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2017年11月23日10:37

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全ては生徒の評価と成績

仕事の自己評価“平均打率”は「4割0分7厘」
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=84&from=diary&id=4869266



高校教師という、他とは少し違った職種。

基本、教員の仕事は「個人商店」的な側面が強いので、

同僚や管理職からの評価は気にしないでいいものです。

しかし、勝負はあくまでも授業であり、

それは覿面、生徒のやる気に現れてきます。

23歳、新卒で大阪の公立高校の教員になって驚いたこと、

それは学校全体衣を覆う「無気力」でした。
 
生徒ばかりではない、職員室もどんよりとした雰囲気。
 
 
せっかく希望に燃えて選んだ職場がこれでした。

授業での居眠り、私語は日常茶飯事。

教師の側も、生徒のやる気のなさに責任転嫁しています。

教師はあくまでもサービス業で、お客が居眠りしたのでは

プロとしての面子が立たないじゃありませんか。
 
 
教科は英語でしたが、すでに中学3年間の英語授業で、

生徒には「英語は難しい」「英語は嫌い」が定着しています。

僕は高校時代に身に着けた勉強方法を試してみることにしました。

4月、学期の始めに「目と手を使うな、耳と口を使え」と指示しました。

そして「すぐに辞書を引くな」とも言いました。

最初のうち、生徒は「コイツ、何言うとるんや?」みたいな顔をしました。
 
 
まず授業では、十何回もリ−ディングを繰り返し、

声を出していない奴を集中的に指名して読ませました。

その次に教科書を閉じさせ、僕が読み、生徒にリピートさせました。

それから大まかな意味を英単語を交えて説明し、

「じゃあ、次のレッスン」と言って進みました。
 
 
生徒は明らかに不満な様子。

そのうち一人が「先生、意味はしないんですか?」と訊きます。

「したやないか。だいたいの意味は取れたやろ?」というと

怒った顔で「ちゃんと日本語訳してください」と要求します。

「だったら、キミやってミ」とその生徒を指名してやらせます。

大まかに間違っていないのなら、

「それがキミの日本語訳やな?それでエエやろ」

と次に進みます。
 
 
僕の説明とはだいたい以下のとおりです:

Every country seems to create some strange laws.
America, however, seems to have the strangest.
Thanks to its form of democracy, Americans enjoy a rather free life.
While there are consequences for bad behavior,
they are pretty free to do what they want.
This results in the freedom of people to create odd laws, too.

という内容の英文では、こんな風に説明します。
「Every country はsome strange lawsをcreateしているようだ。
でもAmericaは最もstrangeらしい。 its form of democracyのおかげで、Americans
は a rather free lifeをenjoyしている。consequences for bad behaviorはあるものの、
彼らはare pretty free to do what they wantなのだ。
こうして the freedom of people to create odd laws, tooがresults in するのだ」

こんな授業は、それまで3年間、彼らが受けてきた授業とは全然違うので、

初めのうちは面食らい、それから文句を言い出します。

それでも妥協しません。

1か月経つ頃には

「あの教師、答え知れへん」「メッチャ手抜きしとる」という噂が立ち始めます。

実は彼らに身についた「英語勉強法」を木っ端微塵にしたかったのです。
 
 
耳から入れて口から出す、イマジネーションを自由に使う、という

語学習得に適った方法を植え付けたかったからです。
 
 
不信感が最高潮に達したころ、僕は本文を印刷したプリントを配ります。

そのプリントは工夫しました。

例えば、While there are consequences for bad behavior,
they are pretty free to do what they want. の文章では、
「_______として____る____にも拘らず、
アメリカ人は極めて____________なのである」

その上で、クラスを4人グループの10班 に分けて、

協力し合って知恵を出し合えと指示します。

黒板にプリントと同じ文章を書いて答えが判った判を指名し、書かせます。

意味が通れば平常点+1をその班につけます。

つまり協力し合って「ある答」を導き出したメンバー4人は

それぞれ1点ずつ獲得するのです。

但し、その班に一人でも居眠りしている奴がいる限り、指名しません。

こうして僕の授業で居眠りは一人もいなくなったばかりか、

「俺らも当ててくれ」という要求で収拾が付かなくなることもありました。

こんな授業の雰囲気では、成績にも反映されるのは当然です。
 
 
「先に生まれただけの僕」というテレビ番組で、

「アクティブラーニング」が目新しいことのように言われていますけど、

今ごろ何言ってるんですか、あんなこと40年前から僕がやっていたことですよ。
 
 
教師になっていちばん嬉しかったことは、

「オレ、英語嫌いやったけど、好きになったわ」と言われることでしたね。
 
 



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