ブロムシュテットさん指揮のドレスデン国立歌劇場管弦楽団の演奏で、ベートーヴェンの交響曲を聴くのは至福の楽しみです。
第9をハイレゾウォークマンに入れて、聴いています。
ブロムシュテットさんのいいところは、テンポがとてもいいのです。
数あるベートーヴェンの演奏の中で、最優秀かもしれません。
指揮者も人間ですから、先生のところに行って、弟子になって、指揮を教わるのです。
ブロムシュテットさんは、マルケヴィッチさんという名指揮者の弟子になったようです。
日本人では高関健?さんがマルケヴィッチさんの弟子です。
マルケヴィッチさんはストラヴィンスキーの「春の祭典」が超難曲だった時代に、あっというほど見事な演奏を繰り広げた人で、リズム感と曲の正しいテンポの感覚に優れていたようです。
その人を師匠に選んだブロムシュテットさんの演奏はテンポが抜群に良く、これがベートーヴェンなんだと納得させる素晴らしい演奏です。
ブロムシュテットさんのベートーヴェンで一番の名演は第6番「田園」です。
ここでの、ブロムシュテットさんのテンポの良さは、聴いていて、限りなくα波を発生することになる名演です。
限りなくのどかな気分になるのです。
あと、第5番の演奏も、冒頭の「ダダダダーン」という音を聴いて、これが最良の演奏だと身震いがするくらいです。
フルトヴェングラーもカラヤンもバーンスタインもクーベリックさんも、ブロムシュテットさんより厳しさが足りないように感じます。
注意が足りないように感じるのです。
一つには、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団は、当時世界最古のオーケストラであり、東ドイツの至宝みたいなところでしたので、ドイツ・オーストリア系の音楽に向いた響きを保持していました。
そのオーケストラが自分たちのベートーヴェンの交響曲全集を録音することにしたとき、指揮者を誰にするかを、真剣に考えないわけがないのです。
カラヤンはオペラを一番得意にしていて、そのカラヤンがワーグナーの歌劇「ニュルンベルグのマイスタージンガー」を録音するとき、ベルリン・フィルもウィーン・フィルも使わずに、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団を使ったのです。
そして、この「マイスタージンガー」がカラヤンの録音の中で、最高と評価する人が多いです。
ドレスデン国立歌劇場管弦楽団とベートーヴェンの交響曲全集が作れると打診されて、やりたいと思わない指揮者はいないでしょう。
ただ、レコード会社の契約の関係があり、東ドイツのオーケストラと録音するのは、西側の名指揮者は難しいのでしょう。
「マイスタージンガー」は帝王カラヤンが是非と強く希望して、実現させたものです。
レコード会社も逆らえません。
ブロムシュテットさんは運が良かったのでしょう。
選ばれるだけの実力があり、かつ西側のレコード会社との専属契約を結ぶ前だったので、オファーを受けられたのです。
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