mixiユーザー(id:2958687)

2021年08月01日08:40

48 view

7月の読書記録

先月は暑さのためか、なかなか読書が進まなかった。そういえば、夜本を読んでいて寝落ちしたことが何度かあったな…いや、休日の午後でもよくそういうことがあったか。今月はもう少し本を読みたい。

2021年7月の読書メーター
読んだ本の数:17冊
読んだページ数:4761ページ
ナイス数:165ナイス

https://bookmeter.com/users/4147/summary/monthly
■本を読めなくなった人のための読書論
いみじくも本書でジュースによる比喩を用いた箇所があったが、まさに素材の旨みと栄養を凝縮した良質の野菜ジュースというべきか。比較的短い文章に、珠玉とさえ言える魅惑的な言い回しが至るところに見出される。僕自身は、ほぼ一貫して本が読める状態が続いているのだけれど、それでも日頃の読書のあり方について、振り返させらることしきり。とりわけ、つい質より量を求めてしまう傾向については、少なからず反省させられたか。また、「かなしみ」という言葉には様々な感じが当てられていたという事実に目から鱗。日本語の奥深さを再認識。
読了日:07月30日 著者:若松 英輔
https://bookmeter.com/books/14448045

■愛とためらいの哲学 (PHP新書)
岸見の著書、何とも言えないモヤモヤ感を抱きつつも、図書館でその著書を目にするとつい借りて読んでしまうが、本書も御多分に洩れず。「それってどうなの?」と「まあそうなのかもな」の間のせめぎあいというか。ただ、本書の場合、とりわけ身につまされる記述があったのが、印象的だったか。その一方で、どこか底の浅さを覚えたり、あまりに極論に思えたりと、受け入れ難い箇所が少なからずあったのも事実。その当たりを自分なりにどう消化していくかが、本書の付き合い方なのかもしれない。愛とは対等な関係を築き上げることという指摘は重要。
読了日:07月30日 著者:岸見 一郎
https://bookmeter.com/books/12639948

■女たちのサバイバル作戦 (文春新書 933)
八年前に出たのにも関わらず、非常にリアリティがあるのに驚き。タイトルには「女たちの」と銘打ってあるが、本書でしばしば示唆されている通り、ここに書かれている問題は男性にも無関係ではないということは強調しておく必要がある。それはそうと、日本の典型的なオヤジに対して辛辣なのは、相変わらず(笑)。しかし、本書の内容に真摯に耳を傾けることが、世の男性のサバイバルにも繋がると思うのだが、どうか?また、これまで企業が女性をいかに拒んできたかという歴史には驚き呆れた。男の牙城がそんなに大切なのだろうか?アホらしい。
読了日:07月29日 著者:上野 千鶴子
https://bookmeter.com/books/7269401

■カンタベリ物語〈上〉 (ちくま文庫)
平易な文体の割には、妙に読み進めるのが辛かった。ある程度西洋史やキリスト教文化に通じていても、今一つ馴染めないのだから、それらに通じていない人は殆ど理解不可能ではないか?注釈も殆どないし。また、内容的にも現在的視点から面白いと思える要素がどれだけあるか…その当時の文化や風俗を知るという点では興味深いものはあるけど。また、時代的に近いということで、ラブレーに近いものを感じるが、あの抱腹絶倒の荒唐無稽さとは程遠い。個人的には歳を取って、若い妻を娶った男が若い男に妻を寝取られる話が年のせいか、妙に心に沁みた…
読了日:07月26日 著者:ジェフレイ チョーサー
https://bookmeter.com/books/93191

■古井由吉論: 文学の衝撃力
古井が物故してもう一年以上も経つのかという感慨と、それなりに古井の作品を読んできたと自負してきたのにも関わらず、自分は氏の作品の何を読んできたのだろう?という自責の念にかられることに。本書で引用される古井の作品を目にする度に懐かしさと言いようのない焦燥感を覚えた。「あの頃もっと氏の作品を読み込んでおきたかった!」と。氏の作品にえも言われぬ豊穣な世界が潜んでいることは、それなりに痛感していたが、こうやって詳細に渡ってその世界を改めて紹介されると、その全作品を読み返したくなる。この評論自体も読み返したい。
読了日:07月25日 著者:富岡 幸一郎
https://bookmeter.com/books/16603275

