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2020年12月04日21:35

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96 詩・短編を書いてみた(第1931回)

短編・詩を書いてみました(^_^)
素人が書いたので
気に入っていただけるか分かりませんが
一生懸命に書いてみました
暇なときにでも読んで
楽しんで頂けると幸いです(^_^)b


96「いつも夜明けは美しいのかもしれない」
――――――――
【あらすじ】
この日
私は憤慨していた。
なんと
お母さんが私の部屋へ勝手に入り
子供の時から愛用していた
ぬいぐるみを私の許可もなく捨てられてしまったのだ。
ちょうど思春期だった私は
母親の身勝手な行動に怒りが込み上げて。
その時
持っていたお金とスマホ。
そして
手持ちサイズのラジオをバックに詰め
着ていた長袖ままで家を出たのだった……。

――――――

さて
これからどうしよう…。

私は途方にくれていた。
勢い良く出てきたものの。
何か考えがあるわけではない。

私は仕方なく
この辺りをウロウロしようと思ったが
『それだとすぐに見つかる』と思った私は
持っていた僅かな所持金を使い
電車を乗り継いで
初めて都会へ向かうことにした…。

街の街灯が灯り始める頃。
私は都市部の中心の駅に到着し
街へと降り立つ。

ビルに囲まれた街は
私の町とは全く違う賑わになっていて
まるで違う世界に来たかのよう。

私は胸を高鳴らせ
目的を探すために周りを見渡す。
すると
とある方向へ向かう人の流れが発生していた。
それはカップルや家族連れ
様々な人が一緒の方向に向かって歩いている。

あっちに何かあるのかな?

私はその流れについて行くことにした。

少し歩くと
主流の川に別の川が合流するように
人の流れは少しずつ大きくなっていき
気がつけば
身動きが取れないほどの人が集まっていた。

『これが都会…』

そう驚いていると
この人だかりの理由が見えてきた。

それは光の宮殿のモチーフにしたような立体的なイルミネーションで
思わず足を止めてしまうほど美しい。

ふと周りを見ると
多くの人がスマホを取り出し
心が奪われる光景を写真に収めていた。
それを見て
私もスマホのカメラを起動させて写真を撮った。

さぞかし素敵な写真になっているだろう。
そう思って写真を確認すると
その写真は
肉眼で見るほどの美しさではなかった。

技術が無いからかな…。

そう思うことで自分を納得させた。

一通り
イルミネーションを堪能した私は
その場を離れた。

私は歩きながら
スマホを取り出し
この辺りで面白いことないかな…?と
色々とネットで探す。
すると
クリスマス近いということなのか
今日クリスマスツリーの点灯式が行われる記事を見つけた。

どうしようか…。

私は少し悩み
歩いて向かうことにした。

ゆっくりと見える位置を変えていく街灯。
ヒトグラムのような人波。

いつもなら意識しない光景だから
少し新鮮な気持ちになった…。

歩き始めて数十分後。
沢山の人の間からクリスマスツリーが見えてきた。
クリスマスツリーはとても大きく
沢山の人が関わったのだろうと分かる。

周りの街灯が暗くなり
カウントダウンが始まる。
集まった人の声と同時に数字が減っていき
点灯と同時に声が歓声に変わった。
クリスマスイベントの興奮が
街を染めていった……。

