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2022年03月17日23:01

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重巡洋艦「伊吹」を作ります。その1

 今回の日記は重巡「伊吹」を作ります。
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 二年前にフジミから発売された際、某ホビー通販大手のブログ新製品レビュー用に書いたものですが、コロナ禍の混乱でボツに。
 数日前、伊吹のネット記事で検証無しに昔の記事を孫引きしただけの間違いだらけの酷いもの(或いはWikipediaのコピペ再編集?)を見かけたので、ここにお蔵入り記事を掲載して陽の目を見たいと思います。
 立場上、苦しい表現等がありますが、棒読みでお楽しみ頂けたらと思いますわーい(嬉しい顔)

 以下、
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 今回は「フジミ 1/700 日本海軍重巡洋艦 伊吹」を作ります。
 アレッ、前にも作らなかったっけ?、と思ったアナタ、それはタミヤの「空母いぶき」です。
https://ameblo.jp/digitamin/entry-12437508942.html
https://ameblo.jp/digitamin/entry-12437511247.html
(改竄されてない未編集記事は日記に。前編https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1970377072&owner_id=1602714。後編https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1970377213&owner_id=1602714

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 実際の重巡の伊吹は建造途中で空母に改装され完成前に敗戦を迎えています。
 二度ある事は三度ある、「空母伊吹」のキットが発売されたらまた作例を作る事に成りそうですね。

 箱の横にはミニパッケージを作れるオマケ印刷があって面白いです。
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 箱やパーツの袋はガンプラを見慣れた目には珍しいステップラー(俗にいうホチキス)留めがされていて、昭和なプラモな感じです。

 船体パーツは基本的に「鈴谷」のものです。
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 (T)や(X)ランナーは鈴谷との相違点を新たに起こした「伊吹」専用パーツです。
 双眼鏡や通風筒などボーナスパーツも多数付属します。
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 一方で、基本部分は鈴谷・最上のランナーを転用している為、不要パーツがもの凄い数に成ります。が、役に立つ部品が多いので捨てないで次作やスクラッチビルドなどに活かすと良いと思います。

 初回生産限定特典、2ピース分割+防弾板機銃。が、残念ながら初版は予約分のみで売り切れてしまいました。
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 艦載機は「瑞雲」が4機付属します。
 他のランナー写真は省略しました。

 そして今回最初のうんちく横丁。
 日本海軍では艦艇に搭載して運用する航空機のうち、フロートの付いた水上機や飛行艇を「艦載機」、甲板から発着艦する車輪の付いた機体を「艦上機」と呼んでいました。なので「空母艦載機」と言えば厳密には空母艦尾格納庫端シャッターなどから出し入れして運用する筈だった水上機の事を指します。

 さて、海軍の二代目「伊吹」は重巡としても空母としても実際には完成しなかったので、「空母いぶき」同様にスケール物ながら架空の模型と成ります。
 これをフジミ社が正しい考証に基づいて実際完成したらこう成るとキット化したものです。組み立て説明書にも考証文が満載で勉強になりますね。
 戦車や軍用機では計画や試作で終わったものがプラモデル化されるのは現在では珍しくありませんが、軍艦では余り例が無いのではないでしょうか。

 とはいえ、そのまま組み立てても面白く無いと思いました。
 睦月の時に書いた通りhttps://ameblo.jp/digitamin/entry-12448895860.html、モデラー100人居れば100通りの方法論という事で「オレ伊吹」にする事にしました。
 作風も今一番流行っている「エッチングの手摺を付け、空中線を張り、カッターを固縛する事のみに固執する。テクニックを見せる為の造形であって実艦がどうだったかは考えない」という清々しい製作方法論とは正反対に「スケール感や美的シルエットを壊すゴテゴテとした見るからに作ってありますね凄いですねというオーバーな工作はしない。一方で考察は徹底的に活かす」という万人受けしない闇の工作で行きたいと思います。

