トランプマークとその派生作品と登場順に関する雑考

スート、すなわちトランプマークを知らない人はいないと思う。

スペード：剣のこと、すなわち王侯貴族を示す。
ハート：聖杯のこと、すなわち聖職者を示す。
クラブ（僕が子供のころは『三つ葉』と教わった）：棍棒のこと、すなわち農民を表す。
ダイヤ：貨幣のこと、すなわち商人を表す。

おそらく西洋の封建文化に合わせていつの間にか出来上がったマークなのだろう。

さて、このスート、しばしばコードネームとしてよく使われる。
ヒーローしかり、ヒロインしかり、悪役しかり。
僕が思いつく限りでは、ジャッカー電撃隊から始まり、北斗の拳、仮面ライダー剣、ドキドキプリキュアといったところ。
ちょっとその登場順について雑考してみる。


ジャッカー電撃隊：ダイヤジャック・ハートクイーン・クローバーキング・スペードエース（少し遅れてジョーカー的存在のビッグワンが登場）
ビッグワン以外の4人は同時に改造手術を受けて変身能力を身につけているが、ポーカーで一番強い『エース』の名を関するスペードエースが初期のリーダーを務めていた。
4人は自然界の『4つの力（核力・電気力・磁力・重力）』をそれぞれ司どり、異なった強さを持つようだが、『スペードエース』はデッキ的に最高のランクを示しているから、自然とリーダーに選ばれたものと思われる。
（武器はダイヤジャックが剣、ハートクイーンが縦、クローバーキングがナックルグローブ、スペードエースが鞭兼弓）
前述したようにハートは本来は聖杯の意味だが、ハート＝女性的なイメージから紅一点のポジションに選ばれたようだ。
ダイヤ＝ジャック、クラブ＝キングとなった理由は不明だが（単なる偶然なのかどうか、以降の作品もダイヤが先でクラブが後に来る）、ジャック（兵士）がスピード、キング（王）がパワーを連想させるからか。
実際にダイヤジャックはスピードタイプ、クローバーキングはパワータイプの戦士だという。


北斗の拳：最初の強敵、KING（シン）の配下の四天王として、（以下は登場順）
スペード・ダイヤ・クラブ・ハートというコードネームを持つ敵が登場。（TV版はもう1人の幹部、ジョーカーが後になって現れる）
実力は最後のハートが頭一つ抜けており、あとは全員横並びと言ったところか。
（ちなみに武器はスペードがボウガン、ダイヤが棍棒、クラブがカギヅメ、ハートは武器なし）
少年漫画という側面からか、『剣』を意味するスペードが第一に登場したのだろう。（ちなみに、北斗の拳の名物である『悪党の断末魔』を最初に発するのは、原作ではこの人）
この作品もダイヤが先でクラブが後に登場しているが、特に意味はないようだ。クラブのカギヅメは、農民の『鍬』から発想したと思われるが、ダイヤが農民を表す棍棒を武器にしていた理由は不明。
最後に登場するハートは（最後に登場した理由は不明）、血の気が多く残虐な他の三幹部とは異なり、温厚で紳士的だが（ただし自身の血を見ると豹変する）、これもやはり、ハート＝女性的なイメージから設定されたのだろう。（TV版はそのためなのかどうか、かなりなよなよした口調になっている）


仮面ライダー剣：登場順に、ブレイド（スペード）・ギャレン（ダイヤ）・カリス（ハート）・レンゲル（クラブ）。物語のラスボスであるジョーカーはカリスと同一人物。
基本スペックはレンゲルが一番上、次いで元は怪人であるカリス、ギャレンは好調時と不調時の差が激しく、ブレイドと甲乙つけがたい。
ただしレンゲル以外はパワーアップを果たしているため、最終的にはレンゲルが最弱となる。
（武器はブレイドが剣、ギャレンが銃、カリスが弓、レンゲルが刃のついた棍棒）
男児向け作品であることを考慮して、『剣』を表すスペードを最初に登場させたと思わせる。（かつモチーフはカブトムシ）
ハートがモチーフであるカリスは登場が3番目（モチーフとなる昆虫はカマキリ）。ただし彼の場合、ライダーへの変身と人間態に戻るときの手段が他の3人と異なり、人間態に戻るうえでのキーカード『SPIRIT』がハート（心）という形で派生し、ハートがモチーフのライダー兼物語のキーパーソンになったと思われる。
この作品もダイヤが先でクラブが後に登場しているが、『カブトムシ』をモチーフにしているブレイドの対として、『クワガタムシ』が想定され、クワガタの顎に一番形状の近いダイヤが第2のライダーとして選ばれた可能性がある。
クラブが最後になったのは消去法だろう。


ドキドキプリキュア：登場順に、ソード（スペード）・ハート（ハート）・ダイヤモンド（ダイヤ）・ロゼッタ（クラブ）、少し遅れてジョーカー的存在のキュアエースが登場。
実力はエースを除いて全員横並びのよう。
（武器は全員弓）
ストーリー上はソードの方が先に登場しているが、誰が変身しているか判明するのは4番目。
女児向け作品という特性上、女性的なイメージがあるハートに主人公が選ばれるのは当然のこととして、気になるのはなぜ物語上はソードが先に動いていたか。
スペード＝剣＝戦士というイメージが自分の推測で、物語上先に活躍させる必要があったと考えられる。
例によってダイヤがクラブより先に登場する。この理由は最後までわからず。



一つ気になったのは、どの作品も、
『ダイヤが先で、クラブが後』
だということ（スペードとハートの順番は作品によってまちまち）。
この理由は改めて考えてみたいが、資料がろくすっぽないから、いつになるやら。