前田建設ファンタジー営業部(1.4kB)

　前からweb上で見られる企画であることを知っていて(現在この映画の元になった話は文庫化されてからweb掲載にはもう無い)、文庫版を読んで予習してから観たが・・・ファンタジー営業部員と前田建設社員達の会話が時折不快に感じるほどキツイ。あれ実話?
　文庫版は台本形式になっていて紙面を占めるのは技術検討とその説明。もしその通りに映画で技術説明をやったらプレゼンになってしまうので、致し方ないか。それでも前書きにあったこの営業部のコンセプトである、時代の変化で目立ちにくくなった建設業を改めて世に知らしめようとするのは映画でも伝わってきたので、脚本の出来は良いと思う。しかし終盤、本編にはまったく関係ないが、相当、おかしい。
　文庫版は実在の土木技術について平易に書かれていて、これに興味ある人にはお勧め。まだwebで公開されているプロジェクトもある。

　登場する役者の雰囲気もかなり良かった。異業種(電機)とはいえ設計・技術担当と話したこともあり建設現場等に出張してその雰囲気は知っているけれども、昨晩流れていてチャンネルを変えたTVドラマみたいだった前田建設オフィス内以外は違和感を感じなかった。たぶんそれは先述した理由で仕方ない。

　映像的には映画だけにトンネル工事現場とダムの中、提案した機構の動作イメージが見られるのはお得かも。空想世界対話装置は文庫版では絵が無かったんだよね。エンドロールはかなり凝っていて、工事現場見てないと作れないだろうと思うものだった。

　これは小さくしっかりまとめられていると思う。土木工事やマジンガーZを知らなくてもフォードvsフェラーリよりずっと勧められる。