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2015年09月07日22:05

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【文字起こし】2015.9.5ラジオ・フォーラム第139回「小出裕章ジャーナル」【3号機の使用済み燃料プールについて】

原発を動かす合理的な理由は何一つないわけで、考えられるとすれば金しかないんですね。
こんな感じで↓
フォト

この写真は本間龍氏の著書『原発広告と地方紙』(亜紀書房)からの引用ですが、国や電力会社は大々的に原発推進のプロパガンダを行い、我々の支払った税金や電気料金が湯水のごとく使われてきた実態を暴いています。
http://www.akishobo.com/book/detail.html?id=706

合わせて、早川タダノリ氏の著書『原発ユートピア日本』(合同出版)もぜひどうぞ。
http://www.godo-shuppan.co.jp/products/detail.php?product_id=409



ラジオ・フォーラム第139回
http://www.rafjp.org/program/139/

小出裕章(元京大助教)非公式まとめ
http://hiroakikoide.wordpress.com/

京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ(小出氏が在職中に所属)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html

小出裕章氏講演会情報
http://healing-goods.info/koide/


【内容文字起こし】

パーソナリティ:湯浅誠(社会活動家)

湯浅:
 小出さんよろしくお願いします。

小出:
 はい。よろしくお願いします。

湯浅:
 えー、まあ、世間的には、再稼動問題一色ではありますが、あえて小出さんには別の話題をお伺いしたいということで、まずは、福島第一原発の話題から、ちょっとお伺いしたいんですが、

小出:
 はい。

湯浅:
 3号機の使用済み核燃料プールに落ちて、廃炉作業の支障になっていたという燃料取り扱い器。「(交換器)」って書いてあるんですけどね。

小出:
 そうですね。はい。

湯浅:
 8月2日に大型クレーンで引き上げて撤去されましたと。まあ東電は大きな一歩だと言っているということなんですけど、どういう・・・話なんですかね(笑)?

小出:
 はい(笑)。使用済み燃料というのは、まあ大変な危険物ですので、それを取り扱う、交換するとかいう時には、特殊な燃料交換機というのが必要になるし、福島第一原子力発電所の3号機にももちろんその交換機があったのです。

湯浅:
 あの、クレーンみたいなやつですか?

小出:
 えーとですね、えー(笑)、使用済み燃料を、その胴体の中に抱え込んで、移動させるというような装置でして、プールの底から吊り上げたりしなければいけませんので、もちろんクレーンもあるのですが、放射線も遮蔽しなければいけないという非常に特殊な装置なのです。で・・・重さが20トンを超えるような巨大な装置だったのですが、それが、2011年3月14日だったですかね?3号機が爆発したのは。

湯浅:
 はい、はい。

小出:
 え・・・その時に、もうボロボロに壊れてしまいまして、プールの中に落っこちてしまっていたのです。で・・・それをとにかく取りださないことには、プールの底に眠っている使用済み燃料を掴み出すこともできませんので、何とか退けたいと、東京電力が苦闘してきたわけです。ただし、3号機・・・というのは、皆さんご記憶かもしれませんけど非常に巨大な爆発が起きてですね、使用済み燃料プールが埋め込まれているフロアがもうボロボロに破壊されてしまっているし、放射性物質でベタベタに汚れてしまっているのです。

 ですから、人間が近付いてゆっくり作業するとかいうようなこともできませんで、プールの底に落ちていたものは、今回の燃料交換機も含めて、遠隔操作の重機を使って、取り出さなければいけないという大変な作業だったのです。まあ、たくさんの瓦礫が崩れ落ちていたわけですけれども、まあとりあえず、燃料交換器、巨大なものは、今回退けたということで、まあ大きな一歩と言えば確かにそうだとは思いますけれども、まだまだこれから先にたくさんの困難が待ち構えているという状態です。

