「ラジコン大海獣」。

参観日に学校の図書館で「ラジコン大海獣」の児童書を見つけて（というか探し出して笑）読みふけっていたら、チビッ子たちが寄ってきていろいろ声をかけてくれました。意外にチビッ子たちは鬼太郎さんを知っていたのに驚き！きみたち世代じゃないのにナゼ…？
けれどもやはり目玉の親父さんのことを「鬼太郎の左目」と認識している子が多かったため、正しい由来をこんこんと教えてきました（笑）。覚えて帰れよー

その日は途中までしか読めなかったのでムスメが気を効かせて借りてきてくれました「ラジコン大海獣」原作の内容をほとんど忘れてしまっていたので有り難く読ませて頂きました！
この話しは鬼太郎さんは災難としか言いようのないエライ目に遭われております…「大海獣」の感想の中でも書いた通り、原住民の毒矢攻撃に始まりゼオクロノドンの血液を注射されて大海獣化してしまい、果ては原爆を落とされる…

ヒドイ！

っていうか、水木先生の世界観がモーレツすぎる（笑）。

間違った記憶かもしれないんだけど、確か少年誌に連載が決まった鬼太郎物語（この時まだ「墓場」？）、ようやく始まった掲載だったけど人気が全然出なくて（涙）いつも作品は雑誌の最後辺りのページに割り振られていたそうです。それがある回をきっかけとして注目を浴び、人気漫画に躍り出た…
それが大海獣VSメカ大海獣だった！
（もう一つ聞いたことがあるエピソードは、鬼太郎作品の人気が出ないから人気を出すためにアニメ化に踏み切ったという話し…普通逆だよ笑）
そーかー…鬼太郎さんが世に出るきっかけをつくったのは、あるイミ山田氏のお蔭かもね（笑）…皮肉な話しです（笑）。

アニメでは大海獣に変身させられちゃうだけでしたが（初期は原爆くらうのかな）、原作だとドエライ目に遭わされる鬼太郎さん。それでも結局山田一家を救ってくれる鬼太郎さんが素晴らしい…涙が出ます…。
大海獣となった鬼太郎さんを倒すべく政府から要請された天才科学少年山田は、

「ぼくの頭脳をもってすれば、２日あればメカ大海獣を作れます」（みたいな）

と言って本当に作り上げてしまいました、しかもラジコンで動く！（笑）
大海獣の不思議な光線を浴びると毛だらけになってしまうこともきちんと考慮されておりました天才なので（笑）。メカ大海獣の腕が毛むくじゃらになってしまっても、

「こんなこともあろうかと、手はハサミになっているのだーっ！」（笑）（みたいな）

と、ジョキジョキ毛を切り込んでいました（笑）。

そんな大海獣同士の戦いを止めようとするのは、山田のお母さんです。
山田一家はかつて鬼太郎さんに助けてもらっていたことがあり、その恩を忘れていないお母さんは息子の行動をどうしてもやめさせなければならなかったのです。
しかしそのことを知らない山田。
お母さんと妹の啓子さんの頭上に瓦礫が崩れ落ちそうになるのに気付いた大海獣は、とっさに二人をすくい上げ、攻撃から逃れるために海に飛び込みます。
それを見て山田は大海獣が二人を人質にとったと誤解し、また大海獣をメカ大海獣が倒せなかった場合は原爆を落とすより手はないことを政府から伝えられました。
母親と妹の命もかかっているのです。
なんとしても負けられない山田は、ラジコン操作をやめて自らメカ大海獣に乗り込んでの戦いを挑むのでした。

やがて山田に許された期限が過ぎ…戦う二人のいる孤島へ大海獣を倒すべく原爆が落とされます…。
危機を察知した大海獣は山田一家を口の中へ入れて海の中へ逃げますが、人間である山田たちは息が出来ないためやむを得ず放射能の中浮上。大海獣は放射能の被害に遭いますが山田たちは助かりました（この辺うろ覚え〜泣）。

山田は啓子さんに諭され改心するのですが、水木先生が鬼太郎作品を通じて伝えたかったことが啓子さんの言葉に表れているのかなと思います。

「名声だけがすべてではないわ。ノーベル賞がなんですか！くんしょうがなんですか！世の中には、人にしられないもので、それいじょうにすぐれたものが、たくさんあります。」

人にしられないもので、それいじょうにすぐれたものが、たくさんある…
鬼太郎さんが妖怪から人間を守って人知れず去って行くシーンが原作で何度も見られますね。あぁ、こういうことなんだと思いました。
人に知られなくたって優れたことをしている鬼太郎さん。世間に認められなくたって、偉くならなくたって、優れたことをしている人はたくさんいるんだ、それは作品がなかなか世の人に認められなかった水木先生のことも指しているんだとも思います。そして、偉いとされている人たちだけが偉いのではないんだということも教えてくれているんだと思いました。

小学生〜!!!この本読め〜〜!!!!!

「ぼくの生き方より鬼太郎のほうが偉いのだろうか、ぼくは間違っていたのだ」（みたいな）

そう気付き、山田は鬼太郎さんを助けようと奔走するまでに変わります
そして鬼太郎さんは山田を簡単に許しちゃうの（笑）。

「その気持ちを忘れないでくれ」

まー、大海獣になって戻ってきた時、逃げ惑う山田を見つけて追いかけたから、さすがの鬼太郎さんも少しはムカついてたのかな（笑）。

しかし水木作品は本当にスゴイです！
サラリと、だけどズガンと大事なことを教えてくれる。押し付けがない感じがまたいいんですよね

ちょっと駆け足での感想になって自分自身ザンネンだけど
「大海獣」素晴らしい作品でした！


はー、次回は「風の又三郎」、「うんがい鏡」、「がしゃどくろ」です！たまったー