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2023年04月04日18:22

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【ネタバレあり】アクションってなんだ?

※この記事は「シン・仮面ライダー」のネタバレを含んでいます。さらに庵野監督やアクション監督に対して批判的とも取れる文章になってしまうかもしれませんが、私としては批判する意図は毛頭なく「そのような考えもあるのか」ということで、思ったこと考えたことを綴ってまいります。何よりも「シン・仮面ライダー」は面白かったと思っている人間ですので、庵野監督には感謝しています。

はい、自分を守るための前置きという名の言い訳を書いたところで(^_^、NHKBSで放送されたシン・仮面ライダーのドキュメントを見ました。地上波でも15日に放送されるので、ドキュメントのネタバレも見たくないよ〜という方はここでお別れとなります。





このドキュメントは、朝ドラにも出演する浜辺美波ちゃんの宣伝的な意味もあっての番組なんだろうなと思っていて、役者さんのメイキングと、庵野監督のこだわりと、アクションのすごさみたいなものをバランスよく見せてくれるんだろうと思っていました。

実際はまったく違っていて、番組の大半を庵野監督がどのようなアクションを見せたいかということをスタッフ・キャストと葛藤しながら作り上げていく様を描いた、非常に硬派な内容でした。ここまで重いものだとは思いませんでした。

まず庵野監督がおっしゃっていたのは、自分(つまり庵野監督)の思い通りに演じて欲しくないということでした。自分の思い通りに作りたいならアニメでいい。実写は役者が演じるから意味があるとおっしゃっていて、なるほどなと思いました。

私はアニメも好きですが、同時にアニメには負けたくないという気持ちもとても強いです。人間が演じていることの素晴らしさ、創意工夫が詰まっているのが実写特撮だと思っているんですが、どう頑張ってもアニメには勝てなくて、その理由はアニメはどんな世界でも表現できて不可能はないんですよね。逆に特撮は限界がある。この大きな差に忸怩たる思いがあるんですが、庵野監督は明確に実写の良さを話してくださったので、特撮には特撮の良さを突き詰めればいいんだなと思いました。

アクション部分はアクション監督さん(お名前失念…すみません)が作っていくんですが、監督はアクションに納得いかないんですよね。当たり前ですがアクションって組手なので、こうきたらこう、そしてこうきたらこっち、みたいな段取りがあるのが見えてしまうのが嫌だとおっしゃるんですね。そしてワイヤーアクションも物理法則と反してるから使わないと。人間が戦っているんだからというんですが、人間ではない動きが欲しいともおっしゃっていて、大きな矛盾があるんですよね。矛盾があることは監督もわかっていて、だからこそ葛藤するんですよね。

段取りを重視しないアクションをアクション監督は作ろうとするんですが、この映画はほぼスタントマンを使ってないそうなんですね。私はそれには驚きました。池松さんが仮面ライダーのアクションもやっているので、怪我をしては困るんですよね。だから段取りを重視しないのは危険なんですよ。実際怪我されましたし。そしてここも葛藤なんですよね。

最大の葛藤がラストのチョウオーグとの戦い。ここはもう段取りなしで、俳優の3人で考えてアクションしてくれ、と監督がいうんですね。いわゆる殺陣はいらないと。マーベルを見ている人たちも納得させるすごいアクションを作るには今まで通りじゃダメだということなんですね。ここでの庵野監督とアクション監督の違いに譲れない思いみたいなのがすごかったですね。結局途中までは殺陣をつけてということになったんですが、殺陣のないアクションって実際どうなのでしょうね。

宮内洋さんがV3に決まった時、過去の特撮を見てアクションの勉強しようと思ったそうなんですが、実際に見たら「なんだこのアクション。俺の方がもっとすごいアクションができる」と思ったそうです。

で、実際V3で宮内さんが思うすごいアクションをやったそうですが、全然カメラ映えしなかったそうです。そこで宮内さんは、魅せるアクションという分野があるんだなと思ったそうです。

一時期総合格闘技って流行りましたよね。プロレスではなくガチの戦い。わたしもテレビで試合を見たことがありますが、全然面白くないんですよね。ただ寝っ転がってジタバタしたり動かなかったり。そしてプロレスはお客さんを楽しませるために色々考えているスポーツなんだと思いました。

本気の戦いのように見せるアクション、感情むき出しのアクションって見栄えしないんですよね。正直、チョウオーグとの戦いの記憶は、森山さんがコンテンポラリーダンスでしたか、独特のダンスの動きをしてたなぁくらいなんですよね。それよりもクモオーグとか、コウモリオーグ戦の方が印象が強いです。

庵野監督が目指したアクションが成功したかどうかは分からないですし、わたしの印象に残らなかっただけかもしれませんが、何よりも新しいものを生み出すって大変だなと思いましたし、これまで積み上げてきた特撮アクションの素晴らしさも感じることができました。
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