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2018年12月12日23:14

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《矛盾作業》《ちー+! 056》

《矛盾作業》

モノマネ大国の日本は青く見える隣の芝生を見様見真似で手に入れたがる。
見様見真似なので実態を把握しているとはおよそ言い切れず、儲かる店の儲かる手順のモノマネだ。
…なので、その手順を実際に必要かどうかの話し合いも無しに、随時投入して人件費ばかりが嵩む事実に気付いていない。
まあ、それが仕事言われちゃ文句も言わずにやる事になるが、金を第一に口走る上様の判断と考えるには、あまりにずさんな物の考え方だ。

作業の一つに『小分け』やら『半裁』と呼ばれるものがあるが 、読んで字のごとくというか、半裁は商品を2分し、小分けはそれ以下の数にする事だ。
対象商品は飲料が多いため、概ね24本入りのそれらは半裁の12本、小分けの6本となり易い。

こんな作業を考えたのは、実は有名コンビニエンスストアーらしいが、理由は簡単で、在庫を置くスペースが狭いから。
コンビニという小さな店内でもアイテム数を数えれば3000〜4000に上るため、全てをケース入荷すればたちまちバックヤードがパンクしてしまい、とてもじゃないが営業できない状態になってしまう。そんな状態の回避に『小分け』という言葉が誕生したと聞く。
また、小分けされた商品の仕入れは万引き対策も含まれており、高価なアイテムを多数仕入れたは良いが、それが万引きのターゲットとなった場合には被害が大きいため、同じ被害でも最小限に抑える効果を持ち合わせてもいる。
小分けの利点となる効果は他にもあり、例えば期待された新商品が思わぬ展開で全く売れなかった場合もそうだ。全店舗で大量に仕入れ、こぞって売れ残りが発生すれば大損害に繋がり、基本的に値引きを行わないコンビニ業界の被害は小さくないだろう。売れるかどうかの様子見…という意味合いの小分けでもある。
商品の小分けは小さな規模の店舗を数多く保有するチェーン店に対しては非常に強い存在となるが、では、俺が働く場所ではどうかと言うと…。まったくもって、あらゆる無駄に思える。

まず、コンビニと比べれば最低でもその数倍の面積を保有する店内に対し、6本やら12本やらの陳列は見た目からして寒く感じる。
薄利多売の最大の武器は、安値で数多く売り捌く事にあるが、毎日毎日最少ロットの6本をちまちま発注する店員の気が知れない。
賢い店は売れるアイテムに力を注ぎ、1ロット6本入りでは4の倍数で発注を心掛ける事でケース購入をし、時間を稼いでいるようだが、そうでない店はバカ正直に6本単位のものを平然と3だの7だの、中途半端な(恐らく発注する直前で確認した空きスペースに入る量)数を平然と毎日上げ続けている。届く頃には更に空きが出ている事にも気付かずに。

小分け作業は俺たちにとって面倒な作業ではあるが、買い手側からしてもトラブルを生む原因を作っている。
まずもって手付かずの製品に手を掛けるわけなので、どこかで不具合が生じる。カッターの刃で製品に傷が入ってしまったり、うっかり落としてへこませてしまったり。
売れないものが長期在庫となった場合は埃が積もる事になり、そんな埃をいちいち払って出荷するかと言えば、絶対にそんな事はしない。…というか、そんな時間がまずない。

そんな商品が届いた店舗、どんなに少なく見積もってもアルバイトを多数抱える店舗なので、数多いアイテムの汚れ具合を全員が確認しているとはとても思えず、右から左に流すように、銘柄さえ合えば何でもかんでも並べてしまう事が容易に想像つく。

早い話が『コンビニと同じ理論とするには程遠い実態』と言いたいわけだが、どうしてそこに気付かないのか。
しかも、高価なワインや日本酒を小分けするならともかく、手を掛けるほとんどはチューハイ系。1本100円とか110円なんてものばかりだ。缶詰めコーナーのシーチキンや焼き鳥なんか、1ロット1個(!)。そんなのをデカイ箱に入れて、中でガコガコ言いながら店舗到着って…、どれだけへこんでいる訳よ?
そんな商品を多数の人間を使って日夜頑張って小分けしているのだが、…ここから飛び出す人件費は考慮されてるのかな?

個人的にはちまちました作業は嫌いではないので、段ボール切って紙貼り合わせてお金をもらえるならば、こんなに楽な仕事はないと考えているんだけどね。
でも、経営サイドに立って物を言わせてもらうなら、これほど無駄な浪費は無いと思う。


《ちー+! 056》

第一章 仲間たちとの行進曲 3-18

【拠点ネメス・ネメス城下町南区域】

 ネメス大陸の全土を統治する現国王の名前を『ディオ・サムスール・エハン』といった。
 長い平和を謳い続けるネメス王国は『様々な問題から見放されている』との例えで周辺の国々に浸透しているが、もちろん、そんな事は無い。
 人と人が交わる生活圏内では常に大小の問題が発生しており、これはどの統治下でも抱える問題の一つと言えよう。
 とりわけネメス王国の拠点ともなるネメス城下町での犯罪は日常茶飯事であり、他の拠点とは比較にならない人口が織り成す問題事は大小の違いはあれども、起っている事実には変わりない。
 他国がネメスを指して『平和』と表現する大きな意味の一つは、兵力を挙げての問題鎮圧といった、内戦まがいの問題の有無を指したものだが、実際には約十年に渡った魔法都市ペナ・リノの問題が発生していたように、全てが平和という訳ではない。
 すなわち、周辺諸外国の問題事と比較した場合、おしなべて小さな問題事の内に処理を終える事に恵まれた国が『ネメス王国』という表現が、もっとも正しい答えに近いだろう。


