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2022年12月14日20:49

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自宅で観た映画(人間の証明、蘇える金狼、野獣死すべし)

今回は角川映画で松田優作が主演した3本レビュー。

12/9(金)
「人間の証明」(1977年)
主演 松田優作 岡田茉莉子
監督 佐藤純彌 
Amazonプライムで鑑賞。
東京のホテルで有名女性デザイナーによるファッションショーが開かれてる中、
エレベーター内でニューヨークから来た黒人青年が刺されて死亡する。
その事件解明のために1人の刑事は、黒人青年の出生の秘密を調べるためにニューヨークへ行く。
有名な日本映画だけど未見。
公開当時は、やたら劇場での予告編やTVCMで見たのは覚えてたけど、内容に関したら全く知らずでの初鑑賞。
推理小説が原作の映画化なんだけど、正直、犯人が誰なのかがもう前半で分かってしまった。
前半で、松田優作演じる主人公刑事が戦後の少年時代に進駐軍の米兵に父親が暴行死されるシーンなどを挟み、大方で中盤はこんな結末だろうなぁ?と思ったら殆どその通りだった。
この映画、どうもツッコミ所というか登場人物の関係が、こうも偶然の偶然過ぎる関係があったというのが、あまりにも不自然に思ってしまった。
本題の殺人事件と別に、女性デザイナーの馬鹿息子が轢き逃げ死体遺棄でニューヨークへ逃亡して、そこで上手い具合に本題と繋がるのも都合が良すぎる。
別に轢き逃げ事件もいらんだろうし、轢き逃げされた女性の夫と不倫相手のドラマも意味が無いほど無駄の無駄。
「僕の麦わら帽子はどこに行ったんでしょうね」は当時は流行語になったくらいだし、
被害者青年を演じたジョー山中の主題歌も凄く良い曲で知ってはいたけど、
いざ、本編を見たら意外とガッカリな内容な印象だった。
それと松田優作がニューヨークで共に捜査する刑事が、様々なアメリカ映画でよく拝見するジョージ・ケネディが演じている。

12/12(月)
「蘇える金狼」(1979年)
主演 松田優作 風吹ジュン 
監督 村川透 
Amazonプライムで鑑賞。
表の顔は東和油脂の経理部のうだつの上がらない平社員だが、
裏では東和油脂を乗っ取ろうと企む恐ろしい男だった。
昔、テレビで見た事はあるが再見はしておらず何十年ぶりかの鑑賞。
今回、松田優作特集をしようと思ったのも、現在刑事ドラマの「大都会 PARTII」を全話鑑賞中で、そこで優作さんが刑事役で出てるのもあって思い出したように見た訳である。
監督がその「大都会 PARTII」も手掛けてる村川透で、
やはり優作さんと他でも何度も組んでるだけに、彼の魅力を一番引き出せるのは村川監督だと改めて思った。
表は七三分け(実はヅラ)で到底出世が無理そうなダメ平社員だけど、
実は…舐めてた相手がトンデモナイ男だった!
このギャップ感が面白い。
どこかサイコパスなワルを演じる松田優作の演技が最高で、勿論銃撃戦などアクションシーンも面白い。
後半は自らボクシングをやっていて実は強い事を売りに、会社の殺し屋稼業を引き受けるという、話展開的には「そんな無茶な?」とは思うけど、これが意外と意表突いた展開で面白いし、表向きは平社員だった主人公と社長や重役たちの立場逆転展開は笑っちゃうほど面白い。
結局はこの男は、金や出世が目的ではないように思う。
ある種のゲームのように楽しんでるような不気味さも感じさせる優作の魅力が出た作品だった。

12/13(火)
「野獣死すべし」(1980年)
主演 松田優作 小林麻美 鹿賀丈史 
監督 村川透 
Amazonプライムで鑑賞。
ある夜、警部補を刺殺して拳銃を奪った男は、その拳銃で違法賭博場へ乗り込み、数人を射殺して大金を強奪する。
その男は普段はクラシック音楽を愛聴するインテリ青年。
次は銀行強盗を計画するために、もう一人相棒が必要だとある男を誘って犯行に及ぶ。
前作の「蘇える金狼」でのキャラから更にサイコパスな部分を強調した松田優作の異常演技が全編冴えわたる凄い作品だった。
こちらも、昔テレビで一度拝見して以来の鑑賞だが、あの銀行強盗シーンと列車内での室田日出夫演じる刑事との駆け引きが印象に覚えていて、再見するとやはりそのシーンが鮮烈に蘇るほどだった。
優作の見るからにサイコパス演技が完全にいっちゃってる。
目がうつろで瞬きをしないのがサイコパスの特徴でもある。
銀行強盗をするために、鹿賀丈史演じるサイコパスの気がある男を勧誘するシーンもまたゾクゾクする。
完全に感情を捨てることで完全犯罪が出来るという主人公の異常な美学が、また恐ろしい。
優作に思いを寄せる小林麻美演じるヒロインが、たまたま銀行強盗の現場にいて、
そこで彼女にある種の感情を出してしまいそうになるが、それを押し殺すために彼女を射殺するシーンはこれまた恐ろしい。
今回見た3本の中では、この本作が飛び抜けた感も強かった面白さだった。
また、松田優作と村川透監督による他の作品もまたレビューしたい。
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