mixiユーザー(id:30449688)

2019年10月18日20:32

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日本経済の貯蓄超過体質と三面等価の原則

私は日本経済の最大の問題点は何度も言っている事ですが、慢性的な有効需要の不足であると考えています。

まず経済学の基礎で、絶対の原則である三面等価の原則の話をします。

三面等価の原則とは、国民所得が「生産面」、「支出面」、「分配面」のいずれからみても恒(つね)に等しいことをいいます。

では各面から分析します。

生産面
GDP = Y 

支出面
= 消費 + 投資 + 政府支出 + (輸出−輸入)
= C + I + G + ( X − M )

分配面
=  消費 + 貯蓄 + 税金
=   C + S + T

では、この定理を要約します。
GDP= 消費 + 投資 + 政府支出 + (輸出−輸入)
=消費 + 貯蓄 + 税金

さらに要約します。
GDP= (貯蓄−投資)引き算財政赤字=貿易黒字

日本経済の問題点は民間投資に対する異常な貯蓄超過です。この状態が高度経済成長が終了した1970年代から50年も続いてきました。そしてそれは現在さらに強くなっています。

日本の家計のものすごく貯蓄が多いです。もちろん、金持ちもそうでない家計もありますから一様ではありませんが、日銀の資金循環統計によれば1,860兆円の家計の金融資産があります。日本の家計は異常に貯蓄をしているのです。

貯蓄が多くても、民間投資に遣われれば問題なのですが、最近、トヨタグループの企業が無利息の社債を発行したというニュースが流れました。トヨタの様なリスクプレミアムがほぼない会社は何と無利息で社債を発行できるのです。しかし、ここまで低金利、無金利でも民間の設備投資はなかなか増えないのです。それどころか企業は現預金を溜め込んでるのです。

これほど日本経済は貯蓄超過経済なのです。

ですから政府は財政赤字をガンガン出しまくってお金を遣わなければならないのです。そうしないと貿易黒字が出てしまってまた円高圧力になります。日本経済の構造はこうなっているのです。これが50年間繰り返しているのです。


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