映画『チャンプ』を観た。
(1979年 米 監督:フランコ・ゼフィレッリ
出演:ジョン・ヴォイト フェイ・ダナウェイ リッキー・シュローダー)
競馬場の厩務員として働く、元ボクサーのビリー(ジョン・ヴォイト)と父がチャンピオンに
返り咲く日を夢見る彼の息子、T・J(リッキー・シュローダー)の親子の愛情を描いた物語。
そこに、T・Jが幼いころに家出した、ビリーの元妻アニー(フェイ・ダナウェイ)がからんでいく。
『チャンプ』という題名からして、ボクシングの話なのかと思いきや、物語は競馬場の厩舎の中で
進められていく。これって、競馬の話やろか?と思ってしまうほど。
まず、映像がとても美しい。劇場の大画面で観たら、どんなに奇麗だっただろうと思う。
まー、何といってもリッキー坊やは上手い! 上手すぎて鼻につく、わざとらしいという意見も
あるけど、この子は理屈抜きにスゴイと思う。 可愛い。 素直。 愛らしい。 きゃーっ!!
ジョン・ヴォイトも、今ではすっかりお年を召したけれど、この時はマッチョでとっても若かった。
酒にギャンブルでダメダメ親父だけど、息子に対する愛情は溢れんばかりでカッコイイ。
んー、でも、やっぱアンジェリーナ・ジョリー(ジョン・ヴォイト実の娘)って、父親の面影がある
よなって思ってしまうのは私だけ?
それからこの作品の中のフェイ・ダナウェイは際立って美しい。笑顔は本当に華やかなんだ
けど、その笑顔がふと消えたときの表情がとても哀しげで、少し怖くて女性の強さと弱さを
感じた。彼女は実生活で結婚はしていたけれど、欲しかったのに子どもがなく、そんなことも
影響して彼女のアニー像が出来上がったのかな…。
後半、展開が読めてしまう。 だけどわかっていても涙が止まらなくなってしまうのは何なんだ?
T・Jの、父親に対するまっすぐな心が胸を打つ。息子に応えようとする父親の想いに、思わず
エールを贈ってしまうのだ。
素直な気持ちで観るとT・Jが私たちが忘れてしまった何かをプレゼントしてくれるかもしれない。
そんな作品、かな。
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