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2021年01月17日21:18

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ひばりの恋愛奮闘記

はい、こちら院長が患者さんに「口呼吸が及ぼす悪影響」について説明する際、「口の呼吸をしていると…」と言っているのが聞こえ、受付で「水の呼吸みたいに言うなや」と叫びたかった葉桜です。

「口の呼吸!壱の型!歯肉発赤!」か。やかましいわ。


さて、おひさしぶりでございます。
ついでにすっかり遅くなりましたが本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
たまーにこうして顔を出しますので、気がむいたら読みにきてくださると嬉しいでございます。


今回は私の友人の中でも1番可愛いと思っている友人、ひばりちゃん(仮名)の話を聞いていただきたい。
私の友人はみんな可愛い。
あまりにも私の周りの女の子が可愛いので、私は前世童貞だったのではないかと半ば本気で思っている。

数年前、ひばりちゃんに好きな人ができたときの話である。

イベントで知り合った年上の彼にひばりちゃんは頑張ってアタックしていた。
ただでさえ可愛いひばりちゃんが懸命に自分の想いを実らせようと努力する姿は同性の私でもガチ惚れしてしまうんじゃないかというくらい可愛らしかった。

私のガチ惚れ未遂をよそに、ひばりちゃんと彼の仲は順調に進んでいった。

クリスマスは一緒に過ごし、元旦には初詣に行っておみくじをひいたという。

『この恋は成就する』
ひばりちゃんの周りの友人はそう確信していたのだが、奥ゆかしいひばりちゃんだけが真面目な顔で「私はきっとフラれる」と断言していた。

年末年始の2大イベントを共に過ごしておきながら、何故そんなことを言うのかと不思議だったが、これは女子特有の例のアノ流れに違いないと考え直した。

で、できるかな。なんせ久しぶりだからな。
ン、ン、ゲフンゲフン(咳払い)


私「だぁぁいじょうぶだよぉぉぉぉ、ひばりちゃんみたいに可愛い子がうまくいかないわけないじゃああああん!」

ひばり「・・・・・・・・・・・・」


南極のアイスキャンディように冷たい視線を送られてしまった。


絶対うまくいくのに「フラれる」とか言うから、「いったん自分を下げて相手から『大丈夫』という言葉を引き出す」という女子がよく使うアノ手段かと思って、元・演劇部仕込のオーバーリアクションで頑張ってみたんだが、アノ手段ではなかったのだろうか。
それか私のリアクションがわざとらしすぎたのか。
演劇部とコイバナ、両方とも果てしないブランクがあるからな。


さて、その頃、歯科業界には2年に1度訪れる点数改正が行われた。
普段そこまで仕事の遅くなることがない我が職場だが
(院長の説教話が長引き、終礼が1時間超かかることはあれども)
この時期は就業後に診療点数の勉強をしたりして帰宅時間が長くなる。

その日の帰宅時間は11時を過ぎ、体力の乏しい葉桜はヨボヨボと夕飯を食べ、もう今日はゆっくりお風呂に入って寝てしまおうと浴室へ向かおうとした。
そのとき、いきなりさ、ひばりちゃんからLINE.


ひばり「好きな人に告白したんだけど、返事が来ない。もうダメ。フラれる…」


今夜はまだ眠れない!!

そう確信した私は風呂場へ駆け込み、髪、身体を史上最速で洗い、タオルで拭いてんだかタオルで火をおこそうとしてるんだか分からないくらいの強さで髪を乾かし、ひばりちゃんに返事をした。


私「ひばりちゃん、大丈夫か!?私、もうお風呂も用事も全部済ませてきたからいくらでも話きくぞ!」

ひばり「葉桜ちゃん、ありがとう。さっきまで泣いていたけど、その言葉でようやくちょっと笑顔になれたよ…」


束の間でも、ひばりちゃんに笑顔が戻ってくれてよかった。
笑顔の代償として部屋には「ここは殺人現場か」と見紛うほどの毛髪が散っているが、それくらい安いものだ。あとでコロコロクリーナーをかけるだけでよい。

しかし私の力などではひばりちゃんの不安な気持ちを拭い去ることなどできまい。
告白して返事が来ない時ってすごく怖いし不安なんだよな。
それも直接じゃなくLINEとかだと待っている間相手の様子がまったく分からないから余計怖いよな。
私も高校時代、メールで告白したことあるから気持ちは分かるよ、ひばりちゃん。
まぁ私の場合は散々待たされた挙句「ごめん、別の子とメールしてて返事できなかった」と言われたがな。
人の告白、片手間にあしらってんじゃねえよ!(血涙)


ひばり「ごめんね。遅くに連絡しちゃって…」

私「私は全然大丈夫!自分がしんどいんだから自分のことだけ考えてな!待ってる間、不安だと思うから私と話しながら待っていようよ。ところでどれくらい前に相手に連絡したの?」

