第19話 「桜吹雪が闇に舞う」
※チバテレ
※TBSチャンネル
エバタンは早乗り三次。
太助（高橋元太郎）が遠山金四郎（西郷輝彦）の桜吹雪の彫り物に触発され
自分も刺青を入れようとする。
しかし寸前のところでバレて連れ戻される。
その行為にお政（春川ますみ）激怒。
諸悪の根源と、とばっちりで金さんも呼び出される。
呼びに来た女の子が金さんの腕を引っ張って急かす。
そこに石川圭庵（大滝秀治）と歩いてきたエバタンにぶつかる。
エバ「おう、気をつけろ、どこに目ぇつけて・・・」
威勢よく啖呵を切ろうとするが
相手がお侍だったからか言葉を飲み込む。
金「すまんすまん」
圭庵は何も言わずに通り過ぎる。
エバタンは尖らせた口を曲げながら
「気をつけろぃ」と言って
圭庵の後についていく。
おゆき（松坂慶子）はおやすという盲の女と知り合う。
女は田舎から圭庵を訪ねてやって来たのだ。
女は圭庵の遠縁の者で、娘2人の奉公先を世話してもらったという。
姉の小夜衣（鮎川いずみ）は吉原で花魁に妹は堅気のお屋敷奉公。
おゆきは女を籠に乗せ圭庵の家に向かわせる。
エバ「ばっかやろー」
圭庵の家で、エバタンと包丁を持った男が取っ組み合っている。
外には野次馬が集まっていた。
包丁男は必殺仕業人の「あんた この心眼をどう思う」で
お座敷遊びの後、酔っぱらって一人で舟を出して溺れ死んだアホ息子だ！
包丁男「人殺し医者、盗人が！」
圭庵に飛びかかろうとする。
エバ「コノヤローこんなもんふり回しやがって」
エバタンはそれを止めようとする。
エバタンは何故か上半身裸で
背中と片方の肩から腕にかけて刺青が入っている。
包丁男「おふくろを生かして返せ！」
圭庵「だから手遅れと言ってあるのがわからんのか」
包丁男「朝鮮人参飲ませば助かるとぬかしやがって」
エバ「人参の金10両持ってきたか、10両！！」
包丁男「その10両のため、妹を岡場所に連れてきやがったじゃねえぁ」
圭庵「何の話だか、さっぱりわからん」
包丁男「このやろ妹を売った10両、取りやがって、その金どうした。
おふくろ返せ、妹を元の生娘にして返せ」
エバタンは包丁男の手首にかみつく。
あああ、と怯んだ隙に圭庵が包丁を取り上げた。
そして外の野次馬に「見世物ではござらん、ほら、散った散った」
エバタンも
「ほら、いけいけ」
圭庵「証拠を見せろと言うんだ、証拠を。
金を猫ババしただと？どこにその証拠がある。
証拠もなしにそのようなことを言うのを誣告の罪というのだ」
包丁男「それがなんだい、こうなったら畜生！お恐れながらと訴えてやる」
エバ「コノヤローまだぬかしやがるのか」
エバタンは包丁男をぶん殴って突き飛ばす。
そこにおやすが駕籠屋の2人と入ってきた。
「こんばんわー、こんばんわー圭庵さん、圭庵さあん！」
圭庵「誰だい？」
圭庵が対応していると、
その前に包丁男が倒れこんでくる。
エバタンはその上に覆いかぶさりながら首を絞める。
圭庵「これこれこれ三治、三次！手荒なことを」
籠屋2人は逃げる。
やす「その声は、圭庵さん
わたしゃ、やすだがね、娘が気になって遥々出てきましたわい」
エバタンは秀治に耳打ち。
「おい、アニキ、おめーが吉原に叩き売った・・・」
圭庵「シーっ」
エバ「だって妹の方は堅気のお屋敷奉公の約束だったのに、
おめーが無理やり叩き売って・・・」
不安になったやすが圭庵にさらに呼びかける。
「圭庵さん、圭庵さん」
話している隙にエバタンに押さえられてもがいていた包丁男が
エバタンを振り払い「覚えてろ」と逃げていく。
それを見つめるエバタンと秀治。
圭庵「三次、あいつ、ほっとくと・・」
エバ「うん、わかった」
エバタンは落ちていた包丁を拾い上げた。
略
包丁男、エバタンに殺害される。
エバタンが秀治の元へコッソリやってくる。
圭庵「どこにいたんだ」
エバ「仙台屋敷の賭場だ。あそこならもし町方に気付かれても手は出ねえ」
圭庵「ばかだなぁ。誰が殺せと言った」