時刻は夜の12時過ぎ。
スマホの充電が切れてしまった。
私はスマホをバックに仕舞い
人の集まりそうな場所へ。

すると
初めてナンパされた
いかにも女の身体目当てという感じの風貌。
このようなタイプは無視をするのが一番いいのだが…
この日の私は
つい会話をしてしまった。

すると男は
チャンス!と言わんばかりに目の色を変えて
一生懸命に話題を振ってきた。

男の話が上手いのかは分からない。
しかし
話は弾み
彼と一緒に飲食店へ行くことになった。

お店に到着し
そのお店を見ると
外観からオシャレな雰囲気が伝わってくる。

このような店に入ったことない私は
怖じけそうになりながら
彼の後に店内に入り
店員さんに案内された座席に座った。

彼は席に着くと
間を埋めるような会話をしながら
メニューを見出す。

何を注文しようかな…。

ふと彼を見ると
どこか緊張した様子で
それを見て思った。

『この人は多分、ナンパに慣れてはいない人なのだろう』と。

だからなのか
私はこんなことを聞いてみた。

『ナンパとか初めて?』

そう聞くと
彼は身体をだけビクッとさせて一瞬黙った。
そして
彼は諦めた様子で優しく微笑み
ナンパが初めてで
女性と話すのは久し振りだったことを白状した。

その白状に私は思わず笑みをこぼし
それを見た彼も笑った。
その後
互いの雰囲気が融解してたかのように
楽しく会話をして盛り上がった。

そんなこんなで時間が過ぎ
気がつけば深夜2時を過ぎていた。

『あ、もうこんな時間か…』

私がそう言うと
彼は『この後は暇?』と聞いてきた。

きっと
この後も付き合ってということなのだろう。

どうしようか…。
彼、悪い人ではないと思うのだけど、
安易に着いていったら、強姦されるかもしれないし…。

色々と考えてみたが
『ま、いいか』と問題を片付けた。

その後
私は普段なら絶対に行かないような場所を彼と一緒に巡る。
音楽がガンガンと鳴るクラブ。
未成年なのに彼が自販機で買った酒を飲んで上機嫌になったり…。
そのようなことをして楽しんだ。

街の時計を見ると時刻は深夜5時。
夜空は色を変え始めていた。

『もう帰らなきゃ…』

私は自然とそう呟く。
それを聞いていた彼は
『じゃあ、ここで解散しようか』と
当たり前のように言った。

私はお酒が残っていたのかは分からないが
彼に思わず『ホテルに誘わないの?』と言った。
すると彼は驚いた

そんなこと考えてもいなかったのだろう。

私は『嘘だよ』と言って
彼の頬にキスをして
彼にクラブの時に書いた
自分のメールアドレスを書いた紙を渡した。

まるでベタなドラマのよう。

彼は当然
驚きと戸惑いでうろたえたが
私は手を振って別れを告げた。

さて、これからどうしようか…。

電車で帰ろうかなと思っているのだけど。
始発までは
まだ時間があるみたい。

私は歩きながら時間を潰す事にした。

人がいなくなった街。

それはまるで
自分だけが生き残ったような感覚だった。
しばらく歩くと川を見つけた。
河川は人工物で固められていて
カップルとか年配の方の憩いの場のよう。
私は河川に降り
川の柵に身体を預けながら川を眺める。

聞こえてくるのは川の流れる音だけ
誰もいないから音がよりクリアに聞こえてくる。

『―――』

ため息を1つ吐く。

身体を起こそうと片手を降ろす。
バックに手が当たり固い物の音がした。

……ん?

バックの中を見ると
それは
小さいラジオがスマホに当たった音だった。

何でこんな物を入れたんだ…?

私はラジオを取り出す。

スイッチを入れて電波を合わせた。
しかし
早朝だからノイズしか聞こえてこない。
でも
そのノイズが何故か心地いい。

少し時間が過ぎる。
すると
ラジオから早起きのご年配が聞きたくなるような音楽が流れてきた。

良い音楽だなぁ…。

そう思った時
水面に反射した弱い光が私の目に入る。
顔をあげると
夜明けが目に入った。
間違ったプログラムが修正されていくように
真っ暗だった夜空が朝日の光に塗り変えられていく。

私は長い時間
その変化を見続けた。
そしてこう思った。

きっと今日も晴れだろう…。

小さなささくれが私の心から取れたような気がした。

さて、帰ろうか
お母さんに怒られるだろうな…。

初めての朝帰りは少し
ほろ苦いものになるだろう。
でも何故か…
不思議と大人になれた。
ような気がする………。


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