 これから、まあ他の瓦礫も撤去しなければいけませんし、環境の除染というか、今ベタベタに汚れている汚染を少しでも減らさない限りは、燃料の交換が出来ないという、そういう状態なのです。壊れてしまった燃料交換器を新たに据え付けなければいけませんし、え・・・燃料を移動するためのキャスクという、重さが100トンにも及ぶような物もまた設置して・・・移動させなければいけないので、大型のクレーンも設置させなければいけない。そんなことをやろうと思えば、頑丈な建物をまた改めて作らなければいけないというような作業が、ずーっと続くわけです。

 ですから東京電力の予定によっても、使用済み燃料の交換作業に入れるのは、2018年になってからということで、まだ2年も3年も先になるだろうと、東京電力自身が言っているわけです。たぶんそんなに早くできないだろうと私は思いますし、その間にももちろん被曝作業が続いて、様々なトラブルも出てくるんだろうなと思います。


湯浅:
 まあ確かに3号機の爆発ってね、何か爆弾が落ちたみたいな、大きな爆発でしたからねえ。

小出:
 はい。そうでした。

湯浅:
 うーん、なるほど。そしてもう一つ、今日伺いたいのはですね、

小出:
 はい。

湯浅:
 活断層が宣告されても、廃炉が廃炉が進んでませんねっていう・・・まあそういうことなんですが、まあ再稼動が、ガンガン進んでる割には・・・だからって言うのかな、廃炉はあまり進んでいませんと。で、原子力規制委員会の審査では、北陸電力の志賀原発。それから日本原子力発電の敦賀原発、東北電力の東通原発については、まあそれぞれ直下に活断層があるということで、まあ言わば、アウトだと、いうことを宣告しているんですが、廃炉の決定には至っていないと。

小出:
 はい。もともと、え・・・志賀原発にしても、敦賀原発にしても、東通原発にしても、原子力安全委員会という委員会が、活断層は無い、大丈夫だと言って許可を与えたわけです。福島の事故が起きてから、原子力規制委員会に代わって、まあ委員、あるいは専門委員会で、活断層のことを審査する委員会などが別にできているわけですけれども、そういう委員会に参加した新たな委員たちは、今度は活断層だという宣告をしたわけですね。でも、そのことを逆に言うと、委員会の委員が代わってしまうと、今度は活断層でないと認めてしまう場合も有り得る。そうなると、電力会社としては、とにかく委員会の委員のメンバーをすげ替えて、原子力発電所に好意的な・・・学者というか専門家をですね、どんどん集めて、それで審査をすれば、いずれは活断層でないと認めてもらえるはずだと、踏んでると私は思いますし、時間をかけて抵抗しながら、情勢をひっくり返すということを狙っているんだと思います。

湯浅:
 活断層っていうのは、何か、あると言えばあるし無いと言えば無いしみたいな、そんな・・・分かりにくいものなんですか?

小出:
 えーと、要するに・・・地下のことですので、調査すること自身が難しいですし、例えば、志賀原発なんかは海の底に活断層がある・無いというような話をしているわけです。ですから、歩いて行ってそこに活断層があるか見たりすることができないわけですから、え・・・議論は様々、複雑なことになってしまっていて、昔は活断層でないという判定だったわけですけれども、今は活断層だという判定になっている。で・・・原子力を進めたいと思っている学者たちももちろんいるわけですし、そういう学者たちを集めて来さえすれば、判断をひっくり返すことはできるという、そういうものなわけです。

湯浅:
 そうするとまあ、科学的な話のように見えて、政治的なことなんだっていうことですね。

小出:
 はい。もともと、大変政治的なことなのです。原子力発電所の安全審査というのは、どういう委員を集めるかということでも、結論がひっくり返ってしまうということもあるわけですから、言ってみれば政治的な判断だということになると思います。

湯浅:
 はい。ありがとうございました。

小出:
 はい。ありがとうございました。

【文字起こし終了】


■官邸前の脱原発デモ、拡大の軌跡 小熊英二さんが映画化
(朝日新聞デジタル - 09月07日 18:17)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3604148
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