エバ「だって、ぃゃ、だってアニキは俺にあいつをほっとくと」
やすが降りて来た。
圭庵「殺せとは言わなかったぞ、殺したのはお前だ。俺には関係ないよ」
エバ「今更・・・アニキ、高跳びの金だけはくれよな？」
圭庵「うーん」
やす「圭庵さん、圭庵さん、お前さんどこ行ってきたんだい？吉原じゃないのかい？
私をはやく吉原に連れて行っておくれよ、早くさよに会わせておくれよ」
圭庵「おまえさんはどうして聞き分けないんだい？
そんなそんな恰好ではいけないので着物をこしらえたら連れて行ってあげるから」
やす「だったら梅にあわせておくれよ。梅なら堅気のお屋敷のはずだから、
このナリだって・・」
圭庵「余計いけないよ梅はれっきとした丸の内のお屋敷奉公。
はいこんにちは、と言って、はいと会えるところと違うんだよ」
やす「圭庵さん。さよの身代金の50両、わたしゃまだお前さんの手からは」
圭庵「うるせーぞ、ばあさん、はい。上に上がってな」
圭庵はやすを二階に上がらせると階段を取り払ってしまった。
やす「圭庵さん、早くおろしておくれよ。どうしてこんなことをするんだい。
はやくおろして・・」
そのやり取りをエバタンは黙って見ている。
なんとも不審な顔。
圭庵はエバタンに向き直って
圭庵「1人も2人もおんなじだ。高跳びの金はやるから誘い出して・・」
エバ「嫌だ！」
エバタンは後ろを向く。
圭庵はエバタンの着物の襟を掴み顔を正面に向かせる。
エバ「うううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅもおおおおぁぁいやだああああああ」
エバタンは飛び出していく。
それを見つめる圭庵。
その夜、おゆきと次郎吉（松山英太郎）岡っ引きの源七（志垣太郎）は
エバタンの顔を見知った籠屋2人の協力を頼み
2手に分かれてエバタンを捜して夜の街をつっ走った。
千住大橋で待ち伏せしていたおゆき、源七グループ。
エバタンが旅装束で歩いてきた。
源七「テメー三次、上位だ！」
エバタン逃げる。
おゆきが駕籠屋の息杖を投げるとエバタンの脚に絡まって倒れる。
エバ「あ゛ーー」
エバタンは這って逃げようとするが御用。
なんか叫んでた。
役人（田畑猛雄）が
「島村様！（高田次郎）吐いた吐いた吐きましたよ！」
と嬉しそうに同心部屋にやって来た。
役人田端「三次のやろー自分だけは少しでもお慈悲をと震えあがって
泥を吐きやがった。はっきり殺したのは圭庵の差し金ですと。
さっ圭庵のお呼び出しの差し紙を」
島村「いかん！！」
役人（北村英三）「島村様！！！」
島村「お奉行のお言いつけだ」
役人田端「そんな馬鹿な！」
島村「お奉行がご登城前に言い置かれたご命令だ。
圭庵にはこっちの動きを少しも気取られるな。
だから三次の召し取りもアイツには知られるな、と」
役人北村「かあー、いったい何をお奉行は・・」
その頃、お奉行は遊び人の金次の姿で
圭庵を罠に嵌めるために動き出した。.
略
お白州。
縛られたエバタン、縛られていない圭庵、その他大勢。
圭庵、あくまで知らぬ存ぜぬの一点張り。
見た、聞いた、言ったというだけで
動かぬ証拠は一つもないと圭庵は嘯き続ける。
金「いい加減にしろ、もうすべて自分で企んだ事自分でやった事と
あっさり言ったらどうだ、その方が悪人にしても男らしいぞ」
圭庵、証拠がない。証人がいない。証拠を出せと知らぬ存ぜぬ。
略
金さん、桜の刺青を見せる。
圭庵「騙しやがったな」
金「おう騙したともさ。
云々
よくも俺にこんな恥かかせやがったな。
憎いヤローだ、云々。
テメーって奴はどこまでもド汚ねえダメなやろーだ。
覚悟しやがれ、まだトコトン締め上げて
この人殺しヤロウ（エバタンを指す、エバタン少し体を上げる）同様、いや、
2倍3倍の罪に問うて獄門台に送ってやる」
エバタン終了。
（2021年2月 5日）チバテレ
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