 まずその前に、戦艦や巡洋艦とは何か?を確認しておきます。
 スケール物を作るに当たって実物の世界観を頭に入れておく事は大事だと思うのです。
 即ち「戦闘時には大砲を以って出来るだけ正確で効果的な攻撃を可能とする。一方敵の攻撃に対し相応に防御して戦闘力を維持する。その為の海上移動可能な物体」です。
 巡洋艦の任務は平時の外交・測量・科学探検調査から戦闘時には雷撃まで様々ですが、基本はこの砲撃戦時を中心に想定して設計が為されてます。

 「伊吹」は1941年末に重巡洋艦勢力の戦力補充を早急に行う目的で計画された同型2艦のうちの1隻です。
 開発期間を節約する為に新規設計とせずに、最上型を改良した鈴谷の設計を転用した改鈴谷型重巡です。流行ゲーム風に言えば「最上型改二」でしょうか。
 もし時間的予算的余裕があるならば、軍縮条約が失効しているので1万トン8インチ砲ルールに縛られる必要は無く、重巡は主砲30cm(12インチ)又は25cm(10インチ)で連装砲塔4基か3連装3基の超甲巡へと進化というか装甲巡洋艦へと回帰、軽巡は15.5cm3連装3基装備タイプの万能汎用艦へと進化していた筈です。丁度、軽装甲巡洋艦が「古鷹型」へと強化進化したブレイクスルーのように。船形的にも旧来型を脱却してバルバスバウや日本式トランサムスターンの採用と成ったであろう事が戦後東大(本郷)に残された水槽試験模型から推察されます。
 実際は新規設計開発の余裕は無かった為に条約型巡洋艦の完成形と言える改最上型、即ち鈴谷の図面を転用する事と成りますが、とはいえ科学・技術が日進月歩している上、要求される運用法も変わる時勢ですからそのまま100%同じという事もありません。
 因みに、第一砲塔と第二砲塔の間隔を開けて第二砲塔の砲身が水平に成るように設計変更された、と書かれている書物がチラホラありますが間違いです。主砲や装甲防御部、即ちバイタルパートは先に書いた通り艦構成要素の根幹に関わる事であり、ここを変更する事は強度重量計算等を一からやり直さねば成らず、設計転用の範疇を超えてしまいます。
 「複数の本に同じ事が書かれてるから信憑性が高い」という判断は早計で、元は同じ一つのネタをライター達が何の疑問も持たずにそのまま孫引き引用を繰り返してしまった結果という事例が多いので注意が必要ですね。

 逆に、主砲・装甲・動力スペースと流体力学に関わる船形以外では時間の許す限りの設計変更が出来たと思われます。
 空母に改装前の伊吹はほぼ重巡としての体裁が整うところまで工事が進んでましたが、残念ながら建造中の写真等の具体的記録が発掘されていません。
 大和ミュージアムに保管されている巡洋艦伊吹の検討資料や空母伊吹の公式図から分かる鈴谷との違いは、マストが改装後高雄のように後部砲塔直前に立ってる事、魚雷発射管は4連装で、これに船体中心線上の5連装回転式急速装填装置が組み合わされてる事です。
 なお、伊吹の魚雷発射管が5連装という話は、この装填装置に起因する誤解のようです。
 同様に航空艤装が廃止され発射管が5基という説も急速装填装置の搭載が伝言ゲームで誤った情報として伝えられているのだと思われます。
 他には、やはり航空艤装が廃止された為に高角砲も5基に増備という説があり、これは根拠が分かりません。実際航空艤装廃止高角砲増備とした英海軍の状況と日本海軍の置かれた環境は異なり、航空艤装廃止は有り得ない(むしろ強化したい)からです。
 いずれにせよ、マストが移動してるのに発射管や高角砲が運用に難が生じる奇数の5基というのは工学的に矛盾していて成立する方法論が思い浮かびません。発射管一基は左右舷側に移動可だったと主張する人は、重量、強度、方法、スペース、何よりメリットについてどんな考証を行ったんでしょうね?。それとも提示された話を鵜呑みにするだけで誰も変だと疑わないのでしょうか・・・
 所説の真偽に関わらず以上の事を踏まえると、鈴谷との外見上の違いは魚雷兵装&航空艤装の近辺に集中すると見て良いかと思われます。

