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2016年12月16日18:53

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小説 明日の朝に 20

明日の朝に 20
「おはようマスター」
 懐かしい声で夢から覚めた。どことなく平安時代のお姫様を思わせるkだ顔立ちだ。丸みを帯びた顔の、おでこの下に澄んだ黒い瞳があって、ちょっと唇をすぼめた理沙がいた。早速メグを連れて来たようだ。そう思ってゆっくり起き上がった。理沙の後ろに人影があるのは寝ぼけた頭でも認識できた。
「早いね。まずコーヒーを飲もうよ。お湯を沸かして・・」
「そう言うだろうと思ってヤカンをかけてるわよ。豆はこれで挽くの?何杯分?」
「3杯分・・」
 と言いながら、理沙の後ろにいるのがメグで無く、ヨーロッパ人風の男であることを認識していた。
「アレックス博士よ」
 理沙がカリタの手動ミルに豆を入れ、レバーをグルグル回して豆を挽きながら紹介した。外国語でぺらぺらとしゃべりながらアレックスが手を差し出す。どこの国の言葉かはわからない・・が、俺にとっては小鳥の囀りと同じだ。耳に入るリズムが心の奥で言葉に変換される。アレックスが心から会えた喜びを語っている。俺へ聞きたいこと、語りたいことがたくさんあることを態度に見せている。
 お湯が沸いた頃、うまいタイミングで理沙は豆を挽き終え、俺は台所に立って器具やカップを温めペーパーに移したコーヒーにお湯を注いだ。細いお湯で粉を湿らせ、繊維の一つ一つの間に浸透して膨張する。その膨張が頂点に達するのを待って2回目のお湯を注ぐ。そうしながらもアレックスとの会話は続けていた。
「子供の時から不思議に思っていたけど、言語が通じないはずなのにどうして会話ができるのですか?」
「敬語は止めてください。あなたはわたしたちのボスです。お会いしてはっきりとわかりました」
 アレックスはそう言って微笑んだ。頭が禿げているが顎は見事なカストロ髭だ。その髭はほとんど白くなっており、俺よりずいぶん年長のようだ。雰囲気は学者。静かな語り口と、じゅうぶんに検証して得た知識は有名な大学で教授でもしているのだろう。年齢の割に若々しい活力に満ち溢れているのは、常に若者と接しているからだと推測された。知的リーダーとして活躍していると思われる。
「まず、あなたの質問に答えます。言語は部族など同一地域で通用すれば良いのですから、他部族が理解できなくて当然です。しかし本来の意志疎通に、さほど言語が必要ではありません。部族が違おうと、類が別であろうと、生命体は本能で相手が自分に脅威を与えるかどうかがわかります。ライオンが腹を空かせて獲物を捕獲したい時には、出くわした動物は直感的に逃げます。自分が食われないために瞬時の迷いも無く・・しかし、満腹で餌を必用としない時には攻撃しないことが解りますから、びっくりさせないように静かに去ります。ヒトが犬や猫などの小動物と向き合う時も同じですよね」
 静かに俺とアレックスは会話を始めた。俺が質問し、アレックスが答えることがほとんどであったが・・この会話が俺の明日を創るものであることを、なぜだか理解していた。明日の朝に、多分俺は大きく成長していることだろう。(続く)


(^_-)-☆クウネル日記(^_-)-☆
 昨夜はいつもどうりネットでジャズを聴きながら小説を書いたのですが、今朝パソコンを起動したらネットが繋がらなくなっていました。いつも0時過ぎに目覚めて韓ドラを観て新聞配達へ出るので慌てました(笑)また寝とぼけて変なキーを触ったのかと、再起動したり、あれこれやってみたのですが駄目。そうこうしているうちにモニターの画面も見えなくなり、諦めて配達へ。配達を終えて、モニターが見えないので電源を切って強制終了していたのですが、一眠りの週間がついてるし、寝ぼけた頭で操作すると余計にやばくなりそうで手を付けず(笑)目覚めてからコンセントを入れなおしたり、いろいろ試したのですが駄目・・
 諦めて友人にSOSかと思ったのですが、とりあえず鍼灸院へ行ったり買い物へ行ったりして、夕食を済ませてから再度コンセントを点検すると、やっぱりどこか外れていたようです。復旧しました指でOK

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