mixiユーザー(id:2958687)

2020年09月01日07:27

31 view

8月の読書記録

とりあえず、先々月よりは読めたか。ナイスが200を超えたのが嬉しい。このあいだから、図書館から借りた本を、貸出期間中に読み返すことが多くなった。

2020年8月の読書メーター
読んだ本の数:19冊
読んだページ数:5794ページ
ナイス数:221ナイス

https://bookmeter.com/users/4147/summary/monthly
■20歳の読書論―図書館長からのメッセージ―
古今東西、そして人文系だけでなく、科学系の著書まで取り上げるという、その幅の広さに驚愕。ただ、正編に比べると読書の楽しさへの言及に欠けてるのが、やや物足りなかったか。それにしても、このシリーズを読んでいると、20歳前後に本を読まなかったことが、今更ながらに悔やまれてくる(苦笑)。五十路を過ぎても、そのリヴェンジを続けている今の我が身は一体何だろうか?とも。個人的にはウイリアム・ジェイムスに新たな興味がわいたのが、収穫だったか。また、釈宗演について、ちゃんと知らなかったのが痛恨。これで読みたい本が増えた。
読了日:08月31日 著者:和田 渡
https://bookmeter.com/books/15679424

■教養の書
想定外の面白さで一挙に読了。著者の軽妙でちょっと人を食ったような語り口がクセになる(笑)。教養とは知識とプラスアルファ。そのプラスアルファに対して新味があるわけではない。ただ、その語り口に本書の妙があるのでは?また、本書は主に大学生を対象にしているとのことだが、むしろ大学を離れて長いが、未だに知的好奇心を抱え、図書館通いが欠かせない僕のような人間向けではないか?と思えてきた(笑)。実際、本書の終盤では、大学という期間に囚われない学術探求の可能性に触れている。知ることの楽しさを探求したい人はぜひ読むべし。
読了日:08月29日 著者:戸田山和久
https://bookmeter.com/books/16049387

■花にもの思う春 (平凡社ライブラリー)
これまで和歌に関する本はそれなりに読んできたが、未だにその良し悪しがよく分からないというのが、正直なところだった。だが、本書を読んで、理解の程は別にして、とりあえず、幾つかの歌を「いいな」と思えたのが収穫か。それは、著者の紹介の巧さは勿論だが、自分の年齢も関係しているのかも(苦笑)。それはともかくとして、著者がすごいのは、学術的な常識に囚われず、自由に歌について語る一方で、歌について、恐らく専門家顔負けの勉強をしていると思われること。やはり何にせよ物を語るには、堅固な土台が無いといけないことを再認識。
読了日:08月28日 著者:白洲 正子
https://bookmeter.com/books/375549

■18歳の読書論―図書館長からのメッセージ
作者は面識は無いが、僕の大学院の先輩にあたる人。そういう人がこんな読書案内本を出しているとは…ありがちな読書案内と言えないことも無いのだけれど、幸田文の『崩れ』とかなり渋めの作品も紹介しているのが、個人的に肝。また、哲学畑の人でありながら、ここまで文学に精通しているというのも、憧憬と同時に嫉妬さえ覚える。そして何より、いみじくも18歳という多感な時期にあまり本が読めなかった自分に不甲斐なさを感じる…サブタイトルにもあるように著者は勤め先の大学で図書館長も兼任しているとのこと。その大学の学生は恵まれてる…
読了日:08月28日 著者:和田 渡
https://bookmeter.com/books/6336442

■発展コラム式 中学理科の教科書 改訂版 物理・化学編 (ブルーバックス)
これで多少は理数系コンプレックスは解消できた…か?(笑)とりあえず、中学時代こういう本が出ていれば、とは思わされたけれど。また、表立って言ってはいないが、現行の理科教科書に掲載されていないことをあえて取り上げたり、英国の理科の教科書の内容を紹介している事実からして、本書は現在の理科教育のあり方に暗に疑問を呈しているのでは?という気がした。個人的には、中学時代特に苦手だった化学式の解説は、今読んでみても理解はあやふや。イオンなんてタームが出てくると、煙に巻かれた気が…(苦笑)通読できただけで、よしとするか。
読了日:08月25日 著者:
https://bookmeter.com/books/7995977

■さざなみの日記 (講談社文芸文庫)
再読本。初読の時より著者の文体に改めて感じ入った。その独特の擬声態はもちろんのこと、一見何でもないような言い回しに、思わずハッとさせられるような才気を感じさせるのだから恐れ入るという他はない。著者は幾度となく、自分には文学の素養が欠けていると言っていたが、それが事実だとしたら、これはもう父親譲りの才能と著者自身の人となりや生活感によるものということになるか。また、娘の結婚話を巡る経緯に、つい小津の映画を連想してしまった。その結婚話の顛末…序盤に出して消えた人物を最後に復活させるという手腕に思わずにやり。
読了日:08月25日 著者:幸田 文
https://bookmeter.com/books/451170

