[毎度のシリーズ]
ほぼ毎年再録していますが、今回は新作もあるのでチョイお楽しみに
これは2013年のお盆の時期の話です。
その夜、私は台所で洗い物をしていた。 すると奥さんが悲鳴と共にやってきて、
『おっかね!なおがミヤちゃんいるって言ってるーっ』
なおはうちの次男坊で当時四歳、ミヤちゃんとは我が亡き母のニックネームであり、息子二人には遺影を示して
『ばあちゃんの、ミヤちゃんだよ』
と昔から教えてあり、なおは今も普通に遺影を見ながら
『ミヤちゃんはちんだのー?』
という。
奥さんにたいして私は
『いっつも写真見で、ミヤちゃんミヤちゃんゆってっぺー!』
と、気にも止めなかった。
続けて奥さんは
『ちがー、全然別などご見でミヤちゃんいるーってゆってんだー!!』
二日後、仕事を終えて家に帰ってみるとあの赤いランドセルを買ってやったゆーきと義理の妹が遊びに来ていて、またなおがミヤちゃんが見える話をしていた。
私が
『なおくん、ミヤちゃんどこにいるの?』
と聞くとあそこーと遺影を示す。
『写真じゃないミヤちゃんはどこにいるの?』
と再び聞くと、
『今日はいないよ!』
私は全く怖くはなかった。
お盆だから来たんだなと、うれしく微笑んだ。
《初出展》
フレパイズム
[アメーバモバイル]
2014-06-28 11:40:20
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