 4連装発射管や回転式急速装填装置、移動したマスト、水上爆撃機運用の為にカタパルトは呉式2号5型から1式2号11型に強化されている、と想定して厚紙に作図し切り抜いて配置を検討します。

 まずは最上型のデッキプランを確認しておきます。
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A:4番砲塔主砲限界線
B:砲塔建築限界線
C:測距儀建築限界線
D:4連装発射管(上甲板。鈴谷は3連装)
E:12m発動機付ランチ(高角砲甲板)
F:高角砲台座(高角砲甲板)
G:メンマスト(中甲板まで貫通、二脚部は上甲板に固定)
H:予備主砲射撃塔(構造物、支塔高角砲甲板)
I:カタパルト。青矢印が呉式2号の長さ。(高角砲甲板)
J:第七缶室吸気開口部(上甲板)
K:前部機械室吸気開口部(上甲板)
L:前部機械室排気開口部(上甲板)
M:後部機械室吸気開口部(上甲板)
N:後部機械室排気開口部(上甲板)
L・M・Nは鈴谷ではなく最上の位置だと後から気が付いて、抜かりました。

 重巡伊吹について残されてる資料から考察したもの。
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P:メンマストの位置。マスト以外の構造物は鈴谷のままだとすると、二脚は4番砲塔の射界に干渉しない前側と推察されます。
Q:伊吹考証のメインイベントととも云うべき回転式5連装予備魚雷急速装填装置。
 単に従来からの固定式次発装填装置が回転するだけってコンセプトでは無く、交戦側の発射管の魚雷と予備魚雷を発射した後、交戦側と反対舷の発射管内の魚雷を交戦側の発射管へ早急に移動出来る点が最大のミソ。
 つまり艦の進路を変える事無く持ち魚雷を全部発射出来る(予備が二本残りますが)訳です。
 水雷戦隊が肉薄攻撃を旨とするのに対し、日本の重巡(や重雷装艦)は超遠距離雷撃の戦法を採る為に、従来のように艦の向きを変えて魚雷を発射すると肝心の砲戦の便に不都合が生じる上に敵側に意図を察知されてしまうという矛盾と弱点がこの急速装填装置で解消されたのです。
 最も戦隊行動をしているのに1艦だけが違う仕様でいても意味が無いので、あくまで複数の艦が急速装填装置を備えていて同一行動が出来る事が前提で取れる戦法です。
 まずは発射管の位置が鈴谷のままと仮定して配置してみました。が、今一つしっくりきません。

 さらに色々考察を進めた結果・・・
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 予備の主砲方位盤と予備操舵室がある後部艦橋の使い勝手を考慮し、クレーン、内火艇搭載位置もマストと共に後方に移動していると想定しました。
S:マスト位置。クレーンの運用を考え二脚は後ろ側で構造物と一体に。
T:予備主砲方位盤は支持塔に載っている為、砲塔(の測距儀)と干渉しない位置を探ります。
U:ランチや内火艇の収容位置はクレーンを一杯に後ろに回して、なおかつ釣り上げた時に砲塔測距儀に接触しない(青線より前)、かつ航空関係の作業になるたけ邪魔に成らない位置に。
 スペースを取らない為にランチと内火艇は重ねますが、高さがまた邪魔くさいので高角砲甲板を切り取り、やはり改装後の高雄のように上甲板搭載とします。その際、高角砲甲板の後部そのものを切り取ってしまえばスッキリするものの船体剛性に悪影響が出てしまう可能性があるので、あくまで掘り下げるスタイルとします。
 勿論、上甲板の雷装関係と干渉してはいけません。

 以上を踏まえて不都合がないか確認します。
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 前部発射管を前向きとした為に、波浪の影響的に不利ですが許容範囲という事で。