■発展コラム式 中学理科の教科書 改訂版 生物・地球・宇宙編 (ブルーバックス)
理数系コンプレックス解消シリーズ?(苦笑)。ある程度のイメージはつかめた感はあるが、やはり理解の程はあやふや。また、現在の理科の教科書の内容をしらないので、両者を比べることができないのがちと残念。ただ、本書を熟読すれば、理科の教科書3年分をはるかに凌駕する知識が得られるだろうとは思うけれど。個人的にとりわけ興味深く読んだのは、地球の歴史や宇宙の成り立ちに関する箇所。地球の歴史の中で人類史が占めるのはごく僅かな期間というのは知っていたが、こうやって突っ込んだ形で説明されると、その事実がかなり衝撃的に映る。
読了日:08月23日 著者:
https://bookmeter.com/books/7995046

■『教行信証』を読む――親鸞の世界へ (岩波新書)
何となし気になって再読。だが、正直あまり理解が深まった気がしない(苦笑)。確かに初読の際には気づけなかった発見もあったが、肝心の『教行信証』への距離が縮まったとは言い難い。寧ろ謎は深まるばかりといったところか。ただ、初読の時の感想でも触れたが、『教行〜』は著者が半世紀かけて読み続けてもなお、難解極まるといわしめるという代物。解説書を読んだところで、その全貌がつかめるわけはない。ということで、ますます『教行〜』への興味がわいた。また、親鸞が生きた時代の過酷さと、そこで抱えた苦悩について、考えさせられた。
読了日:08月20日 著者:山折 哲雄
https://bookmeter.com/books/642710

■思考術 (河出ブックス)
既読書だと気付くまでしばらくかかった(笑)。あれ?こんなこと書いてあったっけ?と思うことが少なくなかった。それだけ前回の読み方が浅かったということか。概ね興味深く読めたが、これが思考術というタイトルに相応しい内容か?という点については、前回と同じ。プロローグ及びエピローグと本編との乖離が否定できない気がする。それはそれとして、新たに知的好奇心を刺激されたのも事実。特に初読の時にはそれ程気にならなかった『東京プリズン』に新たな興味がわくことに。また、本を読み連ねながらも、書くことに消極的な自分を自省した。
読了日:08月18日 著者:大澤 真幸
https://bookmeter.com/books/7780099

■人間
何者かになろうとして、もがき、焦り、他人の才能に嫉妬し…あの青年期特有のヒリヒリした感じ。そのまんまの時期があったわけではないが、どこか強烈な共感を覚えながら読み進めていた。十頁強程のナカノと奥こと影島との論戦は、数十頁とも思えるほど、重いのと同時に退屈というのが正直なところ(笑)。ただ、主人公とは別の著者の分身ともいうべき影島にあのような論戦を戦わせることは著者なりの拘りだったのかも…とも思う。酷評も見受けられるのも分かるし、確かに名作とは言い難い。ただ、著者の文才や次の作品への期待も感じさせる力作。
読了日:08月17日 著者:又吉 直樹
https://bookmeter.com/books/14328942

■新装版 苦海浄土 (講談社文庫)
陰惨な内容なのに、著者の柔らかな語り口と水俣病患者の熊本弁によるものか、どこか優しく、なぜか開放感さえ覚えるのが不思議。また、本書の本質が安直なヒューマニズムや公害を告発するルポでもなく、作者の私小説であるという点にあるという解説での指摘に、反論もあるだろうが、個人的には深く納得した次第。もちろん、本書が水俣病の悲惨さを克明に伝えているというのも事実。そして、それが公害の原因となった企業を批判すればいいというわけではなく、いわば複雑な大人の事情を孕んでいるという事実が重い。それでも人の命の方が重いが。
読了日:08月15日 著者:石牟礼 道子
https://bookmeter.com/books/470513

■心と響き合う読書案内 (PHP新書)
本当に本を愛する人による本紹介本は基本外れがないな…と思うことしきり。どの紹介にもその作品に対する愛に満ち溢れている。しかも、ラジオ放送を元にしているということで、文体が平明であっというまに読了。かつて読んだ本の紹介でも、新たな発見があったりと、何かと気づきに事欠かない。また、共感できるところがあればそれはそれで嬉しい…とこういうのは、やは長いこと本を読み続けてきた者だけが味わえる醍醐味だろう。ただ、個人的には「走れメロス」の紹介文が些かありきたりだったのが不満だったか。後、『モモ』を読んでみたくなった。
読了日:08月12日 著者:小川 洋子
https://bookmeter.com/books/544148

■やりなおし高校物理 (ちくま新書)
理数系コンプレックスの裏返しで、忘れた頃にこういう本を手に取る(苦笑)。平明な文体で読了するのは容易だけれど、当然のごとく(?)理解の程はかなり怪しい。やはり高校レベルとはいえ、馴染みのないタームが多いし、数式が出てこられるとどうしても受け付けない。とりあえず、物理に対するボンヤリとしたイメージがつかめたという程度。恐らく著者の狙いもそんなところなのだろう…と自分を納得させている(苦笑)。この手の入門書で魅力的なのは、様々な発明や発見のエピソード。在野の科学者が多大な成功を収めているという話に驚かされる。
読了日:08月12日 著者:永野 裕之
https://bookmeter.com/books/14725730

