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2018年07月18日08:30

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7月18日(水) #1651 チベット高気圧のメカニズム

おはようございます。木下藤吉郎です。


今から50年前の1968年(昭和43年)の今日、アメリカでロバート・ノイス、ゴードン・ムーア両氏によって、インテル社が創立されました。

■インテルの歩み
https://www.intel.co.jp/content/dam/www/public/ijkk/jp/ja/documents/corporate-information/history-intel-japan-2015ver1.PDF


また、今から100年前の1918年の今日は、南アフリカ共和国の政治家で、反アパルトヘイト運動で活躍されました、ネルソン・マンデラ( Nelson Rolihlahla Mandela )氏の生まれた日です。
※ 2013年12月5日没。満95歳。

■反差別の英雄たたえる=マンデラ氏生誕100年−南ア:時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018071700965&g=int



























7月18日 水曜日

けさは昨日の話の続きと申しましょうか、話の中で取り上げました「チベット高気圧」についてもう少し詳しく書いていきたいと思います。

夏場になりますと、赤道に近い海上では対流活動が活発になり、熱帯低気圧(台風の卵)が作られて熱い空気は上空に巻き上げられます。一方で上空に上がった空気は温度の低いところへ向かって漂い、少し緯度が高い所で冷たく重くなって下降していきます。ただ、陸上では日中になると強い日差しの為に上昇気流が発生しやすくなるため、この下降気流は「温まりにくく冷めにくい」海上で起こりやすくなります。その結果、太平洋やインド洋では高気圧が強くなりやすくなって、その高気圧から季節風(モンスーン)が吹き出すのです。

この季節風は、偏西風(ジェット気流)を北に押し上げるほどの威力があり、これによって中央アジアを流れる偏西風はまずヒマラヤ山脈に達します。

ところが偏西風はヒマラヤ山脈よりも低い高度を流れている為、ヒマラヤ山脈で2つに分岐します。この2つは日本の東海上付近で合流する為、合流する付近は局地的に気圧が高くなります。これによって形成されるのが「オホーツク海高気圧(オホーツク海気団)」であり、梅雨の原因要素の一つになります。

さらに季節が進みますと、偏西風はヒマラヤ山脈よりもさらに北のルートを流れるようになります。ヒマラヤ山脈より北側には、チベット高原が広がっています。このチベット高原に季節風と偏西風の混じった空気がまとまって、高圧帯となるのです。

そしてこれは、盛夏の時期になりますと東西に大きく張り出すようになり、日本列島上空にも達するようになります。

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日本では梅雨が明けると地上では夏の高気圧である太平洋高気圧(国際的には北太平洋高気圧と言う)からの温かく湿った空気に覆われます。日中に気温が上がるとその湿った空気が入道雲(積乱雲)を作り、局地的に短時間豪雨(いわゆる夕立やゲリラ豪雨)をもたらすのです。

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ところがチベット高気圧が上空に張り出してきますと、上空が既に厚い空気に覆われている為に気温が上がっても湿った空気は上空という逃げ場がなくなり、対流活動が停滞してしまいます。こうなりますと風があまり吹かなくなり、夕立も起こらない安定した天気になる為、ただでさえ暑い日本列島の夏の空気がさらに暑くなって、猛暑、酷暑となるだけでなく、光化学スモッグが発生しやすくなり、干ばつ被害、水不足の心配も生じてくるのです。

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大手メディアはこういうことに対して「未曾有の危機だ」と盛んに囃し立てますが、長いスパンで見ますと「飢饉(ききん)」という異常気象による凶作や干ばつ被害の記録は過去にたくさん残されており、その都度人々は知恵を絞って乗り越えてきたこともまた揺るぎない事実です。青木昆陽さんが異常気象に強いサツマイモの特徴を発見し世に広めた話は有名ですし、水不足や電力不足は外に出て公共の物を利用することで節水や節電に貢献できる事も事実であります。(※ただ問題として、独居老人には外出が難しいという点もある)

これからが二十四節気の「大暑」で、最も暑い時期にさしかかります。厳しい暑さを知恵と力で乗り越えてまいりましょう。

■EOF 解析によるチベット高気圧とその日本夏季気温との 関係についての気候学的研究
https://www.chs.nihon-u.ac.jp/institute/nature/kiyou/2008/pdf/2_15.pdf
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