mixiユーザー(id:36329446)

2019年08月29日12:26

128 view

授業をしない進学塾

「家庭教師のトライ」が学力診断にAI活用 20問解くだけで弱点を推定 生徒と講師の負担減らす
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=32&from=diary&id=5737995

ほう、AIが「勉強の健康診断」とは、そういう時代になったか。
AIが学習指導カリキュラムを作り、AIが講義し、AIが試験問題を作成し添削し、AIが個人指導まで請け負うようになりそうだ。
こうなると、人間の講師などは要らぬな。
塾の世界にとどまればよいが。
いじめ問題もAIのほうが効果的に解決してくれるんじゃないか?
冗談が冗談でなくなりそうな気がしないこともない。


話は脱線して。
そういえば、竹馬の友人が、国許で「志門塾」なるけったいな受験予備校が蔓延り出したと教えてくれた。

それで気づいたわけでもないが、東京でも、これまたけったいな進学塾の看板広告が、吉祥寺駅構内にデカデカと掲げられておったな。

キャッチフレーズを見て、思わず唸ってしまった。

「日本で初めて!授業をしない武田塾!」

うーむ、授業をしない進学塾か。

今を去ること45年前、地元の名もなき英語の私塾を思い出した。

代ゼミや河合塾など大手予備校が名古屋辺りにも蔓延り始めた予備校黎明期、我が田舎町にはまだ、学校の教員が副収入を当て込んで自宅を開放して私塾を営む例が散見された時代。
何のきっかけでそこに通うようになったかは定かではないが、中学1年の終わり頃だったか、初めて入門したその英語の私塾で、私がポンと与えられたのは1冊の問題集。
「アタック」という当時ではメジャーな問題集だった。

教材はこれと一番分厚い英和辞典のみ。
アタックを黙って解け、というだけで授業や講義らしきものは一切ない。
頭のハゲた先生が、前から順番に問題番号に丸をうち、これを解いたら持ってこいという。

見渡せば、自宅の二間をぶち抜いた部屋には、30〜40人の子供たちが所狭しと床にひしめいていただろうか、それぞれ自分だけの問題集と格闘していた。
小学生から高校生まで同じ室内に机を並べるが、一人一人が自分のレベルにあった問題集に取り組むだけだから、小学生と高校生が混在していても何ら問題はない。
次のステップに進むスピードも当人の理解の進捗次第でまちまち、つまり、40人が共通して受ける授業というものがないわけ。


数学だってそうだが、英語も常に先取り。
灘や開成みたいな極端な先取り学習には抗すべくもないが、それでも既習の範囲などおかまいなしで、中学2年の夏休み前くらいには、ひととおり高校受験までの全過程は踏破し、そのままの勢いで高校生用の英文法問題集に突入していった。
45年前の教え方としては、田舎じゃ型破りのやり方だったのかもしれない。

さて、このハゲ先生、とにかく何も教えてくれないのだ。
アタックをひたすら解いて「できましたあ」と持っていくと、ニヤニヤ笑いながら、間違った回答にバッテンを打って「やりなおしぃ!」と突き返すだけ。
どこがどういけないのか聞いても、「はい、辞書を引いて調べるう!」と陽気な声を上げるだけ。確かにイタズラっぽい目をした陽気な先生だった。

上手く訳せないと何度でも突き返され、その度に辞書を捲りながら、似た例文や構文を探し出して自力で正解に辿り着く。
この和訳のどこがイカンのだ、と腹を立てながら、遠くの席からハゲ先生の顔をチラ見すると、こちらの苛立ちがわかってるかのようにニヤニヤ、そこでまた腹がたつ、という風景。

会話もヒアリングもさっぱりという自分の今の情けない英語力を顧みれば、受験時代の英語教育とはなんだったのか、という思いもあるが、少なくとも受験科目としての「英語」を得意科目とできたのは、この何もしてくれないハゲ先生のおかげだったのだろう。

で、ここでけったいな看板の武田塾。
「授業をしない」とはこれなのかね。
でも、間違いなく経営者側はラクし放題だぞ。
私がもう一度塾に行くなら、やっぱり林修先生のほうがいいな。
って、「もう一度」なんてもはやあり得んけど。

3 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する