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2021年02月20日09:47

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体罰の5つの副作用

■講師が児童踏み付け=頭蓋骨骨折の大けが―長野
(時事通信社 - 02月19日 20:30)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=6419128

◆体罰とは:体罰の定義◆
体罰の定義:体罰とは、親、教師、コーチなどが、指導する上で与える肉体的苦痛を伴う懲戒です。つまり、殴ったり長時間立たせたりする懲らしめです。体罰だと非難された人が、「体罰ではなく指導である」などと反論することがありますが、指導目的であるのは当然です。そうでなかれば、ただの暴力です。

体罰禁止というと、殴りかかる生徒に何もできないのかと言う人もいますが、そういう生徒を押さえつけたり、一時的に教室外に連れ出したりするのは、体罰ではありません。ただし、どの程度のことが体罰になるのかは、子どもの年齢や状況によって変わり、体罰の定義は機械的には決められないと文科省も考えています。

◆体罰は効果的か◆
一時的に人を動かす方法として、体罰や暴力は、とても効果的です。暴力でサイフ奪うことができますし、竹刀で殴れば、私語をやめさせることもできるでしょう。しかし、強力だからこそ、様々な問題が生じます。

◆体罰の「副作用」(危険性)◆
○体罰の副作用1:人間関係を悪くする
体罰を受けると、相手を恨んだり、憎んだり、恐れたりします。心理学の研究によれば、やる気はコーチや先生との良い人間関係の中で生まれます。体罰で無理に動かしても、本当のやる気は出ません。親子の場合、言うことをきかせたとしても、親子関係が悪くなっては、もちろん困るでしょう。非行少年をただ殴っても、彼らは殴った相手と社会を恨むだけでしょう。

○体罰の副作用2:自主性の喪失、心の健康被害
圧倒的な暴力の前では、人は無力になります。元巨人軍の桑田さんが、「体罰は自立を妨げる」と語っているように、体罰で無理やり言うことを聞かせた結果、模範囚のように言いなりになり、自主性や積極性が失われる恐れがあります。

子どものころの体罰で精神疾患を持ちやすくなる、という研究結果も報告されています。

大人になってから、子どもの頃受けた体罰の苦しみを告白する人も、大勢いるでしょう。

日本オリンピック委員会(JOC)による「暴力行為を含むパワハラ、セクハラについてのアンケート調査」の結果、選手の約11・5%が「暴力やパワハラなどを受けた経験がある」と回答しました。

○体罰の副作用3:暴力を教えてしまう
幼いときから体罰を受けると、大人の思いとは裏腹に、「必要があれば暴力を振るっても良い」と誤解して学んでしまいます(心理学用語で言うと「モデリング」「観察学習」)。暴力事件を起こす少年や、家庭内暴力を振るう少年が、幼いときから体罰を受けるなど、暴力が身近にある環境で育っていたことなどは、珍しくありません。

また、子どものころから体罰ばかりを受けていると、親や指導者になったときに、体罰以外の教育、指導方法が使えなくなる(思いつかなくなる)場合も、あるでしょう。

『閉ざされた扉のかげで―家族間の愛と暴力』(M.ストロース著)には、体罰を受けてきた人は、配偶者への暴力が多い、子どもへの暴力が多いといった研究例が紹介されています。

○体罰の副作用4:他の指導法を学べなくなる・さらに高圧的になる
体罰の効果は、強烈です。だからこそ、この方法に頼ってしまうと、他の方法を学べなくなってしまいます。普通は、親も先生も苦労しながら、どうしたらこの子に教えることができるかと、あの手この手を使ってみます。そうして、この子にとっての良い方法を、大人も学んでいくのです。

体罰という強烈な罰を使用し、子ども、生徒が服従する体験を重ねると、態度がさらに高圧的になり、体罰を与えている感覚が麻痺し、体罰が増加していく危険性があります。

○体罰の副作用5:いじめの誘発
いじめに関する教育心理学的な研究によれば、いじめを誘発しやすい担任のパターンがあります。一つは、ただの友だちのような優しいだけの先生。クラスに統制がとれず、いじめが生まれやすくなります。もう一つのパターンが、高圧的な先生です。子ども達が先生のまねをして、他の子ども圧力をかけるようないじめが生まれやすくなります。

◆罰の効果の限界◆
罰は、一般に何をしてはいけないかは教えても、では何をしたら良いかは教えません。強い体罰による恐怖で、私語のない静かな教室は作れるかもしれませんが、勉強への意欲関心は、高まらないでしょう。激しい体罰を与えればスポーツを愛するようになるでしょうか。

JOCの柔道に関する報道によると、選手達は園田監督の体罰をとても恐れ、監督にメッセージカードを渡したり、「園田組」というTシャツを作ったりしていました。それらの信頼関係は、体罰を避けるための工夫であり、を全部演技だったと述べています。

◆少年犯罪と罰◆
悪いことをした人には、制裁が必要です。犯罪少年の中には、少年院に入って初めて反省する人もいるでしょう。しかし犯罪心理学の研究によれば、少年と少年院の職員との人間関係ができないと、更正は難しいとされています。

また、非行少年たちも「罰を受けないようにしよう」とは思っています。ただ彼らは、「だから、ばれないようにしよう」と思ってしまうのです。

◆愛のムチ◆
愛のムチが絶対にないとは言いません。殴られたことで、愛が伝わり、人生やり直す人もいるでしょう。しかし、「愛のムチ」を気軽に口にし行為を正当化する人は、おそらく愛のムチではありません。

◆調教師のムチ◆
ライオンの調教師は、ムチを持っています。しかし、このムチでライオンを叩いて芸をさせているわけではありません。動物に芸を教える方法は、基本的に「報酬」です。

ムチは、俺がお前たちのボスだという権威の象徴です。見た目の怖い先生、大きな怒鳴り声なども、痛みや恐怖で人を動かすものではなく、権威の象徴でしょう。

◆体罰を与える人、受ける人、社会、時代◆
かつては、社会全体に体罰がありました。殴る方も殴られる方も、身体的、精神的に慣れていました。軍隊で上官が部下の尻を叩く際には、決して骨が折れるような叩き方はしませんでした。殴られるときには、歯を食いしばり、しっかりと立っていました。

しかし、現代では両者共に慣れていないために、心身共に大きな傷を負うことがあります。叩く側が感情的になっているとなおさらです。

アメリカの一部やシンガポールでは、体罰が合法ですが、本人に納得させ、親の承諾を得、校長や訓練を受けた教師が、決められた回数だけ、叩きます。怪我がないように、細心の注意が払われます。

また、偶発的な体罰の場合には、与える側と受ける側の力の差が問題になることもあります。体が大きくて強く、多少乱暴な文化に慣れている人は、この程度のことは体罰ではないと感じるのですが、受ける側には、心身のダメージが大きいこともあるのです。
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