ひばり「30分前…」


うん、想像してたよりは待っていなかった。
まぁ彼女の体感的にはもっと長く感じているんだと思うけれど。


私「ご飯とかもう食べた?」

ひばり「ううん、晩御飯のコロッケもあんまり食べれなくて…」


揚げ物かい。結構陽気なメニューだったんだな。


ひばりちゃんの好きな相手から返事が来るまで、2人雑談して待っていたのだが、こういうときに何を話せばいいのか分からず、話題はどんどん迷走していき、終いには私がアカペラで「いざ進めや キッチン 目指すは じゃがいも」とキテレツ大百科の主題歌を歌うという、まさに奇天烈な事態へ陥った。

早く返事が来ないと次は「はじめてのチュウ」と歌わなくてはならなくなる。
あれキーが高いから仕事終わりの深夜に声が出ない(そういう問題ではない)

そう思い始めた頃、ひばりちゃんから「LINEが来た」


ひばり「ごめん葉桜ちゃん、ちょっと返事してくるから待っててくれる?」

私「当たり前だろう、俺にかまわず早く行け!」


何故か死亡フラグを立てる葉桜。


ひばりちゃんが返ってくるまで歯を磨きながら待つ私。
さっき「用事全部済ませた」と言っちゃったけど歯を磨くのを忘れてた。
歯は大事だからね、歯は(歯医者勤務アピール)


ひばり「やっぱフラれた」


しばらくしてひばりから連絡があった。


ひばり「『そんな風に想ってくれてるって気づかなかったから考えられない』って」

私「そっか…、よく頑張ったね。でも気持ちは伝えたんだからこれから見方を変えてくれるかもしれないじゃん」

ひばり「でもきっと妹みたいにしか思われてない。辛い」


何と声をかけていいか分からずオタオタする私。
真面目に青春してこなかったツケは何歳になってもまわってくる。
頼りにならない友人で本当にふがいない。


ひばり「私、もう恋愛したくない…。葉桜ちゃんみたいに生きる…」

私「やめなさい!」


すぐに言葉が飛び出てきた。
「葉桜みたいに生きる」の意味は分からないが、とりあえず止めなくてはいけないということだけは分かった。
うら若き可愛いひばりちゃんがこんな葉桜みたいになったらこの国の損失だと見なし、懸命に「早まるな!」「お前はまだ若い!」と懸命の説得を続けた。



とりあえずその日は一段落して終わったのだが、1日、2日、3日と日が経つに従って、私はだんだんひばりが告白した相手に腹が立ってきた。
ひばりをフったことも癪に障るが、まぁそれは個人の自由だ。許してやらないこともないこともないこともないこともない。

だがクリスマス一緒に過ごして、元旦に一緒に初詣行って「気づかなかった」「そんな風に考えたことない」ってそんなことあるか。
これは私がモテなくて真面目に青春せずこの年齢になったから分からないだけか。

その説も捨てきれない私は現役青春者である、高校生バイトの女の子にこの話を聞いてもらった。


バイト「あー、なんか最近の子でそういう人いますよ」

私「え、そうなの!?」

バイト「『遊ぶとかはいいけど、付き合うのは面倒くさいから告白されたら断る』みたいな」

私「はー、そうなのか。オバちゃん良い勉強になったよ。ありがとう」


ほうほう、なるほどね、と思いながら就業前の作業をしてたら思い出した。

ひばりちゃん、26歳。
想い人、40代。


想い人、全然、最近の子じゃない。


ちなみにバイトちゃんに「思い出したんだけど、想い人、40代だったわ」と伝えたら「え、40代だったら結構良いカバンとか買ってくれそうですね」と返事がきた。


ちなみに想い人が40代なのは聞いていたが、怖いので一の位は今も聞いていない。


結局、ひばりちゃんはそれから何度かデートを重ね、改めて想いを伝えなおし、見事成就させたのだが、付き合ってからも悩みはあり(分かるぞぉ、年の差の交際は大変だよねぇ)悩み苦しんだ挙句、一度海外にワーホリへ行き、「なんてグローバルな現実逃避!」と周囲を驚かせた。

なかなかあぶなっかしいところのあるひばりちゃんだが、交際も3年目に突入し、いまも元気である。

最近では恋人に葉桜の話をしているというので何を話したのか尋ねてみると
日記を書くのが趣味で、月に一度『食べて支援プロジェクト』でコロナ禍困っている企業の商品をお取り寄せし、歯医者に勤めて10年目になる女の子で、院長のことを心の底から憎んでいると説明しているらしい。

「最後のさえなければ凄く意識の高い子だね」と言われているそうだ。
ひばりよ…。

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