■武器としての「資本論」
内容や論調が平川克美に似ているな…という印象を受けたが、後書きによると平川氏が絡んでいるとのことで納得(笑)。それはともかくとして新自由主義が勃興し、格差社会が進行。人々の思考は愚鈍化し、右に倣えの翼賛的社会になる…歴史を紐解けば、これが確実に破滅へと至る道だと理解できるはずなのに、多くの人々はこの現実を唯々諾々として受け入れているかのように思える。その現実にいかにメスを入れ対峙していくか、その際の武器になるのが『資本論』ということになるのか。本書で示唆されるように、現実の変革は困難だが、必至でもある。
読了日:07月22日 著者:白井 聡
https://bookmeter.com/books/15501126

■試験に出る哲学 「センター試験」で西洋思想に入門する (NHK出版新書)
タイトルを目にして一抹のモヤモヤ感を抱いたが、意外な程興味深く読めた。高校倫理って面白い科目で、それを題材にして、こんなにわかりやすい哲学入門書が書けるなんてまさに目から鱗。できることなら30年前に読みたかった(笑)。件の入試問題は、流石に八割は解けたけど、意外と基本的な知識が足りないということを再認識。とりあえず近々、倫理の教科書をチェックしてみようかな…と思った次第。後、巻末のブックガイドも有効。ただ、気になったのは、高校教育における倫理の位置。小学校で道徳を教えるより、高校で倫理を教えるべきでは?
読了日:07月19日 著者:斎藤 哲也
https://bookmeter.com/books/13147485

■小説読解入門-『ミドルマーチ』教養講義 (中公新書 2641)
内容はともかくとして、『ミドルマーチ』未読の人は本書を理解できるのか?というのが第一印象。もちろん、『ミドル〜』未読の人にもわかる様に平易に書かれてはいるが、あの長大な小説を題材にした小説読解入門というのは、ちょっと無理があるのでは?という印象が拭えない…とマイナス面ばかり述べてしまったが、『ミドル〜』既読者には、「ああ、こんな読み方、見方ができるのか!」という魅力溢れた発見の連続。再度、読み返したいという気持ちが湧き上がる。また、古今東西の文学作品と絡んで論じられているのも、個人的に魅力を覚えた。
読了日:07月19日 著者:廣野 由美子
https://bookmeter.com/books/17726171

■リア王 (新潮文庫)
初読では未消化感があったため、再読。リアの老害ぶりを改めて痛感(笑)。あそこまで耄碌しているのを放っておいたのは、周りにも責任があるのでは…てなことを思ってしまった。また、初読の際にはあまり意識に上らなかったエドマンドの存在がにわかに自分の中で前景化することに。彼の存在を軽視して読み進めてしまったのは、読みが浅かった。庶子という立場が人物造形に及ぼす影響というのは、相当に深いのだろうと思わされた。それから、主要人物の殆どが死んでしまうというカタストロフ的な最後には、ある種の不条理感さえ覚えてしまった。
読了日:07月17日 著者:ウィリアム シェイクスピア
https://bookmeter.com/books/524800

■門 (新潮文庫)
再読本。どこが…とは具体的に説明できないのだが、初読の時とは大きく印象が違うのに、我ながら驚き。あえて言葉にすると、初読の際に感じていた作品全体に漂う翳りを、今回はそれ程感じなかったというところか。野中夫妻が抱えた罪悪感や閉塞感も、諦念も交えながらの穏やかな生活によって緩和されているようにさえ思えてしまった。ただ、三度にもわたって子を失ったというエピソードにはさすがに胸が傷んだが。また、今更ながらに心を刺すような卓抜な文章が頻出するのに驚かされる。今後、読み返すに毎にその味わいはますます深くなるのだろう。
読了日:07月15日 著者:夏目 漱石
https://bookmeter.com/books/577040

■人生論ノート (新潮文庫)
一昔…、いや二昔前くらいの文学青年がいかにも好んで手に取りそうな本というと、褒め言葉に聞こえないか。一見して小難しいわかったようなわからないような言い回しの連続。でもどこか魅力を覚え、惹かれていく…かつてはそんな若者が少なからずいたということが容易に想像できる。ごく短い表現で、人の心を掴むことができる…三木は実はコピーライター的素質があったのでは?ふとそんなことを思わされた。まがりなりにも哲学科出身にも関わらず、本書の理解度は恥ずかしいくらいに浅い。哲学的エッセイというより警句集として読むべきものかも。
読了日:07月14日 著者:三木 清
https://bookmeter.com/books/520780

