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2019年05月28日20:26

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小説 サングラス (姉妹)27

小説 サングラス (姉妹)27
 美穂はふと思った。尚美がマスターへの関心を佐々木さんへ向けてくれるのは正直嬉しい。しかし、わたしは佐々木さんを良く知らない。県庁マンとは言え男性なのだ。マスターが言っていたことだが、男性はあわよくばの期待があるから女性と付き合えると。佐々木さんもそうだとしたら尚美の誘惑に簡単に落ちるかも知れない。トラブルになってマスターが恨まれることもありうるのだ。
 マスターが佐々木さんを誘って尚美を撮ると言った時、わたしは止めるべきだったかも知れない。
「ねぇ、尚ちゃん、小杉さんの例もあるんだから、うかつに写真を撮らせては駄目よ。あなたも公務員だし、いずれ政治家になるんだから、後々どんな影響するかを考えて行動しないと・・」
「ヌード撮らせたこと?小杉さんは加工がじょうずだからだれもわたしだとは思わないわよ」
「でも加工できるってことは複顏も出来るってことよ。それに、原盤は小杉さんが持っているのでしょう?流出することだってあるし・・」
「お姉ちゃん、公務員と医者が一番スケベだって知ってる?うちの学校だって不倫してる先生もいるし、そうでもしなきゃストレスでつぶれるのよ」
 ストレスにつぶれそうなのはわたしだ・・そう言いたかったがわたしは止めた。尚美も母も、物事を自分の都合で判断するし、それが許されて生きているのだ。わたしや父のように、池谷家の義務や責任を考えたことなど無いはずだ。
 翌日店へ出ると、すでにマスターは焙煎を済ませ、ケーキのデコレに入っていた。
「今日はわたしが早いと思ったのに・・」
「早く来ると思ったから俺も早起きした。東京どうだった」
「多分、撮影にわたしがいるのが邪魔で、尚美が母に頼んでわたしを連れ出したのよ。部屋で待機させられただけでどこへも出れなかった。ごめん、お土産は高速のサービスエリアで買うしか無かった」
「お土産はいいけど・・でも残念だったね。せっかく東京に行ったのだから、カフェ巡りでも出来たら良かったのにね」
「ホテルのカフェには行きましたよ。高かったぁ・・味はマスターのコーヒーの方がおいしい」
「味じゃない、接客は?なにか感じなかった?」
「エレガントって言えばいいかしら?動きがきれいでしたよ。優雅で落ち着いてて・・」
「味は店の感性だからね、美味しいに越した事は無いけど評価はしなくていい。俺達が学ぶのは接客の仕方だよ。以前見た外国の映画でね、主人公のカップルがレストランだったかカフェだったかにいるシーンがあったんだけど、その接客が俺には忘れられない・・主人公の向こうの壁にボーイが立っているんだけど、どこを見ているかもわからず注意して見ないと見逃すように気配を消しているんだ。で、主人公が注文をしようと顔を上げるとすぐそばに来てさ・・黙って立っているように見えて、ちゃんと全体の動きを注意してるんだね、お客様が必要でない時は壁の花で、必要と感じたらすぐ傍で待つ。そんな接客を俺はしたいと思っている」
 マスターほどわたしは注意してみていないと後悔した。(続く)

ハート達(複数ハート)クウネルのつぶやき獅子座
 雨がふりましたねぇ・・昨日h何もやる気が無く、日記をさぼりました。雨前は寝るしかない身体のクウネルです。
 今日はちょっと復活。整骨院へ行き、その足であじさい公園へ行き、今日のアップ分だけ小説を書きです。山之口のあじさい公園3分咲きって感じかな?だいぶ色づいて来て、草刈りなど、急ピッチであじさい祭りの準備が進められています。明日はまた晴れとか・・雨で元気になった紫陽花もまたしおれるかなぁ・・あ、そうそう、今日は紫陽花を撮っているカメラ女子が一人来てて、ちょっとお話し出来ました。そのおかげで元気が出ました(笑)

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