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2018年12月15日11:23

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魔界ラジオ【入院した話(前編)】

魔界ラジオ 2001年8月28日収録
【悪魔の入院話(1)初めての手術】

󾠅初めて入院した
のは小学校3年生
11月の半ばだった
(以下回想シーン)

󾭜󾠅お腹が痛い…

󾆸どうしたにゃ?

󾠅給食食べて昼休
に具合が悪くなり
保健室へ。放課後
になるまで寝てた

󾆸歩いて帰ったの

󾠅コタツに入って
中で丸くなりエビ
の様に寝てた僕を
母が見てすぐ異常
を感じたと言う。
(病院の診察室へ)

󾌫レントゲン異常
無し…マクバネー
圧痛有り、恐らく
『アッペ』ですね

󾆸どんな病気なの

󾠅盲腸の事だよ。
すぐに緊急手術が
決まり、全身麻酔
をお尻に打たれた
(気付けば手術室)

󾌫分かりますか?
今から手術します

󾭙󾠅緑色の温かい
シートを被せられ
麻酔で眠気が来て
そのまま…眠った
(それからICU)

σ󾠅気が付いたら
集中治療室に居た


【悪魔の入院話(2)ICUから病室へ】

σ󾠅気が付いたら
周りは夜だった…
出血している為か
やたらと喉が乾く
『…水が欲しい』

󾌱まだ水分駄目よ

󾭜󾠅何で…?いつ
水が飲めるんだろ

󾌱今飲むと腹膜炎
起こすから我慢よ

σ󾠅歯ブラシに水
を少量含ませて…
口に入れてくれる
わずかばかりの水
を飲み込んで我慢

󾆸しばらく寝るの

󾠅󾭛すごく暑い…
暖房付いてるのか

󾆸󾭛ICUだから
温度が高いにゃ〜
(…やっと朝方に)

σ󾠅ほんの少しの
水を飲み、退屈な
時間を過ごして…
病室に移れたのは
多分3日目だった

󾆸女部屋だにゃ?

σ󾠅おばさん達が
居る部屋に移され
初めて食事が来た

󾭜󾆸ご飯無いにゃ

󾭜󾠅固形物がまだ
食べられないんだ


【悪魔の入院話(3)年下の女の子】

󾠅盲腸の手術後は
腸に負担がかかる
固形物は出ない…

󾭜󾆸三種類の色付
の汁だけにゃ〜?

󾠅お粥でもない…
重湯(おもゆ)でね
初めてのショック

󾆸仕方無いにゃ〜

󾠅3分粥、7分粥
と米が毎食ごとに
形が分かるように
なると嬉しかった

󾆸退屈しのぎは?

󾠅マグネット将棋板が
あったから一人で
遊んでたんだよ。

󾆸あ、誰か来たの

󾌾󾬍『…遊ぼ♪』

󾠅年下の女の子が
同じ病棟に居てね
僕が歩けるように
なってから一緒に
遊んでいたっけ。

󾆸ガールフレンドなの!

󾠅そうなるかもね
…でも具合悪くて
長く遊べなかった

󾭜󾆸病人だしにゃ

󾠅一週間が過ぎて
抜糸をしてから…
無事に退院した。
(10年後に続く)


φ(゚Д゚ )フムフム…悪魔が10歳の頃。盲腸の手術を受けた時の話です。
いつものように給食を食べたはずなのに、まるで食あたりをしたような
腹痛に悩まされ、昼休みに保健室へ。ベッドで横になり午後の授業も
受けられないまま、気が付けば放課後になっていた。

とにかく帰りなさいと先生に言われ、寒空の下、歩いて帰りました。

コタツに入ると全身を丸めて、ヒーターの熱を一身に受けて腹痛が治まるまで
じっとして動けなかった。 やがて母が帰宅し、息子を一目見て様子がおかしいと、
すぐに病院に搬送する用意をしました。

夕方6時頃だった院内で、診察を受けるとアッペ(盲腸)の急性虫垂炎と診断。
薬で散らすレベルを超えていたので、すぐに手術が可能か先生方に打診。

たまたまその日は、先生方がまだ院内に留まっていたので手術が可能でした。


ベッドでお尻に何らかの注射(おそらく麻酔)を打たれて、気が付くと手術台。
『…聞こえるかな?』と、誰かの声が。
テレビで見た事のある強烈なライト、体の上には緑のゴムシートが被せられ
ほかほかと暖かな毛布のように感じていると、
『今から手術をします。そのまま眠ってて良いからね…』『はい…』

眠気から覚めると、ICU(集中治療室)のベッドの上。

目が覚めたら朝になっているはずの病室、だがあたりは真っ暗で真夜中。

『お母さん…のどが渇いた』『今はまだ、水は飲ませられないのよ』
『えー。何で…?』『お腹を切ってるから、腹膜炎起こすと危ないからね』

強烈なのどの渇き。手術による出血で水分が減っているのは確実だった。

何を思ったのか、歯ブラシとコップを持ち出す母親。歯磨きをする気なのだろうか?

水をコップに注ぎ、歯ブラシに水を付けて、そのまま僕の口に含ませた。
『今はこれぐらいしか、飲ませられないけど我慢してね…』
二度、三度と水を吸わせるようにして与えられ、暖房で寝苦しい中、朝を待った。


φ(゚Д゚ )フムフム…初めて出た食事は、お椀に水分しか入ってなかった。
ご飯が食べられると喜んでいたのに、透明なスープが3種類。
重湯(おもゆ:お粥のさらに水分ばかりの物)と、だし汁、リンゴ味の汁。

消化管を切るという事が、こんなにも食生活を変えてしまうのかとショック。
『そのうち、お粥になって固形物に変わるから、最初はスープからね』

3日もすると一般病室に移され、歩く練習からスタートした。
腹膜を切っているので手術痕が痛くてビリビリする。一歩歩くだけで激痛が。

『若い子でも、歩き始めは痛いものなのね。頑張って〜』と周りから励まされ
トイレに行くだけでも大変な道のり。一歩ずつしか歩けない自分に憤りを感じた。


子供の回復力は高く、歩き回れるようになると、どこかの病室から女の子が遊びに来た。
『同じぐらいの年頃の子が居て、良かったね。遊んできて良いよ』と紹介された。

彼女がどんな病状なのかは覚えてないが、一緒に病院内を歩いて探索するのが
とても楽しかった。リハビリ室の前を笑顔で走り抜けると、検温の時間も忘れて
巨大な病院を隅々まで歩いて回った。初めてのガールフレンド。

あっという間の1週間だった。10年後に再び入院する事になるとは思いもしなかった。
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