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2010年01月08日23:57

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「文系・大卒・30歳以上」がリストラされるのは仕方がない

「文系・大卒・30歳以上」がクビに――ベストセラーの著者に聞く2010年労働事情
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1072184&media_id=40

「文系・大卒・30歳以上」といえば、僕も該当する。尤も年齢は大幅に超過しているが。

給料の対価として企業に対して具体的な付加価値を提供できるかどうかで評価されるとすれば、「文系」というのはとりたてて「専門性」もない人間が多いし、大学時代に勉強していないから知的鍛練という点でも不十分であることが多い。リストラされても仕方ないかなと思わず納得してしまう自分が悲しい。

昔から日本企業というのは、終身雇用を前提に、若いうちは安月給で奴隷のようにこき使われても、若い頃の「給料不払い部分」は中高年になってから「返して」もらえるという暗黙の了解に基づき、若年層の不平不満を抑え込んでいたようなところがある。いわば若い頃の貯金を年を取ってから取り崩しているといってもよい。
ところが企業に余裕がなくなり、「貯金」を返す前にクビにするということであれば、若い頃から働きに見合った応分の処遇をしないことには、若者を企業が不当に搾取することになってしまう。これではフェアとはいえないし、企業サイドの「オイシイところ取り」になってしまう。

企業も個人も、従来のような長期のスパンではなくて、短期的な実績で評価されるようになるのが(これも米国の流儀に似てきているのだが)、今の世の流れということになるのだろうが、そうであれば、企業も新卒の新人が入社したときからきちんと働きぶりを査定して、働きに応じてケチケチせずに払うべきものを払う必要がある。
でもこういうやり方が本当に企業と個人と両方にとってメリットがあるのかどうかはよく考えてみるべきだろう。
人間の能力なんか若い頃の短期的な評価だけで本当に判断できるかどうかよくわからないところがあるし、若い頃にあまりぱっとしない奴を全部クビにしていたら、短期的な「瞬発力」とか要領のみ長けたような人材ばかり残ってしまう危険性がある。いわゆる「大器晩成型」の人材は30歳になる前にぜんぶ淘汰されてしまうだろう。

欧米企業でも終身雇用とまではいわないまでも、長期的な雇用契約を前提に人材育成を行なっているところは少なくない。GEのような老舗企業にそういう会社が多いという話を聞いたことがある。
各々の会社の「コア・コンピタンス」を担うような人材は一朝一夕には育たず、計画的に長い目で育成する必要がある。人材は一番カネのかかる設備投資のようなものであり、高価な投資である以上、あまりバタバタせずに腹を括って長期間かけて回収する覚悟が企業にも必要だろう。

一方で雇われる側としては、従来よりも、「自分がどんなスキルや強みで勝負するつもりなのか」について意識的にならざるを得ない。
いずれにせよ企業サイドも切羽詰まって来ているのは間違いない以上、単に「ぶら下がって」いるような人材を雇っておく余裕は到底ないと考えるべきであろう。
そういう意味で、勝負する材料が具体的にない「文系」はやっぱり不利なのだろうという気がするし、文系でも切り捨てられないようになるためには、自分が勝負するための武器を揃える必要がある。
それはもしかしたら、(よくいわれるように)「英語」「会計」「IT」の三種の神器なのかも知れないし、もしかしたら「数学力」(文系は苦手な人が多いが)であったり、「リーガル・マインド」だったりするかも知れない。それぞれ自分の強み弱みを分析しながら考えないといけないのだろう。

僕はもう現役第一線である時間がだんだんと残り少なくなってきているが、今の若い人は本当にタイヘンだというべきか、若い頃から正当に評価されるチャンスが多くて羨ましいというべきか、判断が難しい時代であることは間違いない。

文系だからといって大学に入った途端に4年間遊び呆けていられる時代ではないということだろう。
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