■21世紀の楕円幻想論 その日暮らしの哲学
古希を目前にして全財産を失う…五十路を過ぎた者としては、著者が直面した事実の重さに何よりも重みを感じてしまう。それはともかくとして、本書のキーワードとなっている「有縁」と「無縁」という概念。その二つの領域といかにバランスよく関わっていくかというのが、いわば本書の大きなテーマなわけだが、個人的に「無縁」の領域に偏りがちということで、今後の生き方を何がしかの形で変えていく必要性を感じてしまった。血縁や地縁とは違う形での有縁の可能性…例えばこのネットにもその可能性があるのかも知れないが、まだまだ未知数だろう。
読了日:07月11日 著者:平川克美
https://bookmeter.com/books/12618438

■ハムレット (岩波文庫)
以前、別の訳で読んでおり、大まかな内容は把握していた筈だが、細部に関しては「あれ?」と思わせることが少なからずあった。とりわけ、驚かされたのが、悪役であるはずのクローディアスが良心の呵責に悩む場面。また、ガートルードもそれ程の悪女とは思えない。そういう二人が悪行を犯した経緯がどうしても気になってしまうが、それを明らかにせず、読者(あるいは観客)の想像に敢えて任せるのが妙味だとも言えるか。それはともかくとして、主要人物ほぼ全部が死んでしまうというラストがある意味圧巻。それでいて、悲壮感が希薄なのが不思議。
読了日:07月10日 著者:シェイクスピア
https://bookmeter.com/books/487936

■本をどう読むか: 幸せになる読書術 (ポプラ新書)
それなりに興味深く読めたが、新味に乏しい…というか、普通の読書論というのが正直なところ。後、気になったのが、著者の他の著作にも共通することだが、首を傾げてしまう日本語表現が散見されること。また副題にある「幸せになる」というのも、どうも違和感を覚える。そういうメリットを求めて本を読んでるのではない…と。ただ、10代の頃から様々な本に出会う環境にあったというのは、素直に羨ましい。京都という環境であるが故のことだろう。それから、現在の政治にかなり不満を抱いていることが示唆される記述が見られるのが印象的だったか。
読了日:07月09日 著者:岸見 一郎
https://bookmeter.com/books/13486265

■ヴェニスの商人 (新潮文庫)
解説でシャイロックへの言及にかなりの頁が割かれていたが、やはり彼の存在がとりわけ際立っているというのが、印象的。また同時に当時のユダヤ人に対する差別意識がどれ程苛烈であり、それがいわば公然のものであったかという事実の重さを感じる。特に彼のキリスト教信者の欺瞞に対する呪訴えが真に迫ったものがあり、その点だけ見ると、彼をそんなに悪者扱いすることはないだろう…という気にさえさせられる。後理解し難いのが、バサーニオーとグラーシャノーが指輪を渡してしまう件。この辺り、今日の我々には理解し難い倫理観が働いていたのか?
読了日:07月05日 著者:シェイクスピア
https://bookmeter.com/books/574907

■リア王 (新潮文庫)
今でいう老害そのもの。これは娘に愛想尽かされても文句言えないよな…というのが第一印象。上の娘二人は冷酷という印象があったのだけど、あの反応はある程度納得できる気がした。それはともかくとして、登場人物の名前がなかなか覚えられず、しかも注釈が全くないため、話の背景が理解し辛いこともあってか、ストーリーを追うのが思った以上に辛買った。他の訳で読み直すか、再読する必要ありか?また、他の著者の戯曲でもそうだったのだし、解説でも言及されているが、道化の存在感とセリフが印象的。それにしても、あまりに人が死に過ぎな気が…
読了日:07月04日 著者:ウィリアム シェイクスピア
https://bookmeter.com/books/524800

■一生モノの教養が身につく世界の古典 必読の名作・傑作200冊
一冊につき見開き二ページという体裁で、読みやすくはあるが、どこか食い足りなさを覚えるのも確か。また、このコロナ禍に引き寄せた箇所が散見されるのが印象的。個人的には複数の執筆者がいるのにもかかわらず、その経歴が割愛されていること、そして各々のテキストに執筆者の顔が今一つ窺えないのがやや不満か。なるべく編者である佐藤氏のスタンスに寄せている感があるというか。また、古典と銘打っていながら、その名前に値するかどうか、些か疑問が残るチョイスが見受けられるのも気になる。全体としては可もなし不可も無しのブックガイド。
読了日:07月03日 著者:
https://bookmeter.com/books/16698697


▼読書メーター
https://bookmeter.com/

1 1

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2021年08月>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    

最近の日記

もっと見る