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2021年08月08日20:52

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ミステリマニアは刮目して観よ!/【ネタバレほぼ無し】『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』

■クレしん映画の歴史を塗り替える大傑作 「謎メキ!花の天カス学園」レビュー
(ねとらぼ - 2021年08月07日 11:32)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=128&from=diary&id=6621270

■小林由美子×森川智之、『映画クレヨンしんちゃん』対談 “心に刺さる”“腺崩壊”のポイントは?
(ORICON NEWS - 2021年08月07日 06:30)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=6620969

■『クレヨンしんちゃん』仲里依紗、思い出を熱弁「主婦としてみさえの気持ちがグサッ」
(クランクイン! - 2021年08月05日 09:41)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=100&from=diary&id=6618251

■映画動員ランキング:『竜とそばかすの姫』V3 『映画クレヨンしんちゃん』初登場2位
(ORICON NEWS - 2021年08月02日 19:30)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=6614942

 「ねとらぼ」の記事が相当に煽った文章で、記事に付いてるコメントはそれに反発してるものが多い。でも明らかに映画を観ずに貶してるんだよね。
 こういう批評の基本も知らない、ただのマウント取りたがりの半可通ばっかりなのがmixi民の民度の低さを表してるんだよねー。もういい加減で口にするのも飽きたけどさ、そりゃ作品を貶すのも個人の自由だよ? でもそれは「観てから言え」って話。昔、映画を観ないで貶した某映画評論家が謝罪に追い込まれたってこともあったんだから。たとえ素人であっても、それは最低限、守らなきゃならない礼儀なんだよ。

 とは言え、実際に映画を観た身としては、なるほど、「大傑作」という評価を下したくなる人がいるのも理解できるが――。
 それは相当、マニアックな人にとってだよなあ、というのが正直な感想なのである。まず確実に「万人受け」はしない。
 映画『クレヨンしんちゃん』シリーズの中では、確かに一、二を争う異色作だ。しかし同じく異色作である『オトナ帝国』『戦国大合戦』のような感動大作でもない。感動要素はあるが、それがメインじゃないんだよね。かと言って、『ヘンダ―ランド』のようにエンタテインメントに徹しているわけでもなければ、『ヤキニクロード』のようにおバカてんこ盛りってわけでもない。『カスカベボーイズ』『カンフーボーイズ』は、カスカベ防衛隊(今回はカスカベ探偵倶楽部)を主役にしている点では似ているが、決定的に違う点がひとつある。
 しんのすけのアタマがいいのだ。――ええええっ!?(と驚いてくださいな)

 これだけはネタバレだけど、この点を書かないと全く説明にならないので、具体的な経緯だけは避けて、簡単に言わせて頂く。全ての謎を解いて解決するのは紛れもなく、しんのすけなのだ。
 そして、他のメンバーたちも全然おバカではないのだ。はっきり言って、見かけは子ども頭脳は大人なホームズ気取りの推理オタク含めた某五人組より推理力あるんだよ。
 ――ねっ、異色作でしょ?

 でもどうせお話自体はおバカなんでしょ? と言われる人もいるだろう。
 それはその通りである。何たって、解ケツ――いや、解決しなければならない事件ってのが、吸血鬼事件ならぬ吸ケツ鬼事件である。シリを吸われたエリートたちが、次々とおバカになっていくというのだから、マトモな事件ではない。某探偵小僧が同じ事件に遭遇したら、途方に暮れて尻尾巻いて逃げ出すこと請け合いである。
 こんなバカな世界におけるバカな事件を解決できる名探偵など、野原しんのすけ以外にいるはずがない。つまり、「クレしんワールドにおける設定においてのみ成立するトリック」が披露されることになるのだ。

 現実にはあり得ない設定の世界での謎解きなんて、ミステリーとして許されるのかって疑問を抱く方がいたら、常識的でごく普通のお方ですね、もうお帰り頂いて結構です、と申し上げるしかない。何となれば、ミステリーには「SFミステリー」というジャンルもしっかりあって(アシモフ『鋼鉄都市』『はだかの太陽』など)、「SF設定」が読者、視聴者に周知されていれば、その設定において生み出されたトリックは決してアンフェアなものではない、ということが既に規定されているのだ。
 だから、『クレしん』の世界観が「おバカ」によって成り立っていることを知っている観客にとっては、本作は正々堂々たる「本格ミステリー」だと理解できるはずなのである。「本格(風)」と謙遜したキャッチコピーが付いてるけど、クリスティーやクイーンにも決して引けは取らないよ。もう本当に三嘆したからね、クレしん世界だから、アニメだからこそ成り立つトリックが続々と展開されて、それがいちいち「フェア」なんだもの。

 いやあ、本当にラストまでアタマが混乱して真犯人に辿り着けなかったよ。伏線、ヒントはちゃんと出されていたのに、ことごとく見逃してしまっていた。自分の観察力がしんのすけ以下だったことを素直に認めざるを得ない(ちなみに実は「真犯人」は物語の初めの方で早々にバラされるので、推理しなければならないのは「実行犯」です)。
 それにしてもしんちゃんは凄いよ。これまでの映画では、何だかんだでしんちゃん本人にはチカラがないから、アクション仮面とか頼もしい助っ人や魔法のアイテムを使って事件を解決してきたのに、今回は本当にカスカベ探偵団の「才能」のみで勝利を得たのだから。その意味では、本作は完全に「しんのすけ主演映画」なのだった。

 だから、この映画を批判するとしたら、「こんなに観察力と推理力に優れたしんちゃんなんて、ボクのしんちゃんじゃないやい!」と駄々をこねるのが適当かな(笑)。
 クレしん映画ファンで、かつ本格ミステリマニアなら、大満足は確実な本作なんだけど――だからそんなやつ、そんなにいるのかなあって思っちゃうんだよね。まあ、あれだ、本作を観て、「フェア」だと感じることができたら、自分は本格ミステリマニアなんだなあと自己判断してください。これまでたくさんのミステリ作品は読んできたけど、あまり面白いと感じたことがない、と仰る向きにはお勧めしません。

 本当は、ネタバレ全開で、あのトリックはこうで、あそこでレッドヘリングが云々、とか喋りたいんだけど、できないのが残念。
 あ、あと本筋とは関係ないけど、ゲストのフワちゃん、あのテレビで声を聞いたら「うるさいなあ」としか感じなかった彼女が、本作の中では全然普通だった! だってレギュラー陣の方が全然うるさいしウザいしおバカだし! 特に風間くんの真柴摩利さんは、これが確実に代表作になると断言しちゃおう! そうね、風間くんファンには必見の1作でした。まる。 




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