「ペナ・リノの人も凄かったけど、城下町の人もすごい数だねぇ…」
 城下町南門より入り込んだチータス一行は、今はネメス城付近の飲食店に身を置いていた。
 あれから数日間、馬車での移動を続けた結果、これといった問題に遭遇する事も無くネメス城下町入り出来た事は城兵4人にとっては喜ばしい事だったが、時間を追うごとに逃走の念を表に出すナルミの考えを見抜いては、先回りで阻止に励むチータスにとっては気が気でならない時間の連続だった。
奇しくもそれは、自分が逃走を企てた頃の城兵の気持ちを垣間見た様な思いだ。…少々時間が長い気はしたが。
一方で、あらゆる考えを見抜かれ、ただの一歩も『逃走』に繋げる事の出来なかったナルミの表情は、心なしかやつれているようだった。たった今チータスの放った言葉も耳に届いた様子は無く、ぼんやりと目線を外に向けては、焦点の定まらないような動きで無意味に行き交う人々を追っているらしい。
「『見るに堪えない』って言うのかしらね、こういった状態…」
 ここ数日のやり取りで場馴れしたスケクの声は、『落ち着いている』と表現するよりは『やや冷ややか』という表現の方が似合い、無関心にナルミの様子を眺めつつ、口にくわえたストローを器用に左右に振って遊んでいた。
「どうしたもんかね、ナル。放心状態?」
「何を今さら…。その放心状態にしたのはあなたでしょ?」
 プン、と、唇の動きで右から左へと素早くストローを振り、チータスの言葉に呆れた声を返すスケクは、もはやナルミの状態が気にならない素振りでパスタを食べ始めた。
「もぉー、ちょっとは心配してよ。ナルが大変なんだよ…」
「昔からの仲のあなたがお手上げなのよ。知り合って数日の私に何が出来るというのかしら?」
「あーもう。冷たいなぁ…。ねぇナル?」
「アカデミー…」
「ダメだこりゃ」
 たまに何かを言うと思えばこんな感じのナルミは、もはや壊れかけた生き人形そのものだ。
「おお、居た居た。…で、予定は決まったのか?」
 隊の馬車を管理区域に収めてきたラウニー達が店内でチータス達3人を探し当てる。ララウニーの放った『予定』とは、チータスが入城する時間の事を指していた。
「ダメダメ。ナルがこんなんじゃ、あたしが動けないよ」
「そんな事言って、ここまで来て試練の年を逃れる考えじゃないだろうな?」
「………わかる?」
 間髪入れずにダーマンが言う。ナルミの状態を利用したチータスの悪知恵ではあるが、これまでの衣食住の中ですっかり性格を見抜かれており、もはやチータス自身も考えを先読みされる始末である。
「早々に決めてもらわねばな…。我々の行動期限は今日中で、チータス殿の入城が叶わなければ我々も罰せられるが、それ以前にチータス殿自身が明日以降、迷う事になる。もちろん、ナルミ様もな」
 すっかり口調をチータスに合わせるようになっていたラウニーの物の言い方は、ある意味で父親の様な口振りだ。
「迷うって?」
「考えて下さいよ。多少の金銭はベレーレルから持って来たとはいえ、2人で1年間を生活出来る所持金ではないでしょう? 城に赴き、国王に謁見するだけで、少なくともそれだけは回避できるんですよ?」
 今度はアッベシが口を挟む。
「そんなに貰えるの?」
 頭から信用していないというよりは、どこか実感の湧かない様な口調のチータス。実際問題、金銭意識が無かったこれまでの生活だったので、そんなものを消費する『暮らし』が理解出来ないのだ。
「例えば…そうだな…」
 ダーマンがチータスにも分かる様な例えを考え始める。
「あー…、そうだな…うーん…、飯だ、飯! 例えば、お前の持ち合わせで飯を毎回食うとすれば、今から10日持つとしよう」
「…うん」
「でも、10日だ。11日目には金が尽き、もう食べられない。…そうなるとどうなる?」
「おなか減る」
 真面目なダーマンの話に対し、一応は真面目に答えるチータス。でも、どこか路線がズレている…。
「…違うだろ。死ぬんだよ」
 出来る限り分かり易い例えで今後の展開を理解してもらおうとするダーマンだったが、この回答で早速不安が過る事になった。


《あとがき》

『無駄を無くせ』

とは、
どの会社も言うが、8割方、見当違いな方向にひた走るのも、そういった事を平然と言い放つ会社の持つ特徴だ。
簡単な話が、『無駄を無くせ』と言い放つ本人こそが、会社のどの辺のどこが無駄なのかを理解しておらず、現実的な経緯や結果ではなく、紙面やモニター上の経費の加減だけを気にしている場合に多い。
だから面倒を押し付けられる配下の責任者は適当な削減を行う一方で余計な手間を稼ぎ、数字は低くなるが経費がそれ以上に嵩むという、数年後に気付く摩訶不思議現象を簡単にやってのける事になる。
少し前の日記ではないが、数メートルのセロテープを守るために数時間の時給を捨てる様な行為だ。

この会社の小分けシステムもその通りであり、触らなきゃ4日で1回の発注をすれば良い所を、毎日発注する羽目になっている。
しかも、そういった小分け商品の数もうちだけで4ケタ越えなのだから、店の発注量とくればそれこそ膨大だろう。
商品発注に躍起になり過ぎ、売り場の様子なんか分かる訳が無いという話だ。
サービス業の板挟み状態の社員の多くは禿げているが、そんな事も要因の一つかもしれないな、かわいそうに。


ちー+!がまたも弾切れ。年内いっぱいは余裕持ちたかったなぁ。
自転車操業…、やってみるか。

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