ直後に排除されている」とし、小競り合いが起きた事実はないと説明。一方で道警は「違法性なし」と判断した根拠の一つとしたインターネット上の動画の公表を拒む。総務委員会後、道警本部庁舎で記者団に経緯を説明した警備部幹部は公表を求める記者団に対し「今後の警備に支障を来す」と繰り返した。

■未検討事案も

 一連の排除行為のうち、検討されていない事案もあった。三越前の演説会場で無言でプラカードを掲げようとして、警察官に阻まれた市民団体については報告で触れられなかった。「なかったことにされた」とプラカードを掲げようとした1人の山口たかさん(70)は悔しがる。「取り囲まれた時の写真もあるのに」

 大杉さんと一緒に排除された女性が2時間近く警察官につきまとわれ、行く手を阻まれた事案も報告になかった。大杉さんは「事実をねじ曲げてまで正当化し、それでも説明のしようがない事実は、なかったことにしている」と訴える。

 7カ月余りかけた調査結果報告は、札幌地検が道警警察官らに「罪とならず」と不起訴を決めた翌日に行われた。道警警備部の渡部雅彦災害対策官は記者団に「報告をするころには地検の捜査も終わっているだろうと推測はできるが、調整はしていない」と釈明した。

 弁護団は26日の会見でこう述べた。「検察も、警察官の行為をチェックする役割を放棄したとしか思えない」

■客観的裏付けに疑問 北海学園大・神元隆賢(かんもとたかよし)教授(刑法)の話

 調査報告の通り、ヤジを飛ばした人に他の聴衆がつかみかかろうとするなど、まさに犯罪が行われようとする状況であれば警察官の行為は適法と言えます。しかし、道警の説明と排除された当事者の証言の内容にはいくつもの食い違いがあります。問題視すべきは、道警が調査の中で排除された当事者の証言を聞き取っていない点。犯罪捜査において、被害者が存在するにもかかわらず、話を聞かないことはあり得ません。一方的な供述のみで、不起訴処分の判断を下したに等しいことになる。現場の警察官が確認した「ヤジを飛ばした当事者の身に危険が迫っていた」事実を客観的に裏付けることができたのか、疑問が残ります。

■市民萎縮につながる 同志社大の太田肇教授(組織論)の話

 調査結果の報告まで7カ月以上かかったのは遅すぎる。これまで「事実関係を確認中」と繰り返すだけで、途中経過の説明もなかった。捜査上公表できない話もあったかもしれませんが、現状や見通しなどは説明しても問題なかったでしょう。道議会での報告内容も、結論ありきの後付けのように見え、踏み込んだものではありませんでした。表現の自由の侵害にあたるとの批判に対し、主体的な説明責任を果たしておらず、市民の不信感は一層高まったでしょう。ヤジを排除する基準もあいまいで市民は萎縮してしまう。同様の問題を繰り返さないため、道警は今まで以上に政治的中立性を意識し、警備に当たらなければならない。
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