■『蜜蜂と遠雷』毎日映画コンクールで日本映画大賞!最多タイ3冠
(シネマトゥデイ - 2020年01月22日 05:00)
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『蜜蜂と遠雷』は、実写映画としては久々に心から観に行ってよかったと思える作品だっただけに、こうして評価されたことは素直に嬉しい。
それはさておき、本題はアニメーション映画賞と大藤信郎賞のことで(笑)。
例年豊作で「映画はアニメだけ観ていればいい」と断言しても構わないくらい、傑作・名作が連発されている日本のアニメーション。今年は特に激戦が予想されていたので、果たしてどんな結果になるかと気になっていた。
結果は、アニメーション映画賞が『海獣の子供』(渡辺歩監督)で、大藤信郎賞が『ある日本の絵描き少年』(川尻将由監督)。後者は未見なので感想の述べようがないが、『海獣の子供』の方は、なるほどなと思う反面、いささかの引っ掛かりも覚えないではない。映像のイメージは確かに物凄いのだが、原作を端折りに端折った結果、説明不足で消化不良を感じる面が多々あったからだ。見ようによっては極めて短絡的な結末に収束してしまったようにも見え、そこは減点対象と判断せざるを得ないので、受賞は厳しいかと思っていたのだ。
個人的なイチオシはもちろん『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』であったが、こちらは前作が既に受賞済みなので、ノミネートされただけで十分ではあったろう。他の候補作『きみと、波にのれたら』『空の青さを知る人よ』『天気の子』『HELLO WORLD』『プロメア』も充分に受賞に値する作品だったと思っている(『薄暮』のみ福岡では上映がなく未見)。
『海獣の子供』にケチを付けようってわけではないが、受賞作がベストで、他の候補作品は数段落ちるというものではない、もしも受賞作以外は見なくてもいい、と勘違いするような人がいたら、日本のアニメーションはそんな低いところで争っているようなどんぐりの背比べ状態にはないぞ、と伝えたいのである。
2020年も、大目玉『シン・エヴァンゲリオン劇場版:‖』を初めとして、『メイドインアビス 深き魂の黎明』『SHIROBAKO』『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『鹿の王』『映画 えんとつ町のプペル』『ジョゼと虎と魚たち』『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』他、期待大なタイトルがズラリとラインナップされている。昨年以上に、賞レースは激戦が予想されるのだ。観る方は公開日を指折り数えて待つだけだが、アニメーターさんたちが過剰労働で病気にならないか、それが心配(苦笑)。
【長編映画】
『海獣の子供』(渡辺歩)
『きみと、波にのれたら』(湯浅政明)
『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』(片渕須直)
『空の青さを知る人よ』(長井龍雪)
『天気の子』(新海誠)
『薄暮』(山本寛)
『HELLO WORLD』(伊藤智彦)
『プロメア』(今石洋之)
【短編映画】
『ある日本の絵描き少年』(川尻将由)
『鬼とやなり』(副島しのぶ)
『くじらの湯』(キヤマミズキ)
『サイシュ〜ワ』(ぬQ)
『『四月』Pieces of April』(周小琳)
『深海の紅』
『絶望の怪物』(コタニジュンヤ)
『創造的進化』(ソン・ヨンソン)
『澡堂的象―浴場の象―』(程嘉琳)
『FIREHEAD』(山田遼志)
『マイリトルゴート』(見里朝希)
『めかくれ』(野中晶史)
『ゆめみのえ』(山村浩二)
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