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2018年12月05日01:26

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映画「ボヘミアン・ラプソディ」★★★★

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映画館で特報を見て、これは絶対見に行こうと思いました。
実際には色々忙しくて、公開3週間後くらいに見たので、既にあちこち大絶賛の声!
ネタバレ感想読まないようにするのが大変でしたが・・・なるほど評判通り!
音楽で脳内に興奮物質が流れた経験ある人は、これは条件反射ですね。
実際の映像もすごいし、再現シーンも臨場感あって、これは感動せずにはいられません。
音楽ファンとしては、満足でした。
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ただ前評判が良すぎて期待が大きかったせいか、映画ファンとしてはやや物足りないのが正直なところです。
クィーンの音楽は知らなくても、或る程度フレディー・マーキュリーの鮮烈な生涯は知ってたので、この題材ならもっとあざとく作り込んだ、「アマデウス」みたいな派手な映画を予想してました。そしたら、案外ドラマ仕立てが地味で、各シーンのつながりが唐突なんですよね。
でもそれはブライアンやロジャー、メアリーら関係者が実際見聞きしたシーンの再現なので、見えてない部分、行間が補完されてないからでしょう。
決して彼の行動の理由を、上から目線で解釈しようとしたり、想像で補ったりしないで、彼らの理解のまま、そして理解できないことは脚色しないでその目線で描かれているのが、ひとつの物語として見たい私には描写不足に思えるのかもしれません。
でも考えてみれば、関わった人達が事実を忠実に再現することで、後世に想像の余地を残された価値あるドキュメンタリー映画ともいえるのでしょう。
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以下、取り留めない感想です。 ネタバレあり!


〇マイノリティー
どこか周囲と違う個性があって、 生きずらさを抱えている人こそが、表現への欲求を強く抱くのかもしれない。
基本、社会に適応しているリア充は、周囲と自己との違和感がないから、本当の自分が何者であるかに苦悩したり、自分らしさを見せたいと殊更思わないだろうから。
空想とは、満たされない現実の補完で、現実に満足してる者は空想しないと、精神科医が書いていたっけ。
フレディーはゲイであること、エイズに罹患したことで、大きな心理的負荷を抱えていたから、その負荷が創作へのエネルギーに転化し、至高の音楽として結実したんだろうな・・・
(先日、宮沢賢治記念館で、「銀河鉄道の夜」のカンパネルラのモデルの青年がいて、賢治はその青年に恋愛感情を抱いていたという資料が展示されてて、驚いた。そうだろうとは思っていたけど、その部分をやっと語られる時代になったんだなあって。死後80年も経ってだよ。)

〇「ママ、人を殺してきた」
ボヘミアン・ラプソディの訳詞を読んだら、切なさで胸がいっぱいになった。
個人的解釈なので、違ってるかもしれないけどね。
ママは既存の価値観を持っているだろうから、ママにとって僕は殺人と同等の罪深いことをしてしまったという、懺悔だろう。ママの絶望を思ったら、僕なんか生まれてこなければ良かったって思うよね。そりゃあ。
でも後ろ指差されても生きるしかない。それは自分の性という、現実と向き合うこと。
とシリアスに行くかと思ったら、懺悔後オペラに転調。
ドン・ジョバンニとか魔王の呵責の地獄声に、恐れ戦く者の掛け合いがオペラっぽい。
ガリレオガリレオフィガロが、呪文みたいってシーンが笑えた。
確かに魔笛のパパゲーノとか外国語わからない日本人には呪文に聞こえるw
でも最後は再び出だしに戻る。
「そんな脅し、俺は気にしないもーん」なオチがラプソディー(狂想曲)。
名曲だーーーー!!!!!

〇シンガーソングライター
人間は、自分がいつか死ぬことを知っている地球で唯一の生物。
死期を悟ったフレディーが、それを隠して音楽に命をかける姿がこの映画の泣き所。
「どれだけ生きるかより、どう生きるかが大事だ」という天野滋さんが生前語った言葉を想起させられる。
浜田省吾さんが旅するソングライターと自称した時、シンガーと言えるほど歌唱力はないという謙遜だったんだろうけど・・・
フレディは類まれな歌唱力もあり、ソングライターとしても天才。真のシンガーソングライターと言えるよね。
作曲家か演奏家、普通はどっちかだもん。かつ役者だよね、エンターティナー!
でも天才はいつも孤独なんだよ。平均から最も遠いところにいるからね。
フレディーは、歯並びが悪いから口腔内が広く、音域が広く響きが良いと信じてたそうだが、私も細坪さんは八重歯あるから、発声がきれいだと信じてるのよね(笑)。

〇光と影
「アマデウス」では、モーツアルトが天才であると同時に、私生活の堕落ぶりが両輪で描かれていたけど、フレディーはその放蕩ぶりも含め悲劇の天才として割と神格化されてる映画だと思う。まあ、今普通に生きてて不思議ない人だからね。
だから、やっぱり性的逸脱の代償は大きかったわけで、不特定多数との交渉は性感染症防止の観点からよろしくない。エイズを知らなかったとはいえ、我が国の薬害エイズ問題のように罪のない子供たちの生命を脅かした原因にもなったわけで・・・
彼が心から求めたものは、ファミリーだったんだよね。自分の血のつながった家族は、自分を受け入れないだろうし、彼の仲間には妻子がいるのに、自分には家族がいない・・・その寂しさを乱交パーティで埋めようとしたのか。
人間病気になって、側にいてくれる人が真の家族。
ジム・ハットンがずっとそばにいてくれたそうで、真実の愛を手にした人生は、幸せだったろうから、それが救い。ペールギュントみたい。

〇クィーン
メンバーとの出会い、決別、再会、そして飽くなき音楽への挑戦。まさにドラマチックで、事実は小説より数奇。
私がNSPに夢中だった頃、私の親友はクィーンに夢中だった。彼女はフレディの声が好きででフレディファンだったけど、私は写真見せられて、ブライアン・メイにうっとりvv貴族的佇まいが好きなのよ。
映画見て、ブライアンだけは本物の方がルックスいいなあって贔屓目?。
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