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V:前部機械室排気口を雷装や航空艤装の邪魔に成らない位置に変更。舷側に近く波浪の影響を受けますがこれも外側をデフレクターとして妥協せざるを得ません。
W:後部機械室吸気口は苦肉の策で内火艇格納位置に。
X:後部機械室排気口上甲板開口部はやや後ろ中心寄りへ。上甲板の通行が阻害されてしまいますが仕方が有りません。
 なお、最上(鈴谷)型実艦ではダクトは機械室より直上の上甲板に開口し、そこから上甲板と高角砲甲板の間を這って通気塔へと導かれてます。が、伊吹では上甲板の魚雷兵装がそれを阻害するので、中甲板と上甲板の間で通気塔下へとダクトを導く事にします。その位置には兵員室があるので本来の最上型の良好な居住性が阻害されてしまいますが、これも断腸の選択とします。
Y:魚雷搬入口は最上・鈴谷同様前部発射管口と兼用する事にしました。ただし配置は前後逆に。
 バツ印は元々の最上の機械室吸排気口で廃止。

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 手元の鈴谷の公式図が大き過ぎて縮小出来ず、最上の縮小図面に同スケールの後部艦橋や内火艇、大型化したカタパルトの厚紙を置いて再度確認を行います。

 さて、伊吹が重巡として完成する情勢を考えるに、第二次大戦は始まっていて日本は参戦してはいるものの戦況は日本には不利には働いていないと思われます。例えば欧州ではスペインやトルコも枢軸側で参戦、独ソ戦はソ連がモスクワや南部油田地帯を放棄しつつも降伏はせずに膠着化。英国は風前の燈火のまま薄氷の上で踏み留まっている。
 或いは全く逆に、日ソ不可侵条約を結んだソビエト連邦の方が全力で南進して単独でドイツを軽く倒し、そのまま英国を除く欧州全域を「赤く解放」してしまう勢いとか。
 なので米国は史実のように対欧州:極東戦の国力振り分けを7:3と出来ず、9:1としてまずナチスを筆頭とした欧州ファシスト国家(或いは共産主義国)打倒に力を集中し太平洋戦線では当面攻勢には出ない単正面戦略、って感じでしょうか。
 なので伊吹建造の際は工作の為の構造は形状簡略化すれども、艤装そのものや装備自体はしっかりしていると想定しています。

 という訳で、兵器生産にも切迫していない筈で、高角砲は長10cmを装備する事としました。
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 ヤマシタモデルの秋月型用10cm高角砲塔を調達して、これをベースに改造します。


 船体内に据わりを良くするよう鉛板で重りを入れてみました。
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 上甲板にはキットでは雷装関係が再現されてますが、オレ伊吹に変更する為にこの部分を自作します。白いプラ板部分が作り直した上甲板。
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 発射管と魚雷急速装填装置(3連装で代用。両側にもう一本あると想定)を仮組みして機能を確かめます。
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 実際の急速装填装置の構造は回転式である事以外は不明ですが、発射管同様にチューブ内に魚雷を納めてる訳ではなく、枠付きの回転テーブルである可能性が高いと思います。イメージとしては駆逐艦や海自護衛艦の次発装填装置が回転台に乗ったものが近いと想定されます。

 船体や甲板の使わない穴はプラ棒で埋めていきます。
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矢印1: 前部機械室の吸気塔。一旦工作したものの、鈴谷そのままの配管位置(白い部分)では急速装填装置と干渉するので、それよりやや前方の最上の吸気開口部位置とする事に。

