ちょっと一息、、、
たむけの桜、、、
木曜日、、、夜の7時ごろ仕事が終わり、車に乗って帰りだした時、、
携帯が鳴る、、
運転中だし、、いつものように無視する、、
でも、、鳴りやまない、、
僕の仕事柄、仕事中もフォークリフト乗ってるとすぐ出られないから、ずっと鳴らしといてと、連絡している両親からだろう、、
信号待ちで、ちょいと出てみる、、
急いで更生病院来て、、、慌てた様子で叫ぶように発した声が聞こえた、、
兎にも角にも病院へ向かう、、
夜8時を過ぎていたんで、救急外来受付で名前を言い、処置室へと説明を受ける、、
先へ進むと、見たことない人たちが通路際の長椅子に座っている、、
二家族分ほど進んだ先、、一番奥に行くと、母らしき人が座っていた、、
今、処置中だという、、
そこで経緯を聞く、、
夕方、ご飯を食べてる途中で、トイレに立った後、ふらふらして倒れたと、、
で、通夜の時に、お隣さんが来て少しその時のことを教えてくれたのだが、、
救急車が2台来て、心臓マッサージをしていたと、、
なぜに二台??ま、それはおいといて、、
その後、救急車で病院に運ばれたとのこと、、
僕が病院について、小一時間ほどだろうか、、、
処置室から先生が一人出てこられ、説明を聞いた、、
心臓マッサージで命はとりとめましたが、、心臓が止まっていた時間が長くて、脳にダメージがあって、脳死状態だと、、
人工心臓に変えれば、10年でも生きられる、、、ただ、、意識の回復は見込めない、、
今のままだと、今すぐかもしれないし、一週間かもしれないし、一か月、一年かもしれない、、
それは、先生にも見当がつかないと、、
うーーーんん、、突然で判断力が、、
そうすると、、僕は明日会社行った方がいいのか?
うーーん、、とりあえず会うことは可能ですか?
そのまま処置室らしいとこの隣へ案内された、、
ごぽっっ、、ごほごぼっつ、、ごっ、、
え、、、意識はないんですよね、、
僕さ、植物状態って言ってたから、死んだようにひっそりとしているのかと思いきや、、
呼吸する度、溺れたように、むせかえる、、
母は、必死で呼びかける、、お父さん、苦しいね、苦しいね、、お父さん、、
意識はないのに、むせかえって動くおかげで、とても植物状態には見えない、、
もう一度聞く、ほんとに意識はないんですよね、、
ごぼっつ、、ごぼごぼっ、、ごっ、、ごごごごっ
意識がないとはわかっていても、、苦しそうで苦しそうで、、
こんな状態で、、こんな状態が続くの、、こんなじょうたいで、、、
今すぐ楽にさせてやりたい、、、
母は、くるしいね、苦しいね、、これ外しちゃダメなの?お父さん苦しいね、、、
泣きながら、顔を抱きながら叫んでいる、、
先生が10分くらいしたら、また来ますのでといい、隣の処置室の方へ、
こんな状態をみたら、、、早く楽にさせてあげたい、、、
ひとしきり泣き崩れる母に、そっと声をかけてみる、、
人工心臓は付けずに、このまま自然に待とう、、
いくら意識なくても、苦しそうな状態で何年もじゃ、、、
先生も気を利かせたのが30分くらい後にやってきた、、
自然に任せます、、早く楽にさせてやりたいです、、
それでいいね、、母にも聞いてみると、鳴きながら振り向き、、ええ、、ええ、、と、、
それでは、、心臓の方に異常が来ても、延命処理もしなくていいですか?
それでお願いします、、
それでも、明日かもしれないし、一週間、一か月、、いつまで生きるかわからないと、、、
そういうことで、処置室から、病室へと移動する、、
移動用ベッドに体を移すのを手伝わせてもらい、病室へ移動する、、
病室と言っても、結構広い簡単な処置室のような場所、、
さっきは、特別だったけど、今はコロナ禍なので、面会はできませんのでと、、休憩スペースで待つようお願いされた、、
植物状態なので、毎日の着替えやら、おむつやらをどうするか決めて、、
あと、、なんやらかんやら、、、
この日、母は、家族用の待機室が借りられるというので、泊っていくことに、、
僕は、作業服のままだし、一旦帰ることに、、
帰ってみてびっくり、、
玄関に白いものが乾燥してこびりつき、、
色々なものが散乱してた、、
でも、、散らかっていたのは、玄関だけで中はそうでもない、、
テーブルには、食べかけのご飯と、カセットコンロに網を置いて、めざしが一匹載っていた、、
サラダも食べかけ、、漬物もそのまま、、
まさしく食べてる途中でトイレに行くときに倒れたといった感じ、、
とりあえず、風呂を沸かして、その間にテーブルを片づけをする、、
風呂に入って、考える、、
時間はもう夜1時過ぎだったかな、、
今後のことを考える、、
とりあえず、、今日はもう休むことにして、親戚に親父が危篤だということを連絡しなければ、、ただ、、今はコロナ禍で、面会できないんだけど、、
風呂からあがり、レトルトカレーを食べて、ひと眠りすることに、、
ベッドにもぐったのは、2時くらいだったと思う、、
なんとなく眠れずに、うとうと状態が続く、、、
そして、、、朝4時頃、電話が鳴る、、、病院からだ、、
親父の容体が急変したので、すぐ来てほしいと、、
急いで病院へと向かう、、
入口で警備員さんに、病院から連絡ありましたと、告げると、書類は後で家族用のパスをもって、入るように言われ、昨晩の病室へ向かうのだけど、、、
僕さ、、昨日病室から出る時に近くの入り口を撮影しておいたのよ、、
4南病棟
まずはエレベーターで4階へ、、
そして、、南、、、、
え、、、あれ?
親もさることながら、自分でも入院したことある地元の病院、、
西と東は知ってるけど、、南って?
鍵がかかったドアの向こうにナースステーションが見える、、、だけど、、
この階、、周産期母子医療センター、、、
僕でもわかる、、違うって、、
4階の地図には、南はないし、、
そういえば、、3階に通路あったっけ、、
慌てて三階に戻って、南棟への連絡通路を渡り、再び4階へ、、
あ、、そうそうここ、ここ、、
呼び出しをかけて、鍵のかかった扉を開けてもらう、、
名前を告げると、こちらですと、案内された、、
そこにはすでに母が親父の顔をなでながら泣き崩れる姿、、、
僕は間に合わなかったらしい、、
看護婦さんに聞いたら、、今、確認のために先生を呼んでいますと、、
昨晩とは違って、静かに眠る親父を見た、、
もう呼吸もなく静かだけど、、それでも、、昨晩の息苦しそうな状態に比べれば、安心できる、、
ぶっちゃけ、、急すぎて、、バタバタしていたから悲しみはなかったけど、、
こうして、静かに時を待つと、涙が込み上げてきた、、
どれだけ待ったのかわからない、、いろいろな思いで、時間の感覚がわかんない、、
長かったのか、短かったのか、、
とりあえず、完全に仕事へはいけないので、上司にLINEを打っておく、、
そのあとすぐかな、、昨晩とは違う先生がやってきて、確認をする、、
時間は5時18分、、
とうに呼吸が止まっていて、僕が見ても死んでるのがわかるけど、、先生が確認した時間が死亡時刻になるとのこと、、
地下の霊安室に移され、葬儀屋さんに、すぐに連絡するように言われ、しばらく待つように言われる、、
葬儀屋さんは8時に来ると、、
2時間以上あったはずなのに、長くは感じなかった、、
色々なことが思いをよぎる、、
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