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2016年11月27日22:14

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『聖の青春』

 映画『聖の青春』(さとしの青春)を鑑賞。実話ベースのお話。


 あらすじ。

 村山聖は将棋のプロ。幼い頃から腎臓の難病・ネフローゼで苦しんだ彼は、長い入院生活で覚えた将棋の虜になり、名人を目指していた。道端で倒れても、這ってでも対局場に向かう彼の前に立ちはだかるのは、後に史上初の七冠を達成した羽生。

 何度となく死闘を繰り返した両者は、趣味も興味もまったく違うものの、将棋の奥底を極めたいという思いは一緒。

 そんなとき。村山の病はさらに重くなった。将棋が一時的にも指せなくなることを恐れた村山は治療を嫌がるが。。。



 感想。

 同じ原作を漫画化されたものを読んだことがあるけど、そういう私でも気が散ることもなく、楽しめた。役者(村山役は、むくみを表現するため体重を大幅に増して取り組んだ松山ケンイチ、羽生役は東出)さんたちも大大、大熱演。

 本当は、子どもの頃、病気で絶望しつつあった村山さんが将棋に命をかけよう、と思う経緯や、師弟の交流などが一番面白いところなんだけど。映画という尺の関係から、そこはバッサリ省略されている。惜しい、けど、村山さんの最期を描かないワケにも行かないでしょうから、七段昇段後の4年間に絞ったのは仕方が無いことかも。

 将棋のルール、奨励会の厳しさなどなどの説明を一切省いたのも潔い。間口は多少狭くなったかもしれないけれど、その分、作品の力は増したように思う。

 村山さんって、お酒にしろ、少女漫画にしろ、麻雀にしろ、もちろん将棋にしろ。興味のあること「だけ」には命を賭けている。それ以外はダメダメだけど。たぶん、自分の命が長くないことを悟っていたから、余計なことや気遣いなどしたくなかったんでしょうね。純度と濃度の高い青春。羨ましい。翻って、青春が無かった私の人生が情けない。

 ちなみに、作中では「三流の師匠」と本人も村山も言う森信雄は、本当は後に優れた弟子(山崎八段・初代叡王や、糸谷元竜王など)を数多く輩出する名伯楽。人情家な点が人を引き寄せるのか。

 作中、荒崎学は先崎学九段がモデル、橘は滝がモデルかな。

 村山vs羽生は、村山の6勝7敗1不戦敗という、五分の戦績だったらしい。西の怪童の名にふさわしい。

 キネ旬では星3・3・5評価。私は星3.5評価くらいです。


 私は将棋って、小学生のころに興味を持ったんだけど。誰も相手をしてくれないので、そのうち飽きちゃったんだよね。道場も近くに無いし、あっても通うお金がなかったし。その後、十数年前からまた興味を持ち始めたんだけど。ちょうど、興味の空白期間に活躍したのが、この村山さんなのでした。なので、彼の活躍は直接は知らない。ちょっと勿体無かった。
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