参加することに意義があるとは思わなかった人々のための五輪

■YOUの五輪どうだった？　出国ラッシュの空港で聞いた
(朝日新聞デジタル - 08月09日 18:26)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6623556

■菅首相、五輪「開催国の責任果たした」＝ワクチン接種、１億回超に
(時事通信社 - 08月09日 15:01)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=6623412

■武藤事務総長「これこそレガシー」パンデミック下の世界規模イベント開催可能
(日刊スポーツ - 2021年08月09日 14:37)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&from=diary&id=6623392

■異例ずくめの東京五輪が閉幕、米メディアは感染対策評価と今後への課題指摘
(日刊スポーツ - 2021年08月09日 12:58)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&from=diary&id=6623312

　狂乱の17日間がようやく終わった。TVを点けてもどの局もオリンピックオリンピックだもんね。観る番組がなくて本当に困った。特に透析中はネトフリ、アマプラも観られなかったし、全局が五輪の支配下に置かれているのはまるで戦前の言論統制かよ(その時代生きてないけど)と突っ込みたくなるほどだった。
　一局くらい別の番組をやってくれないかと思ってテレビQにチャンネルを合わせたら、ずっと韓国ドラマ『奇皇后』をやっていて、まるで砂漠の中のオアシス(笑)。おかげで元朝末期の中国・韓国情勢に詳しくなったよ(フィクションだけど)。

　マイミクさん、Twitterのフォロワーさんが、やっぱり殆ど五輪に関心がない人ばかりだったのも助かった。
　いつぞやの五輪ではさ、ニワカのくせにワケシリ顔で実況中継する人が後を絶たなくて、閉口したもんな。
　まあ、価値観合わねえなとマイミク切っちゃった人も多くて、今回、五輪の呟きをしていた人はほんのひと握り。それも開会式、閉会式の演出については語るけれども、競技自体には目もくれない、という人ばかり。ネットの大はしゃぎに巻き込まれるということもなかったのは本当に幸せだったよ。

　いずれも、コロナ禍の中、五輪を強行して、多くの国民に五輪がいかにくだらないイベントであるかを周知してくれた行政のおかげである。相変わらずはしゃぎまくるニワカや、根っからの脳筋スポーツバカはニッポンバンザイを連呼してるんだろうが、その数もめっきり減って、身近で見かけなくなってくれたのはありがたかった。全く、ガースーの無策無能ぶりにはいくら感謝しても感謝しきれない。
　もう毎回五輪を招致してくれてもいいよ。開催するたびに、どんどん酷くなって、式もボロボロ、競技もボロボロ、参加国、棄権者も続出、日本の金メダルと赤字だけが増えてくの。いいことじゃん(笑)。
　政治の指導者は無能に限るってね。見事に「負のレガシー」のサンプルを残してくれましたよ、今回の東京五輪は。

　閉会式は、もう組織委員会への抵抗勢力も一掃されてるだろうから、リアルタイム視聴もしなかった。ネットの反応を見る限りでは、開会式より一層「ニッポン」を押しつけるようなものになっていたようで、喜んでるのはネトウヨだけである(かと言って貶してるのがパヨクばかりではないところがもうね)。
　それってやっぱり「国威高揚」なのでは、とも思うが、ともかく観てないので、具体的な内容についての批評は避ける。ただ、終了に当たって、首相が総括のコメントを発表したりするのは明らかな「政治利用」であって、五輪の精神に甚だ逆らっている点は指摘し続けなければならないのではないか。
　日本人選手が金メダルを取るたびに、Twitterで賞賛してきたガースーのニュースを聞いて、「オリンピックは参加することに意義がある」んじゃなかったのか、と思うことしきりだった。
　そう言えば、この「参加することに」のフレーズがここまで聞かれなかった大会もこれまでにない。河村たかし市長が表敬訪問を命じたのも、金メダルを取った選手だけだったし、市長として選手を労うのが目的なら、名古屋市出身の選手全員を呼ぶべきではなかったか。
　結局、どいつもこいつも「五輪の栄誉」を自らの政治的アピールに利用しようとしただけだということが丸わかりである。そもそもその点が問題なのであって、メダルを噛む以前に、選手と関わろうとするスタンス自体が胡乱なのである。

　政治家を批判すると、すぐにオマエは五輪反対派か、アスリートを応援する気はないのか、と難癖を付けてくるイカれたネトウヨが沸いてくるので、それも面倒だった。
　当初から呟いていたとおり、私は別に五輪開催の反対派ではない。アスリートに対しても、関心がないだけで、個人個人の努力を無視したり非難したりするつもりは毛頭ない。五輪がここまで「政治塗れ」になってしまっている現状に、嫌気が差しているだけだ。
　考えてみれば、先の東京オリンピック後に、円谷幸吉が「国威高揚」の犠牲になってこの世を去ってしまったときから――表向き、平和や平等を謳いながら、その実、差別や偏見を煽っている五輪の実態に、どうにも共感を持てないでいるのである。
　大坂なおみが敗退したときだけ、ネトウヨからの誹謗中傷が嵐のような勢いで彼女を襲ったことを思い返して頂きたい。五輪憲章から一番遠い連中がはしゃいで、思い上がって、選手ではなく「ニッポン」を応援してきたのが、今回の東京オリンピックだったんだよ。

　まだパラリンピックが控えているし、来年は北京での冬季五輪、三年後はパリ五輪と、延期のせいで、五輪の間隔が短くなってしまった。五輪の政治利用と、それに群がる蛆虫連中が淘汰されることはないと思うが、もうオリンピックなんてまっぴらだって痛感した人も増えたとは思う。
　次回からは、テレビ局もバカ向け番組ばっかり放送してないで、そうした「常識人」のニーズに応える意味でも、五輪以外の番組を増やしてほしいと切に願っている。