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2024年03月24日08:50

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【戦争の作り方と免疫を作ること】

Chihiro Sato-Schuh
1日 ·
【戦争の作り方と免疫を作ること】
ウクライナの諜報部でテロ防止の仕事をしていたワシリー・プロソロフという人は、2014年にマイダン革命が起こってから、ロシアの諜報機関で働き始めた。マイダン革命は不法なクーデターだったから、そんなものに加担したくなかったのだろう。
事実、マイダン革命は、暴力的な政権乗っ取りだった。ウクライナ国民の意志などではなかった。人々はEU加盟を主張して平和的なデモを行なっていたのだけれど、そこに過激派グループが加わって、火炎瓶が飛び交う状態となり、多数の死傷者が出た。その過激派グループが、議会を乗っ取って、政権を取ってしまったのだ。
2014年にウクライナ諜報部の司令でドンバスのマリウポリに行ったとき、ウクライナ兵たちが、ヘルメットなどにハーケンクロイツをつけているのを、初めて見たとプロソロフは言っていた。それまではウクライナでも、ナチのシンボルをつけるなど、あり得ないことだった。マイダン革命のときに、アゾフやネプルと呼ばれる地方の警察隊のようなグループが、ウクライナ軍に加わった。このグループは、実のところはアメリカ政府が組織して武装させていた過激派グループで、若い子たちにナチを英雄のように思わせて洗脳していたのだ。
この過激派グループが、2014年の終わりには、ウクライナ軍に正式に編入された。そして、ウクライナ軍全体がネオナチになってしまったのだと、プロソロフは言っていた。
ドンバスの人々がマイダン革命に抗議して独立宣言する中で、ウクライナ軍はドンバスを無差別攻撃するようになり、ドンバス以外の西部ウクライナの人々は、次第に洗脳されていった。子供たちが学校で使う本の内容が、すべて戦争プロパガンダのようになっていき、3歳から成人の年にいたるまで、子供たちが読むあらゆる本、児童書、絵本、コミックスまで、そういった内容のものが、何百万部という単位で作られ、学校の課題図書になったのだそうだ。
その内容は、まったくの作り話といったものだった。NATOについての5歳児用に作られた本では、NATOは貧しい国々に食料生産を助けたり、環境破壊を防いだり、サイバー戦を防いだりするすばらしい組織だといったことが語られていき、最後に女の子が「NATOこそは、私たちが豊かになる道なのね」と言う。もちろんそこには、1999年にNATOがユーゴスラビアで都市を爆撃したことや、2011年にリビアで同じことをしたことも、それがヨーロッパに深刻な移民問題を引き起こしたことなどは、一言も語られていない。
そしてまた、歴史について、これまで一般に言われていたこととは、実は真実は違う、というような説が、大量に出版され、学校の副読本として使われるようになったそうだ。それには、あらゆる世界的な発明は、実はウクライナ人がなしとげたのだ、というようなことがまことしやかに書いてある。たとえば、ロシアの飛行機技術者のイゴール・シコルスキーは、当時キエフに住んでいたというので、ウクライナ人だということになっている。その時代には、ウクライナという国はそもそも存在していなかったのにだ。単にロシア帝国の一部であるにすぎなかったし、ウクライナ人という別の民族がいたわけでもない。
そればかりか、ピラミッドまでウクライナ人が作ったことになっていたり、イエス・キリストは実はウクライナ人だったとさえ言っているそうだ。それというのも、イエスはガリラヤの生まれだけれど、実はこのガリラヤというのは、西部ウクライナを指すガリチアのことだ、というのだ。まったくのこじつけといったものなのだけれど、しかし、そうした本が学校で使われて、博士論文を書く人さえいるという。
いかに根拠のないこじつけでも、皆が同じことを言うようにしてしまえば、多くの人は真実であるかのように思い込むのだ。こうしたことも、アメリカ政府やグローバル資本が資金を出してやらせているのだろうけれど、その結果、10年経った今、ウクライナの若い子たちは、すっかり軍国主義化して、ロシア人を反射的に憎むようにされてしまっている。
こうした、実は真実は違う、というような話として、とりわけひどいのは、第二次世界大戦のときのナチの戦争犯罪者やナチの協力者たちを、英雄として語っていることだと、プロソロフは言う。ウクライナのバンデラは、ナチに協力して、ユダヤ人やポーランド人、ロシア人を大量虐殺していた戦争犯罪者なのに、ウクライナ解放軍の英雄であるとされている。そうした本で「ウクライナ解放軍」とされているのは、実はSSガリチア部隊のことで、これは民間人を大量虐殺していたナチの部隊だ。しかし、そうした本では、もちろんそんなことは一つも書いていなくて、ウクライナを解放するために戦っていた英雄だったことになっている。
アゾフの若い子たちのほとんどが、ナチの入れ墨をしているのにも驚かされる、とプロソロフは言っていた。ハーケンクロイツなどはまだかわいい方で、背中いっぱいにナチの鷲のシンボルを入れていたり、ヒトラーの肖像を入れていたりする。ヒトラーもナチも、英雄として教え込まれているのだ。だから、この子たちは隠しもしないで、入れ墨の写真を撮り合って、SNSにアップしている。
ワシリー・プロソロフは、2018年にロシアに移住して、それ以降はジャーナリストとして活動しているそうだ。ロシア在住のドイツ人ジャーナリスト、トーマス・レーパーが、半時間ほどのインタビューを行なって、ドイツ語吹き替え版を公開したおかげで、こうしたウクライナの内情を知ることができる。
戦争は作られるという話があるけれど、人々を戦争に駆り立てるのは、いつも同じやり方のようだ。特別に優秀な民族なのだという話をでっち上げて、人種差別主義者にさせ、過去の戦争犯罪者を民族解放の英雄に仕立て上げる。そして、民族解放のための正義の戦いをするべきだと思わせるのだ。同じことを、ヒトラー政権下のドイツでもやっていたし、大日本帝国の日本でもやっていた。そして今でもやっている。そして多くの人は、同じ手にまた騙されてしまうのだ。
しかしともかく、今はこうやって、内情を告発する人がいて、インターネットを使って世界中に発信する人がいる。まったく騙されてしまう人が大勢いる中で、それが意図的に仕組まれた工作であることを知っている人もまた、少なくはない。世界が同じ手に騙されないようになるには、免疫ができるしかないのだろう。それは、危険な策略に気づいて、対抗処置を取れるようになることだ。
ともかくも、西側諸国以外の世界中の多くの国は、免疫のようなものができているようだし、西側諸国のメディア工作のさなかでも、免疫がある人もいる。世界中がBRICSの方へ行こうとしているのを見ると、世界的な規模では、集団免疫のようなものができつつあるようだ。こんな風に戦争が作られ続ける状態など、自然なことではないのだから、いつかは終わりが来るはずだ。そのために私たちは、免疫を作るべく努めていればいいのだと思う
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