■『教行信証』を読む――親鸞の世界へ (岩波新書)
平明な文体でサクサク読み進めることができたが、理解の程についてはかなりあやふや。『教行信証』の大まかなイメーージが何とかつかめたかという塩梅。ただ、浄土系というと、素朴で土臭いという印象があったのだけれど、法然にしても親鸞にしても、非常に深い学問的素養と研ぎ澄まされた思考が根底にあったということが個人的に驚き。また、本書で度々言及される阿闍世問題に新たな興味がわいた。それからやはり気になるのは、法然を始めとする他の鎌倉仏教系の思想家との関係。この辺りは歴史のダイナミックな動きと相まって興味が尽きない。
読了日:08月10日 著者:山折 哲雄
https://bookmeter.com/books/642710

■経済学 下巻 (角川ソフィア文庫)
上巻の感想でも触れたが、恐らく本来ならば大学の教科書として、講義の解説にそって読むべきものだと思う。しかも、60年以上も前に出たテキストを一切の注釈無しで出すのはどうか?恐らくその後の研究によって、事実誤認とされた箇所も少なくないだろうし、一般的に認識度が低い人名もかなりある。それはともかくとして、最初の『資本論』の解説は簡潔で的確にまとめていると言えるか。大部を占める日本の資本主義経済史は、日本という国の近代化と資本主義の発展の歩みの特異性を改めて認識。その発展の背景には多大な犠牲があった。今更だけど。
読了日:08月10日 著者:宇野 弘蔵,大島 清,玉野井 芳郎,大内 力
https://bookmeter.com/books/13746318

■幸福について (光文社古典新訳文庫)
興味深く読めたところもあったが、ただ字面だけを追っていた箇所も少なからずあるというのが正直なところ。ニーチェの著作でも思ったが、どうしてここまで捻くれたものの見方をするのかな…と思えるくだりも。また、知性が世間では軽く見られていると断言したり、解説にもあるような女性蔑視的な発言など、首を傾げざるをえない意見も目に付く。ただ、年齢について論じた最終章は、初老を迎えた者にとっては、深く心に染みるもの。決して長くはないこの先の人生を生きる上で、かなり示唆的。また、解説で、最初は気づけなかったことが見えてきた。
読了日:08月08日 著者:ショーペンハウアー
https://bookmeter.com/books/13439216

■近代日本の右翼思想 (講談社選書メチエ)
同じ本をこれ程短いスパンで再読するのは、かなり珍しいことだが、再読して良かったと痛感。初読では見えなかったことが予想以上に見えるようになった。また、とんでも愛国論を振りまくネトウヨと呼ばれる連中が大凡右翼と呼ばれるに値しない浅薄で軽薄極まりない輩であることを改めて痛感。だからこそ本書は読まれなければならない。また、右翼というとやたら強面なイメージがあるが、それはあくまで一面的なものだということは強調すべき。ただ、多種多様なあり方があったはずの右翼が日本崩壊へと導く結果に至らす原動力になったのが残念。
読了日:08月05日 著者:片山 杜秀
https://bookmeter.com/books/370457

■私の上に降る雪は―わが子中原中也を語る (講談社文芸文庫)
詩人は…というか中也という人は面倒臭い人だったんだな…と痛感(笑)。彼が生涯職に就かず、親の脛を齧っていたことは知っていたが、それが母親の口を通して語られると独特の切実さを帯びる。また男兄弟の中で育った者として、兄弟関係に関するエピソードは、何かと身につまされることしきり。長男というのは、かくも強権的に振舞いたがるものだな…と。それから中也の両親が仮に中也の文学志向に理解を示していたら、どうなっていたのだろう…と考えてしまった。後印象的だったのが、中也の未亡人孝子さんとフクさんとのエピソード。心和む。
読了日:08月05日 著者:
https://bookmeter.com/books/265135

■嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え
もっと早くに知っておけばよかったというのと、何だかな…という相反する読後感。過去のトラウマに囚われがちな者として、やはりそれが人生に大きな影響を及ぼしているのは確かだし、それはどうしたって否定できないのでは?と思うのと同時に、自分とその過去を肯定し、人間関係と他者への貢献を重要視するあり方には深い共感を覚える。ただ、共同体を重視するスタンスが、悪しき意味での全体主義に発展しないか?という懸念もわくが。また、本書でも指摘されているとおり、やや新興宗教的なノリを感じるのも事実。ある意味それが魅力でもあるが。
読了日:08月03日 著者:岸見 一郎,古賀 史健
https://bookmeter.com/books/7813879


▼読書メーター
https://bookmeter.com/

1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2020年09月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930   

最近の日記

もっと見る