天龍源一郎・引退試合＠両国国技館

天龍源一郎、引退、お疲れ様でした！

引退試合を観て来ました。
自分のプロレスファン人生の中でも、最も長くトップレスラーで観てきた選手の１人だ。
天龍のデビュー戦からリアルタイムで観てきた。
バリバリの新日派であった俺は、デビューから数年のこの相撲上がりの垢抜けない…
相撲チョップという技にも失笑するくらい最初は期待していなかった。
しかしながら、天才中の天才だったジャンボ鶴田とは違い、一段一段、何かを掴むように
スケールアップしてゆき、何時の日か凄みのある選手に成長し、遂にプロレス界の頂点に
立ち、いつしか尊敬を込めてミスタープロレスと言われるまでに上り詰めた。
これ程にプロレスと言う言葉が似合う選手はいなかった。
相撲人生１３年、プロレス人生３９年。５０年余の格闘技人生だ。
その天龍源一郎が引退する。
相撲の聖地・両国国技館で。

先にチケットを買ってあったこともあるが、同日に行われた某イベントのDJをお断りするのは
忍びなかったが、これも許して欲しい。主催者はプロレスを理解してくれているので分かって
くれて良かったデス。

さて、この日は、非常に意外な相手が最後の相手となった。
引退試合はタッグマッチをと周りのスタッフが進める中、シングルを望む天龍。この時点で男だ
と思うけれど、彼が最後に選んだのは、長州でも武藤でもなく、新日本プロレス・現IWGP王者
のオカダカズチカだった。これだけで驚きだが、まあ、長くなるので割愛するが、経緯はそれ
なりの理由もあった訳だ。
今の天龍に現役バリバリの選手とシングルでどうなってしまうのか、オカダも当日はヒール扱いに１００％なってしまうのも覚悟でリングに上がってきた。難しい役回りでもあったろう。
プロレスとは相手を引き立てつつ自分を見せる特殊な格闘技ゆえに、難しかっただろう。
しかし、凄く良い試合となった。６５才の天龍は精一杯、昭和のプロレス…そして自分の
プロレスを貫いた。
往年の破壊力はないが、天龍チョップ、グーパンチ、延髄切り、WARスペシャル、顔面蹴り、
ラリアット、53歳、そしてパワーボムも全部繰り出した。
結果は負けた。しかし、すがすがしいものだった。
天龍は日ごろから、若い選手に対して、上から目線での接し方はしない男だった。良い点は
褒め、気になるところはアドヴァイスする、そんな人だった。
試合後、リングにダウンしている天龍にオカダは長い時間、最敬礼した。目頭が熱くなる瞬間
だった。
天龍は、同じ時代を生きた鶴田、長州、藤波とは何かが違う。
後輩（しかもトップレスラー）からもリスペクトされることが多いのもそうだし、リングでは過激で
はあったが自分に厳しいプロレスらしいプロレスでそれを貫いた。ファンはいつもそこに熱い
ものをいつも感じていたのだ。

試合当日は、天龍源一郎のテーマ曲「サンダーストーム」を、作曲者である高中正義による
ギター生演奏から始まった。
何かもうここで感動してしまっていたよ。予想外も予想外だったから。
各試合は、天龍さんゆかりのレスラーも多く、天龍の技やスタイルを見せるレスラーもいた。

両国国技館はこの日ソールドアウト。
１０５００人と発表された。
実際に凄い入ってたよ。
自分の左隣りにいた方は、この引退試合を見るために九州から来たと言っていた。

天龍、天龍さん、いや、天龍源一郎、今まで本当にありがとう！
プロレスをずっと好きで、今でも好きで、ずっと一緒に生きて来た多く多くののファンの中で、
こんなただの俺みたいな一ファンだって、そんな実感があるよ。
最後のセレモニーは、予想通り、スタン・ハンセンとテリー・ファンクが登場したが、皆があの
時代に戻っていた気がするよね。更に、天龍プロジェクトの社長であり、娘でもある嶋田紋奈に“父ちゃんの代わりに、たくさん来て下さったお客さんに、ひとこと感謝のお礼を言いなさい”と
いう照れたコメントにまた笑いながら泣いてしまうね。
そして、天龍の最後のコメント、
“皆さん、俺は本当に！ 腹いっぱいのプロレス人生でした。もうこれ以上、望むものは何も
ありません。ありがとうございました”
そして、間を空けてから、
“みんなありがとう！”
感動したよ。素直に。
３８年の歴史と激闘と、そして生き様があるから泣けるのよ。

彼は男気があるし、もう引退撤回なんていうことはないだろう。
病気の奥さんの為に生きる優しさにも素敵だし、これからも解説やインタビューや、プロレス界
の為に共に、ゆっくりと活動して下さい。

天龍革命は終焉した。

天龍プロジェクト最終戦であり、引退試合。両国国技館。
本当に行って良かった。
冒頭でも書いたけど、本当にお疲れ様でした！

そして、本当にありがとうございました！！！！！
PS.
会場ロビーには、天龍さんがの数々の試合で使ったものや、記念品が飾られていました。ガウン、リングシューズ、プロレス大賞のトロフィー等々…。