 艤装のレイアウト変更に伴い、新たな搭載機用スペースを自作しました。
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 1式2号11型カタパルトは、従来の運搬車+滑走車の上に艦載機という運用から、カタパルト上面と航空機作業甲板を同一面として運搬車兼滑走車に艦載機を載せるという単純化が図られてます。が、これは一方、機体の方向をレールと平行に固定、カタパルト回転面はデッドスペースに成る、作業甲板の位置が腰高に成ってしまう等のデメリットがあるので、従来型の運用とする事にしました。
 黄色い丸は自作した搭載機運搬車の転車台で、キットのモールドを100均シリコンゴムで型取り、ポリパテで複製した物を使用しています。実物の転車台は工場や港湾で使用される英国から輸入した構内軌道用ターンテーブルを参考に設計した事がロック機構などから分かります。
 レールは細切りプラ板で自作。配置はカタパルトへのアクセス分岐が少なくて済む改良がされている利根を参考にしました。
 搭載機運搬用のレールは軽便鉄道用(7kgや9kg規格のレール)を転用したと勘違いしている人が多い様です。或いは日本海軍艦艇研究家で世界的に有名なポーランドのヤヌス・シコルスキー氏の場合は自らの図面に路面電車の段付きレールを転用したものとして描いています。いずれにせよフランジ付き車輪を通す前提の鉄道方式です。
 が、実際はL字鋼の向き合わせで、L 」として運搬車の車輪車軸を挟み込む形で使います。理由は調達の都合や溶接等の工作も容易、レールの交差位置は車輪のフランジを通す為に切り込みを入れる必要が無くフラットで繋げる事が出来るので運搬車がガタ付いて移動せずに済み強度上も有利、台車の車輪にフランジが無いのでレール以外の場所に運搬車を直置きしても接地圧が上がらない、といったメリットが考えられます。運搬車の車輪は陸軍の軽貨車の車輪径よりさらに小さく、レールにフランジ用のギャップが有った場合はこれを超えられない事態も考えられます。なおレールの内側幅寸法は規格で決まってて全艦共通ですが、L字鋼縁の部分は外側に折り曲げて強度を確保する等のバリエーションがあります。
 なのでレールは上から見て一定の太さがあり、模型雑誌等でキットのものを細く削ってデテールアップをすると薦めているのは間違い工作なのです。
矢印2:搭載機の運搬車。この上にカタパルト用の滑走車が載り、さらに艦載機がその上に載ります。カタパルトが大型化するのに伴い運搬車も高くせねば成らず、キット指定の部品ではなく不要パーツ(最上用)に手を加えました。
3:前部機関室排気口。これも元々最上用のパーツに手を加えて利用します。赤四角の位置に配置。
4:非常時には運搬車や搭載機ごと海中投棄する為のレール。


 仮組して改造の様子を見ます。
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 高角砲甲板前方の機銃台は鈴谷の位置より前、最上と同じ位置と想定。
 棒状の物体は格納状態の舷梯です。
 救命艇(カッター)の搭載位置も移動しました。
 さらに後々の事を考え、砲塔バーベットに印を入れておきました(仮組なので未接着)。
 日本では砲塔は前から1、2〜番と順に呼びますが、英国式では前部はA、B、C〜〜、中央に砲塔があればQ、R〜〜、後部はX、Y、Zと呼称します。Fは指揮砲塔という意味です。

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 航空作業甲板後部は端艇の掘り下げ部の為に作業面積が減ってしまったので5番砲塔の射界を狭めない範囲で張り出しを設けました。

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 キットの高角砲指揮装置は91式(高射装置と測距儀が別体)から利根型同様に測距儀一体式の94式に交換されてますが、装備位置が鈴谷のままなので測距儀が増設された無線室や高角見張方位盤支柱にぶつかってしまい、視界が制限されて有効な射界を確保出来そうにありません。

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 艦橋やメンマスト周りを工作する為にプラ板で冶具を用意しました。

 高射装置の視界を確保する為に装備位置をやや外側へと変更。高さも本当はかさ上げしたいところですが玉突きで他の艦橋周り艤装も変更せねば成らなず、重心上昇も避けたいのでこのままで。外側に移動した事で主砲射界を遮ってしまわないようやや後方に成るようにもしました。
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 無線室や下部艦橋配線室周辺は許される限りの床面積で拡張、真ん中は下を煙道が通る為に床が階段状に成る為に殆どが棚状の倉庫や機器類設置場所に用いられると思われます。
 艦橋上甲板前方には兵員待機室兼倉庫を追加。
 しかし作ってしまってから思うに、実艦では艦橋上甲板レベルと下部艦橋や機銃台の構造そのものを全体的に見直してしまう方が、むしろ工期短縮的にも使い勝手的にも有利かと思われます。そのまま元設計をコピーして足りない物は付け足し構築では返って手間がかかる上に重量的にも不利に成ってしまうという例ですね。

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 その2に続く
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