水の底、胸の底
以下KINENOTEよりコピペ
シリーズ27作目。 ヒロインは松坂慶子『浪花の恋の寅次郎』
終幕、とらやに訪ねてきたヒロインの口から芸者を辞め結婚すると聞いたとらやの方々。
博 『いい方なんでしょう相手の人も』
ヒロイン 『もう真面目なだけで冗談一つ言えない男。寅さんみた
みたいに楽しい人やないの』
おいちゃん 『楽しけりゃいいってもんじゃありませんよ男は』
寅さん 、おおいに軽口モードで 『そりゃそうだ!』
博 『大事なのは人生を力強く生きる事です、義兄さんみ
たいな人はそれが無いんです』
寅さん 、おおいに軽口モードで 『ふん、無い無い』
直後、 分かる者には分かる、聞きとれない程に呟いた 『あるもんか…』
これにすっかりヤラレテしまった『浪花の恋の寅次郎』
こういうヤラレ方はロマンポルノとかピンク映画と同質なの。
色んな意味でリトマス試験紙みたいな『男はつらいよ』
えっ、あの頃はこんな風だったっけ?
景色、風俗、懐かしさよりも、自分の記憶の曖昧さとか脚色に呆れちゃう。
そして『男はつらいよ』を順を追って見ていく事で、自分自身の生身の記憶を掘り返し、寅さんが色恋の現場から退いて続くシリーズをこれから見ます。
盆と正月の松竹ドル箱映画、クロニクルとはこの事かと思う。
今作では源公が『エレファントマン』やってた!
ついでに前々の『ハイビスカスの花』 感想を置いとこう。
何な んだよこれは 何なんだよ
泡沫の夢の沖縄、同棲時代
寅と『浮雲』の森雅之を重ねてたよ。
江藤潤と殴り合いになった後の寅、あんな表情を正月・盆映画に見るとは思わなかった。
これをリアルタイムに観ていなかった私、本当に勿体無い事をしたと思う。
『赤い鳥逃げた!?』『赤い暴行』『処女失神』と同じ記憶の棚に収めた映画になったかも知れない。
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